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Posted by ブクログ
アジアの貧困地帯を巡って、社会起業家の活動を密着取材した著作。
第1章 激変する貧困市場 ― 37億人のニーズを満たす方法はあるのか?
第2章 途上国からイノベーションを創出することは可能なのか ―辺境で見た強靭なビジネスモデル
第3章 貧困を解決するための果てしない闘い ― エリートと草の根のチームが世界を変える
第4章 問題の当事者だけが持つ「あきらめの悪さ」 ― 逆境から立ち上がったチャンタの物語
第5章 イノベーションを通じて貧困の連鎖を断ち切る ― 「世界を変える」ための競争戦略論
第7章 「サラ金」化するマイクロファイナンス ― 社会企業に求められるものは何か
というような内容である。
特に重要なポイントは第5章である。
複層的な変化がイノベーションをもたらした としている。
①通信メディアの変化、②科学の普及、③技術革新、の三つの革新の複層性が挙げられていた。
このことは、何も未開発な人間社会だけでなく、成熟化した先進諸国においても起こっている現象だ。
いままで繋がっていなかった資源と消費者がつながり内需がまだまだ掘り起こされる可能性がある。
人間が、それぞれに生活の質を高めたいという欲求は人類普遍なものなのであろう。
Posted by ブクログ
もう知ってるよという食傷感と共に陳腐な活動を偉そうに紹介するような本とは一線を画した良書。ビジネスモデルごとの魅力をピンポイントにわかりやすく叙述しており大変刺激を受けました。各モデルがどのような成長戦略を描いているのかというところにまで踏み込んで語られており、実際の成果がそれを裏付けています。
傍らにおいておきたい時宣を捉えた本です。
以下キーワードのみ自分の備忘録に
ハリシュ・ハンデ セルコ社
ディーライト社
あえて拡大しないという戦略
サトゥヤーンミシュラ ドリシティ社
辺境の地に流通網を築く。一番インフラを必要としている人へのリーチ
中村俊裕 コベルニク
適正技術と可能性
ラジヴバスデバン アーユルヴェイド医院
シックスシグマと伝統医療の融合
ジェマブロス シングルドロップ
インフラの運営を村人に任せ、共同管理させる。共同体への信頼。
古川拓 カイト社
業界をデザインする大きな絵によりスケールアウト。
北京富平学校
チャンタの転機
Posted by ブクログ
「世界の中心はそこら中にある」
途上国にあるまだまだわかりやすい課題に対する、イノベーティブな解決方法の事例集。BOP事業の参考になったりするんだろうけど、国内への応用も考えてみたい。
カンボジア
収入の20%を灯油に費やす人たち→太陽光発電(送電網なしで電気を使えるようになる)
d.light from d.school, Stanford
事業化の前のトライアルで、プロトタイプを使ってもらったある女性はインタビューで泣き出した。それくらいインパクトがある。
「本当に人々が求めているものだけを見つけ出そう。それ以上でも、それ以下でもない、『それ』を」
インド
従業員として雇わず、個人事業主として契約し、任せる
戦略的なサービスエリアの絞り込み
インドネシア/アメリカ、コペルニク
1年も立たないうちに7カ国で18のプロジェクト(すげぇ)
シンプルな技術が社会を変えてゆく
「ただでさえ機能していない政府に対して、地方・末端の貧困層に高いレベルでサービスを提供すべきだ、というのは期待値が高すぎるのではないか」
全世界で、援助受け入れ国は更に貧しくなっている(GDPあたり援助額と、1人あたり成長率には負の相関関係)
インド、アーユルヴェイド医院
西洋医学の5~10%の費用、費用対効果は50%以上高い(ってことはしかし西洋医療に比べ効果が15%くらいだってことじゃねぇか??とも思ったが)
サービスとしての医療→「『科学的に効果が実証された治療』<『症状は好転するか』+『患者が満足するか』」
シックスシグマの適用
フィリピン/シングルドロップ
「水を守るのは自分たちだ」
「今日の途上国が多くの破壊的イノベーションにとって理想的な初期市場」クリステンセン
偏見は洞察をうまない
2002年以降携帯電話の普及と期を同じくして、世界的に貧困層減少、女性のエンパワーメント
メモ:今の子育て世代だと、収入の11%が教育費に費やされている
Posted by ブクログ
「適正技術」の考え方に刺激を受けた。
【以下引用】適性技術とは、技術の先進性のみを評価する これまでの概念とは異なり、使用する人々や社会の効率をもって評価する考え方だ。(中略)この「適性技術」という考え方は、ユーザーへのインパクトを重視して技術を再評価していこうではないかというものだ。【引用おわり】
例えば太陽光発電だったり伝統的な医療は、既に全土に張り巡らされた電力網だったり、国策レベルでの西洋医学の普及などといった我々にとって当たり前の前提が存在しない世界では、まったく違う輝きを放つ。私たちがさほどそれらに着目しないのは、あくまで相対的な比較で「価値がない」と判断しているからであり、当然の帰結としてそれらの技術にイノベーションは起こるべくもない。
「イノベーションのジレンマ」が企業間、業界間ではなく国レベルでも起こるのかもしれないと思う。GEの医療機器販売戦略の例もひかれているが、「営利か非営利か、先進国か途上国か」といった二項対立の時代ではなくなっているのだと実感。
Posted by ブクログ
世界は変えられるし、世界の中心はいたるところにあるんだと思えた。1歩踏み出せるかどうかなんだと感じた。問題はまだまだ山のようにあるし、いまはまだ見えていなくても、いずれ顕在化する問題も無数にあるはずだ。サービスの質が問題であるのならば、それはモノ・サービスの質にシビアな日本人に解決できることがまだまだたくさんあるし、実際求められているのではないだろうか。例えば、コストは置いといて防水ケータイなんかは雨の多い地域では最高のプロダクトなんじゃないか等々思うところはたくさんあった。ミクロ金融の雄、マイクロファイナンスの負の側面については、考えたこともなかったので、大変勉強になった。マイクロファイナンスにも金利があるわけで、当然みんながみんなきっちり返済できるわけでなくて、返済が滞れば、他所から借りる。そして、多重債務者となりどうしようもなくなって自殺。日本と同じではないだろうか。解決には法整備だろうか、本書では、マイクロファイナンス機関の顧客リストの共有、ブラックリストの共有などが提案されていたが、では、ブラックリストに入ってしまった、おそらく最貧困層の人々は融資を受けられない。ということは、その人々は最貧困層から脱出するチャンスがなくなってしまうのではないか。本来の目的とはずれているのでは?貧困3階層の内上位2階層は救えるから成功?様々な疑問が頭の中から現れる。自分はどの問題に取り組むのだろう。どんなアプローチの仕方ができるのだろうか。非常に多くの刺激を受けた。
Posted by ブクログ
これまで失敗続きだった貧困層へのアプローチの仕方を変えることで成功したアジアの社会起業家が紹介されています。
夜に灯りのための灯油代が収入のなかで大きな割合を占めることへの解決策として発電所からの送電設備がいらないため、どこでも使える太陽光発電が利用されたり、辺境ゆえに物の仕入れが大変で結果として貧困層は古いものを高く買うことへの解決策として物流網の整備など様々なアプローチが取られていて、企業が貧困層からもしっかり利益が取れるようなビジネスモデルが確立さえすればちゃんと底上げって出来るんだなと感じました。
営利と非営利のハイブリッドにより、かつての非営利団体の支援活動だけでは成し得なかったイノベーションが徐々に生まれている事に熱くなります。
企業活動により貧困の解決に取り組むことで持続可能なサイクルが生まれている点が素晴らしいと思います。
Posted by ブクログ
貧困に苦しむ途上国で、貧困層の為のビジネスを立ち上げた人々を追った一冊。
途上国では先進国では当たり前に存在する電力をはじめとしたインフラが十分に整っていないので、そもそもビジネスを立ち上げる土壌自体に苦労することが多い。
「断絶」、とこの本では表現されているが、ビジネスの一連の流れを途絶えさせてしまう困難が存在する。
また、ODAといった形の国を単位とした援助では、必ずしも草の根分けて末端の人々まで行き渡ることが少ない。
こうした問題点を抱えつつも、貧困層の視点・立場に下りた形で立ち上げに成功したビジネスがいくつか紹介されている。
一般のビジネスにはない独自の工夫が垣間見えて、難しい状況下でも考え方を転換することで困難は打破できる、という励みのようなものも感じられた。
Posted by ブクログ
NGOないしNPO、いま流行りの社会起業家に焦点を当てた本。底辺国での起業のモデルとかかわる人たちが、どんな理想を抱いてどんなキャリアを持っているのか、どうやってビジネスをしているのかをまとめている。現地の「当事者」が起こした例、国外から疑問を抱いてやってきた例の二つだが、どれもビジネスの本質をとらえた好例だと思った。
そもそも未熟な業界自体をまるごとデザインする(しかない)という、成熟した先進国にはもうあり得ない選択肢が多い点。むしろ代替手段が豊富な先進国では難しい、世界でも最先端のテクノロジの投入による即効性のわかりやすさ。エキサイティングな要素が多分にあることがよくわかる。同時にリスクと難易度の高さも。それだけにBOP環境でのビジネスの担い手は、当事者としての熱意か、よほど優秀なキャリアを持つエリートか…みたいな二極化があるように読めた。だから紹介される事例が興味深い。
BOPビジネスは可能であることを証明したマイクロファイナンスの現在が「サラ金」なら、先進国と同レベルの問題が全く別の環境で起こっていることになる。世界の貧困が減リ始めた時期がBOP環境での携帯普及時期と重なるなら、次世代テクノロジが解決手段だという証明になる。先進国の抱える問題を、次世代技術を駆使した新しいモデルで解決してしまうのは、BOP環境の国々が先かもしれないと思わされる、なかなか興味深い書籍。ビジネスモデルの逆輸入が今後加速しそうな。
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