小さな町で

小さな町で

フィリップは早すぎる死の一年あまり前から、パリの大新聞ル・マタン紙に短い物語を書いた。依頼したのはのちに劇作家になるジロドゥーである。「わずかな枚数のうちに人生の断面が、いやときには一つの人生がみごとに描き出されている。…貧困、不幸な恋、病気、老年、死――こうした暗い題材を扱いながらも、フィリップはどこかにとぼけたようなおかしみ、人生そのものの諧謔をしのびこませるのを忘れない。そのエスプリというか奇妙なやさしさ、人生を低い視点から、狭く限って、鋭く眺める、そこが日本人の感受性、美意識に合ったのではないか。」(訳者)小さな町セリイを舞台にした短編集28篇の全訳に『朝のコント』からの5篇を付した改訳決定版。

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小さな町で のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    絡みつくような人間関係がその背景に存在していることを強く匂わせながら、幾つもの小さな物語が、いたって何事もなかったかのように語られて行く。その物語の中心に居るのは「田舎の」人々である。シャルル=ルイ・フィリップの「小さな町で」に登場するそれらの人々を語る時、どうしても括弧つきの「田舎の」人々と形容し...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年03月10日

    フランスの中央部に位置する人口二千人足らずの小さな町セリイを舞台に、そこに暮らす市井の人々のつつましやかな日常を、鮮やかに切り取って見せた短編小説集。家族の誕生や死、隣人との小さな諍い、時折起きる事件とも言えぬできごとを、乾いた筆致でさらりとスケッチした独特の作風は、小さなものを愛でる日本人によって...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年07月12日

     100年ほど前に書かれた短篇集。
     作者のフィリップが生まれたフランス、セリイを舞台にした町の住人たちのお話。
     山田稔さんが翻訳をしているから、まるで山田さん自身が書いたようなの作品だった。

     訳者解説にこの本について的確な説明があったので抜粋しておく。

     《 四百字詰原稿用紙に直してほぼ十...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年07月07日

    フランスの典型的小話〈コント〉の真髄。

    決してイイ話ではない話がオムニバスでサラサラと語られていく。

    時代と場所は違っても、かわらない人間の生活・心情がみえたように思う。

    作者の破天荒な人生を解説で知ると、ストーリーにも深みがでる。
    三年に一度くらいで読み返したい一冊。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    これといって強く残るような作品はないのですが、ちょっとした暇つぶしにはいいかも。もとが新聞に書いていたコントのようなものだそうで、確かに、新聞を読むときのひと時のお供にはいいのかな、とも思いました。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2017年08月18日

    フランスの田舎町セリイを舞台に、町の人々の日常で起こる様々な事件集めた短編集。フィクションかと思ってたら実在の町みたいですね。イーノック・アーデンみたいな話やキリスト誕生パロディも。
    町にフォーカス、というのはジョイスのダブリン市民に似ているが、より田舎な町を舞台にしている分、より個々の性格やプライ...続きを読む

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