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Posted by ブクログ
アダム・チェイスは殺人の容疑で拘留されるが、結果として証拠不十分として無実となる。が、狭いコミュニティの中で立場を回復する事は叶わず、失意のうちにニューヨークで新たな生活を送っていた。
それから5年後故郷に居る親友のダニーから連絡有り、苦境を救うために帰って来て欲しいと言うのだった。その場では断るものの、アダムの頭の中には故郷の事で一杯になる。
故郷に戻った彼を待っていたのは、5年前の殺人の現場を見たと嘘の証言をした継母、勘当し和解されていない父、彼に置き去りにされ、警官の仕事に没頭する元恋人のロビン、妹のように大事にしてきた隣家の少女グレイスへの犯人不明の暴行、そして新たな殺人・・・・。
複雑に絡み合う「血」の絆と淀んだ時間の中にどんな真実を見出せばいいのか。果たして真実など存在するのか・・・・。
何しろ濃い濃い。僕がアダムなら向う30年は連絡もせず音信不通になる事必至だと思う。
血縁と顔見知りだけで構成されている人間関係は、いい関係でいられる時には比べる事も出来ないくらいのパワーになるけれども、一度こじれると何十年にも渡って禍根を残すことになる。
アダムが幼い頃、彼の目の前で拳銃自殺した最愛の母、彼にとってはそれ以降とそれ以前では人生の意味合いが全く違っている。父と息子の禍根はここに端を発しているが。その原因はそれ以前から・・・これ以上は言えない・・・。
さて、この本の骨子はまさに「血」
綿々と受け継がれていた歴史としての「血」
象徴として登場する川。それは時間の流れと共に流れる血液の流れではないだろうか。
僕は前回読んだ「ラストチャイルド」の個人への感情移入に対してこの本では、特にこれと言って感情移入をすることなく読んだ。
何故かと考えたときにこの主人公「アダム」には顔が無いと感じた。憤り、怒り、悲しみ、愛し、色々な感情が渦巻いていたが、案外とあっさりとしたキャラクター作りだと思った。
これは僕独自の解釈だけれども、作者の意図として主人公は人物ではなく、この家族およびコミュニティーの「血」の歴史ではなかったのか、と感じた。
むしろ父や、グレイスの育ての父ドルフにこそ感情移入しやすい位だった。彼らは前述した「血」の体現者だから。
アダムはこの滔々と流れる歴史の語り部なのではないだろうかと感じた。
とても力作で筆圧を感じる作品で、読むに足る本だと思う。
Posted by ブクログ
殺人の疑いをかけられ無実になったものの、追われるように故郷を捨てたアダムが5年ぶりに戻った。故郷は原発誘致で二つに分かれ、父のジェイコブは農場を売却しないことから嫌がらせを受けていた。自身嫌がらせを受ける中、兄弟のように育った、農場監督の娘グレイスが暴行を受けた。やがて、その犯人と目される、アダムの親友で帰郷の原因となったダニーが死体で発見される。
アダムに故郷を捨てさせた事件を含め2件の殺人共に細かい描写がされるわけでなく、話はタイトルの川のごとく淡々と進んでいく。しかし、その淡々とした空気の中に人間の憤怒が渦巻いており、そこかしこに垣間見える。犯人の予想はおおよそ見当が付いていたが、その動機は予想外だった。
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小説・文芸
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