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英語圏の国々では現代哲学の主流であり続ける分析哲学。しかし、日本ではその存在感は薄い。その現状が「限りなく号泣状態に近いくらい悲しい」と嘆く著者による、渾身の入門書。「ある」とはどういうこと? 「知っている」とは? 「心」とは? 「物」とは? 分析という「理屈」を武器に、そしてユーモアを隠し味に、哲学的思考へとあなたをいざなう快著! (講談社選書メチエ)
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Posted by ブクログ
再読。ただし、初めて読んだときの印象はあまり覚えていない。今回読んだ感想としては、全体的にわかりやすく書かれていて、読みつかえることは少なかった。ただし、例え話が多すぎてちょっと読みづらいと感じた部分もあった。とはいえ、これは書き方についての個人的な好みの問題で、ふつう話が抽象的になりすぎて分からな...続きを読むくなるような哲学の問題を、正確さを損ねずに、ここまで一般的な言葉遣いに徹して紹介する、というのは並大抵のことではない。 平易かつ冗長に書かれているため、初学者や一般向けにはちょうどいいかと思われる。これを読んで興味が出たら、同じことについて別の人が書いた青山拓央『分析哲学講義』(ちくま新書)とか、あるいは分析哲学の手法を用いた議論の実例を見るアール・コニー&セオドア・サイダー『形而上学レッスン』(小山虎訳、春秋社)などを読んでみるといいと思う。前者はこれよりもちょっと読みにくい文章かもしれない(例え話が多かった本書と比べてやや抽象的)が、同じテーマについて別の視点から語られたものを読むのは勉強になる。後者は翻訳だが平易に書かれており、楽しく読める本になっている(しかも議論はしっかりしている)。 あるいは、私はいまのところ読んでいないのだが、同じ著書による続編『意味・真理・存在』、『神から可能世界へ』にあたってみてもいいかもしれない。私がこれを再読したのも、これらを読もうかと思って、復習のつもりだった。 ちなみに、ほかの方のレビューで「参考文献として挙げてる書籍のタイトルが間違っていたり書誌情報が載っていなかったり」したとあるが、タイトルが間違っているのは、著者が日本に住んでいないので日本語訳でのタイトルを把握していなかったからなのではないかと思う(ただし、臆測である)。書誌情報が載っていないのもまた、同じ理由から説明できる。(とはいえ、これは編集者が手を入れるべきではある)
分析哲学でよく取り上げられる認識論や論理学について,数多くの具体例から説明。現代であれば記号で簡単に表示できるところを全て文章で表しているための読みづらさはあるかもしれない。
入門書としてはかなり優れているとおもう。初心者の私が何か掴んだ気になれたので。 前提知識が要求されていたりするが、それでも。
同一性の携帯電話のところとかで、著者のあげる例から著者と逆に方にうなずけた。 身近なところに疑問の余地が、余地と言うより広大な口を開けて広がってる感じがして面白かった。 ところどころに出てくる断言に、どこに疑いを向けてどこを自明の前提にするかは「人それぞれ」の印象も。
前書と違い、幅広いテーマを4つに分け、それぞれ詳しく解説している。一通り読むと、分析哲学のオーバービューが得られると思う。ただ、前書に比べてかなり難しく、また、そもそも分析哲学自体が難しいというか、ちまちまと細かく理屈をこねる傾向の学問なので、前書かWebで頭を少し慣らしてから読んだ方が良いと思う。...続きを読む一気に読んだのでかなり疲れた、というかうんざりした。 昔、教養課程の時、哲学の教授が「私は分析哲学は嫌いだ!」とおっしゃっていた理由が解った。かなり好みが分かれる分野だとは思う。
Quarkをすでに一般的には定着している「クウォーク」を使わずに、分析哲学者の間で定着しているという「クワーク」を使うところに違和感と拒絶感を感じます。これは分析哲学という開かれたものであっても、やはり自分たちのカラの中でこねくり回すことに心地よさを感じているのではないかと感じてしまうからであります...続きを読む。 文中に「クワーク」と出てくるところに当たると、本を投げ捨てたくなる衝動が沸き起こってくることがあります。
分析哲学について平易な言葉でまとめられた本。 比喩を使ったりしていて、展開としても読みやすい。 ただ、ほぼ文章だけであるためか、最後の方のこみいった話になると難しかった。
非常に平易な言葉で書かれた概説書 抽象表現とか効率性・厳密性の高い表現が好きな人にとっては冗長に感じると思うが、門戸を広げることに成功している点で1つの形だと思う。 実際、書いてある内容も他の入門書に特に劣ると感じることはなかった。
知っていることが多かった。 むしろ冒頭の冗談、「限りなく号泣に近いぐらい」という表現が一番面白かった。限りなく数学に近い知識であったので曲がりなりにも数学を専攻したわたしには限りなく常識に近いほど自明の知識であった。
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