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ゴールドラット博士のTOC理論に基づき、その思考方法と手順を解説した本。部分最適で打ち手を決めるのではなく、全体最適を狙い、問題同士のつながりを意識した問題解決手法を説明してくれる。「ワンランク上の問題解決の技術」に書かれているファンクショナルアプローチと似ている。
「対立解消術」の考え方と手法は非常にクリアで分かりやすい。組織で仕事するが故に起こる問題は、対立解消のフレームで解決出来るもの相当多いはずである。
本書はビジネス書でベストセラーとなった「ザ・ゴール」の著者エリヤフ・ゴールドラット博士が編み出したTOC(Theory of Constrains=制約理論)に基づき、全体最適の問題解決方法を解説している。
かの「ザ・ゴール」では物語ではありながら生産管理の視点から、生産工程の最適化という命題をうまく組み込み、納得のゆく話運びで纏め上げていった。
本書は目に見える問題をクラウドという5つの項目をつないだ図形を作る。
概略は以下の通り。
A 共通目標
→ B 要望(相手側)→ D 行動(相手側)
→ C 要望(自分側)→ E 行動(自分側)
目指すべき共通目標(=A)は同じであるものの、DとCでは対立を起こしているが、この対立を解消すべく色々な機軸を導入し最終的にはクラウドを解消させる、というもの。