死の泉

死の泉

1,188円 (税込)

5pt

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第二次大戦末期、ナチの施設〈レーベンスボルン〉の産院に端を発し、戦後の復讐劇へと発展する絢爛たる物語。去勢歌手、古城に眠る名画、人体実験など、さまざまな題材が織りなす美と悪と愛の黙示録。1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第1位。第32回吉川英治文学賞受賞の奇跡の大作!

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死の泉 のユーザーレビュー

舞台は第二次世界大戦下のドイツ。ナチや人体実験、ゲーテの「ファウスト」、北欧神話をはじめ、芸術に狂う医者の倒錯的な愛、精神不安定となった母親の幻想的な悪夢、去勢された男性ソプラノ歌手(カストラート)の美声etc…、ありとあらゆる耽美要素でお腹いっぱいの一冊だ。
さらに本書がギュンター・フォン・フュルステンベルクなる劇中作家によって著され、野上晶という人物に翻訳されたというメタ構成になっている点も見所。これにより、最終的に物語中の人物関係は二転三転し、真実も嘘も曖昧となって、読者をさらなる悪夢へと突き落す。これぞ幻想小説の醍醐味!私は読後しばらく脳内麻薬の分泌が止まらなかった。
また、本書は1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第1位、第32回吉川英治文学賞受賞などミステリーとしても極上。皆川博子の目くるめく幻想の世界をぜひご堪能あれ!

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年02月27日

    読み手に委ねられる部分があるので好みが分かれそうだけど、個人的にはかなり好きだった。
    虚構が入り混じっておぞましくも美しい。

    0

    Posted by ブクログ 2023年02月06日

    恍惚とした読書体験でした。
    全編に漂う退廃的な雰囲気にうっとり。
    この雰囲気が、合う合わないがありそうですし、
    結末に解釈の余地が残るところも、好まない人はいるかと。
    私は「いやー日本に皆川博子がいてよかった」と感じ入りました。
    彼女の他の著作も、大切に読み進めたいです。

    0

    Posted by ブクログ 2021年08月12日

    第一部はマルガレーテ視点で書かれているが、
    第二部は色んな人の視点が入り組んでて
    現実と妄想が入り乱れる文章に振り回される。
    ぜひ最後の『あとがきにかえて』まで読んでほしい
    絶対もう一度最初から読み返したくなるので

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    Posted by ブクログ 2021年07月17日

    最後の最後まで翻弄されてしまった、なんという体験だろう。解説で北村薫さんが「皆川作品は皆川博子のもの、そこにわれわれ読者の喜びがある」という旨のことを仰っていたが、正しくそのとおり。
    こんなに分厚いのに無駄な描写が何一つないのはもう、驚きを超えて恍惚のため息。

    0

    Posted by ブクログ 2020年12月15日

    「歌う城壁」の童話を起点に、正統アーリア人の子を養育する施設・生命の泉、ナチスの地下壕、不死の人体実験、ボーイソプラノを生涯維持する去勢手術等々書き並べると不安になる題材を、元SSの科学者の家族を中心とした物語としてまとめ上げた一冊。
    読んでいる間中、ずっと靄に包まれた感覚に陥っていた。何が謎で何が...続きを読む

    0
    購入済み

    凄かった

    2020年02月15日

    虚構と現実の境い目が危うくなる。最後の最後で味わう幻想的な読了感。

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    Posted by ブクログ 2016年11月16日

    第二次大戦下のドイツ

    マルガレーテ、 医師クラウス
    フランツ、エーリヒ、そしてミヒャエル

    難語チョコチョコ調べながら、皆川ワールドへ
    長かったけど厚みのある文章の読後感が心地いい。

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    Posted by ブクログ 2015年11月03日

    第二次大戦下のドイツ。
    未婚で子供を生むためナチの施設に身をおくマルガレーテから話しは始まります。

    戦争、ドイツ、ナチ、と聞けば悲惨な状況しか思いつきませんがこの話しではそこまで鮮明にナチに対して書かれている訳ではないです。戦争を経験したマルガレーテのお話しとして読んでいると、途中から急にミステリ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年09月27日

    この耽美さは誰にも真似できない。40歳すぎてデビューして80超えても書いているって本当にすごい……。

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    Posted by ブクログ 2014年09月19日

    ふと立ち寄った古本屋で[そして夜は甦る]の初版本と共に購入した、苦手な皆川博子の作品。奥付が二つあるし落丁か?と思ったがそれが作品の重大な秘密とは!巨大な怪物フェンリルの北欧神話と白バラ抵抗運動の二つが、私生児を生むマルガレーテの手記と関係している。会議で議論の主題と直接関係のない自分の知識をひけら...続きを読む

    0

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