小さいおうち

小さいおうち

小説・文芸
800円 (税込)

4pt

昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に忘れがたい日々の始まりだった。女中という職業に誇りをもち、思い出をノートに綴る老女、タキ。モダンな風物や戦争に向かう世相をよそに続く穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は意外な形で現代へと継がれ……。最終章で浮かび上がるタキの秘密の想いに胸を熱くせずにおれない、上質の恋愛小説。第143回直木賞受賞作。山田洋次監督で映画化。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    小さいおうち
  • タイトルID
    :
    200708
  • ページ数
    :
    348ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年03月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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小さいおうち のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    すごい本に出会ったと思った。すごいのに、素朴な顔をしている。この一冊を書き上げるために中島京子さんがどれだけの資料にあたり、どれだけの想像をめぐらせたのかと思うだけで頭が下がる。当時の「普通」の人々とまったく同じ目線に降りていって、耳馴染みのいい言葉や、戦争が始まったことに対する高揚感について説得力のある言葉を紡いでいた。生身の人間としてのタキちゃんが心の中で動いていて、読み終わった今も離れない。

    0
    2026年07月26日

    Posted by ブクログ

    実家にあったので読み始めたら、ハマってしまい、一気に読みました。
    裕福な家庭で働く女中がメインです。
    一般市民においての戦争と日常のギャップもよく描かれていましたし、物資がなくなっていったり、戦争に巻き込まれていく様子もよく伝わってきました。
    現在に生きる大学生の大甥が知っている戦争とのギャップも、自分自身彼側と同じ知識しかなかったので、すごく面白かったです。

    0
    2026年04月27日

    Posted by ブクログ

    昭和初期の中流家庭で女中として働いていた、タキの回想録という形で進む物語。

    時代設定は太平洋戦争直前の東京の郊外。戦前、戦中を描いた作品は、多かれ少なかれ戦争の悲惨さ、民衆の苦しい日常、軍の愚かさなどが目立つ内容になる事が多いが、本作の面白いところはそういったものが物語の後半になってほんの少し出てくるものの、ほとんど描かれていないことだ。

    逆に、「南京陥落記念セール」とか、「アメリカと戦争が始まって、なにがよかったって、世の中がぱっと明るくなったことだ」などという記述があり、教科書で戦争を学んだ現代人からは到底想像もつかない日常があったことを思い知らされる。

    かと言って、決して戦争を礼賛するような話ではない。それは当時の一般市民のなんの飾りっ気もない、日常の風景だったのだろう。そこに「戦争」が当たり前のようにあった、というだけなのだ。

    0
    2025年10月08日

    Posted by ブクログ

    タキさんの女中時代と今が書かれていて
    読んでいてその時代の時間が感じられました。
    女中に大雪な掃除や炊事の家事だけでなく《ある種の頭の良さ》が伝わる文章でスラスラ読めました!

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    黒木華さん主演のこの映画が大好きで、何度も観ています。今更ではありますが、恥ずかしながら原作は未読でした。

    平井家で働いたこと、これがタキちゃんの青春だったのだなぁ。
    原作を読んでさらにタキちゃんの奥様に対する思いの強さを感じ、タキちゃん、タキおばあちゃんが大好きになった。

    戦前戦中戦後の当時の人々のリアルな暮らしや思いは、歴史の授業などではわからないけれど、この作品を読んで、当時の人々の思いや暮らしを知ることができた。

    大切な家族、恋人、友だちが徴兵されたり、空から爆弾が降ってくるとか、亡くなるとか、想像しただけで恐ろしいし、そんなことがこの日本で起こっていたことを決して忘れてはならないと改めて感じた。

    0
    2025年05月17日

    Posted by ブクログ

    戦前から戦中の時代にも、等身大の日常と生活が存在していたのだと改めて思い起こされる作品。
    女中と、奥様と、旦那様と、少年と、青年と、戦争の時代を生き、大きなうねりに巻き込まれたけれど、戦争そのものを動かす当事者ではなかった人々の物語です。じんわり心に響く。

    0
    2025年05月05日

    Posted by ブクログ

    映画が思い出されるけれど少し違うところや詳しいところがあって面白く読めました。女中としてあの手紙をどうするべきだったのか…そらを後悔していたタキさんはずっと苦しかったのだろうと思いました。

    0
    2025年02月17日

    Posted by ブクログ

    教科書には書かれていない、あの頃人々がどう暮らし、どう生きていたのか。教科書で読む戦時中のことと、普通の人たちの感覚とのギャップが興味深かった。

    タキさんの覚書で終わらず、最後の章につながっていくところもよかった。
    そうやって、語りつないだり、想いをつないでいかなければならないことが、きっと身近にたくさんあるのだと思う。

    映画も観てみたい。

    0
    2025年01月12日

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    女中とその仕える家の話。
    でも過去を語る形だから、語らない部分もある…が最終章でまざまざと語られるので、面白い。

    0
    2026年09月09日

    Posted by ブクログ

    1.著者;中島氏は、小説家・エッセイスト。フリーライターを経て、小説家デビュー。両親は、共にフランス文学者、姉はエッセイストで、文学一家。彼女の作品は、日常に潜む小さな出来事や感情を丁寧に描き出し、読者の心に深く響く作品が多い。ユーモアとペーソスが織り交ぜられた独特の文体も魅力。直木賞、泉鏡花文学賞、吉川英治文学賞、柴田錬三郎賞など、数々の文学賞を受賞。
    2.本書;東京を舞台に、戦前から戦時中に「モダンな赤い三角屋根の小さいおうち」に住む平井家。この家に14歳から十数年仕えたタキ(女中)の目線で綴った回想録。タキは、モダンな家と若く美しい奥様(時子)を慕った。時子と板倉の恋愛事件があるものの、戦争に翻弄される世の中で、豊かな日常を過ごす平和な日々を描いた。
    3.個別感想(印象に残った記述〔場面〕を3点に絞り、感想を付記);
    (1)『第一章;赤い三角屋根の洋館』から(タキ)「家などというものは、大きければそれでいいとは限らない。機能的であればいいのだ」「私はあの自分の部屋が好きで好きでたまらなかった。何しろ専用の便所までついていて、それがすべて新品」「私の為の部屋が好きだった。たった二畳の板の間を私がどんなに愛したか、そのことを書いても人は分かってくれないだろう」
    ●感想⇒「私の為の部屋が好きだった。たった二畳の板の間を私がどんなに愛したか、そのことを書いても人は分かってくれないだろう」。人は誰しも自分の安らぎの場が欲しいものです。私の場合は、自分の書斎を持つ事でした。マイホームを建てた時に、書斎だけは自分流にしたいと考えました。机と本棚は市販品ではなく、机に腰かけた時に本を見渡せる様に、壁面に本棚をあしらえました。三畳ほどの書斎ですが、精神的にも一番落ち着ける場を持ったのは望外の喜びでした。某著名人が言ってました。「書斎は狭い方が落ち着くし、手を伸ばせば、書物を取り出せる」と。「家などというものは、大きければそれでいいとは限らない。機能的であればいいのだ」にもつながりますね。誰しも一人になって、色々と思考する場所と時間は必要ですね。
    (2)『第四章;祝典序曲』から、(社長)「誰にでも、何にでも躓きはある。そこからどう立ち上がるかが、器量を問われる所ですな」(旦那様)「春場所でまさかの四敗!あれだけ苦杯をなめさせられて、双葉山は終わったかと見せておいて、不死鳥のごとき今場所は全勝優勝。私は闘志に火をつけられました。・・不撓不屈のの精神ですよ」
    ●感想⇒「誰にでも、何にでも躓きはある。そこからどう立ち上がるかが、器量を問われる」。その通りです。振り返れば、私も色々な躓きを経験しました。最初は、高校進学です。普通の家庭のように昼間高校には進学出来ず、定時制夜間高校に進みました。定時制は夕方登校なので、昼間の生徒と校門付近で対面します。中学時代の同級生に出くわした時の悔しさは今でも忘れません。自分勝手なひがみだったと思います
    。器量はともかく、同級生を見返したという思いで、昼間は仕事、夜は学校で勉強という生活でした。何としても、大学進学して見返したいとの一念で勉学に励み、希望校に入れました。幸運にも希望が叶ったのですが、躓きを糧にして、❝七転八起の精神❞で励めば、結果は如何せん何にも代えがたいものが得られます。
    (3)『第六章;秘策もなく』から、(旦那様)「勝手にやられちゃ困るんだ。いいかね。一番頭の悪い女中は、くべてはいけないものを火にくべる女中。並みの女中は、くべておきなさいと言われたものを火にくべる女中。そして、優れた女中は、主人が心の弱さから火にくべかねているものを、何も言われなくても自分の判断で火にくべて、そして、叱られたら、わたくしが悪うございました、という女中なんだ」
    ●感想⇒この女中の評価を読んで、企業に入社した頃、上司に言われた事を思い出しました。2つです。1つは、秘書の話です。「上司が出張の為に新幹線の時刻を調べてほしいと頼みました。ダメな秘書は、依頼された新幹線の時刻だけを調べる。普通の秘書は、依頼された新幹線の時刻と空き状況を調べる。優れた秘書は、空きがない場合、他の移動手段(飛行機とか)まで調べる。相手の立場になって調べるという事だ」と。2つ目は、『職業的好奇心を持て』です。「仕事である事を調べたら、時間の許す限り、関係する周辺の事も調べるのだ」と。上司が言いたかったのは「出来る人間は、人に聞いたり、教えてもらう前に先ず自分で調べる」という事。私は、日中は仕事で余裕がないので、帰宅後や休日にまとめて調べ物をしたり、本を読んだりして、それなりに勉強しました。こうした得られた知識はその後の会社生活で役立ったのは言うまでもありません。人と同じ事をしていては、一歩前には進めません。努力が必要なのでしょう。
    4.まとめ;「戦争に塗りつぶされた暗い時代」という昭和初期の東京における日常風景を小さいおうちに女中奉公したタキの視点で綴られてた戦中生活。戦争には、「殺戮、絶望・・という暗いイメージ」しかありません。私は戦後生まれですが、東京空襲を始め、悲惨な戦争の最中に、庶民の暮らしがこんなにも生き生きと描かれているのには驚きです。若いタキさんには小さなおうちで奥様を慕いながら、自分の部屋で暮らす幸せを噛み締めていたのでしょう。しかし、声を大にして言いたいのは、戦争は殺戮以外の何物でもありません。争い事は、話合いで解決するべきです。最後に、個別感想が心の琴線に触れた言葉への思いの羅列となり、全体感想との関連がやや希薄になりました。ご容赦を。(以上)

    0
    2026年04月19日

小さいおうち の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    小さいおうち
  • タイトルID
    :
    200708
  • ページ数
    :
    348ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年03月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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