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Posted by ブクログ
ついに、描き始めた…長い間、待っていた作品がこれなのだと思った。
一連の不条理四コマから、ぼのぼの、Sink、かむろば村へ…という著者の遍歴からすると、今作「I:アイ」は意外というより、当然のテーマなのかもしれない。長い間、温めてようやく描き始めた物語なのだろう。
私、とは何か、それを取り巻く世界とはどのように認識されるのか。四コマの頃から変わらないモチーフである。
この物語は「Sink」で確立したホラーの手法で描かれる。しかし「Sink」では、日常にふと紛れ込む不気味さを描いていたとすると、本作ではさらに深く、鋭く、読者の意識そのものに侵入してくる。
そして、認識され得ぬものとしての神。これは前作「かむろば村へ」でも採用されたモチーフだが、本作では再びホラー的な、読者自身に問いかけるものとして現れる。
もし、誰か芸術家の意識を見られるとしたら、というあり得ない問いがあったとする。僕にとって、いがらしみきお、という名前は筆頭にあがる。
つねに読者の認識を問いかける、いがらしみきお、という作家。被災地の仙台から描く、死と生、神と人の物語。ぜひ多くの人に手にとって欲しい。
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