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芸人にとって断食はしかたなかった。なぜなら「口にあう食べものを見つけることができなかったから」。『変身』のカフカによるこの短編をよく読んでみれば、そこにはラストメッセージとしての奇譚がくっきり浮かび上がる。不幸であることを書いて寓話になりきれない〈わたし〉の文学に、いまこそ私たちの世界が追いついた。
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Posted by ブクログ
カフカは寓話になり切らない寓話、なのだと言う。上手い言い方だと思う。いわく何かの暗喩ではある点において寓話的だが、何の暗喩なのかをはっきりさせない、あるいは人によって異なる解釈を要求する点で不完全だと。 それってリアルな人生だよな、と思った。身の回りのことを自分なりに解釈して飲み込んで生き...続きを読むていかないといけない人生そのものだ。 正確には宗教を捨てた現代人の人生だと言うのが正しいかもしれない。この事象はこう解釈しなさい、という一方的な宗教的倫理観のもとでは異なる解釈というのは基本的に存在しないだろう。その世界では寓話は何の暗喩であるのかが自明であるべきで、何かの暗喩、などというものはありえない。ウサギとカメのレースが何を表しているか。能力が優っていてもサボってはいけない。劣っていてもコツコツ努力すれば成果が出る。他に議論の余地もない。圧倒的に正しい教訓のはずだが、でも実際生きてりゃ例外なんて山ほどあるのもまた事実だ。この点カフカは何らかの解釈を要求はするが、決して何も押し付けない。 なるほどカフカは現代文学の父であるわけだと思った。
フランツ・カフカの『断食芸人』のテクストと解説。 『断食芸人』は短い話でありながら訴えかけるものがあると思う。 三原氏の解説によれば、カフカの小説は私小説であるらしく、だからありありとというか、生々しくというか、伝わってくるのかと。 人間の生々しく愚かな部分、ありがちな醜い部分、そんなものをリアルに...続きを読む表現している。 カフカといえばあと『変身』しか読んだことがない。三原氏のとっても優しい解説を読んでいると、他の作品も覗きたくなってくる。 衝撃的だったのが、もしかしたら『審判』や『城』はカフカの死後、表に出ずに捨てられていたかも知れないってこと。『城』は(Fernsehfilmで見ただけだけど)コミカルななんともいえない魅力のある作品なので、(『城』だけでなく)残ってよかったなと思った。
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三原弟平
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