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ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、6人の役者が次の芝居の前読みに集まった。その最中、車座になった輪の真ん中に生首が転がり落ちる。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを喰い殺して成り代わっているのは間違いない。一体誰が鬼なのか。かつて一世を風靡した元女形の魚之助と鳥屋を商う藤九郎は、座元に請われて鬼探しに乗り出す――。第27回中山義秀文学賞をはじめ文学賞三冠の特大デビュー作!
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Posted by ブクログ
よかった...!また好きな作家さんが増えた(^^)キャラ作りがとても上手で魚之助と藤九郎の関係性が好きです。今後2人はどうなっていくのやら... 犯人はこの人?いやこっち?と変わっていくのが分かりやすくてよかった。有名な曽根崎心中のお話も物語にかなり関わってきて読んでいて楽しかったです。
テーマよし、筆致よし、タイトルも装丁も文句なし、ストーリーには意外性もあって、現代のジェンダー問題にも通じるところがあるし、ミステリだけでなく怪奇小説・ファンタジー小説としても読める。これがデビュー作というのは確かに凄く、著者の力量の高さがうかがえる。 それなのに私ときたら、この練りに練られた文章に...続きを読む乗り切れず、会話文や地の文で主語が何なのかが時々分からなくなる有様で、話の流れについていけなくなることが多々あった。 自身の読解力の無さを棚に上げて書くのは気が引けるが、時間をかけた読書が要請される作品であることは重々承知しつつも、読みごたえが十二分にありすぎて、時代小説や芝居といった分野にさほど詳しくない読者にとっては敷居が高く、普通に読み進めるのにも結構苦労するのではないかと思った。 一般の読者に広く受け入れられるには、もう少しリーダビリティがないと難しいんじゃないかなあ。大きなお世話かもしれないけど。
心とは、唯一、人が持ちうるものなのかもしれない。 最初は読みにくいと感じるかもしれないが、次第に慣れる。作者の知識が豊富なのを感じる。
気の狂った贔屓に足を切られ舞台に立てなくなった元人気女形魚之助が、ひょんなことから知り合いになった鳥屋の藤九郎と共に、芝居小屋に現れた鬼探しをすることに。 その鬼は本読みの最中に演者の誰かを喰らい、その演者になり替わっているという。 誰よりも人気が出たい。 誰よりも上手くなりたい。 芸のためなら人...続きを読むを陥れることも、殺めることもいとわない。 そんな鬼よりも恐ろしい心玉を持った役者たち。 本当に鬼がいたんだろうか? そんな疑念が浮かびつつ読み進む。 やっぱり鬼はいたんだな。 でも、その鬼は悲しい。 鬼よりも人間のほうが恐ろしいのかもしれない。
足を失ったため、失意の中で、舞台から遠ざかった女形。それでも、女の装いと振る舞いを続ける。 男と女との間で揺れる女形が、芝居小屋に潜んだ鬼を探る中で、芝居に対する血のにじむ努力、才能に対する葛藤が露わになる。 男と女、人と鬼、善と悪、嘘と真の境界が揺れ動く。見る角度で境界が変わる。本当は、境界など無...続きを読むいのかもしれない。 現実世界でも、二元論ではなく、多様な見方を意識していたい。
歌舞伎が好きなのでどっぷりハマった。 読んだら最中、どろ〜んとしたイメージに包まれてた。 今の歌舞伎とは違うだろうけど、名前なんかがちょこちょこ今の役者さんと被ってる。中村勘三郎はそのまま出すんだーと思った。 江戸時代の歌舞伎、ドラマや漫画でちょこちょこ見るけど、芸のためにいろんなしがらみがあって、...続きを読む女形なんか体売るなんてあたりまえなんだろうなぁ。魚之助がとっても魅力がある反面、藤九郎がイマイチハマれなかった。 鬼探しだったけど、まぁ本当の鬼はいなくて人間が犯人なんだろうなぁと思ってたら、最後に本当の鬼が出てきて逆にびっくりした。
生きている人のほうが怖い。 役をいきるとは、その場面になんとしてでも演れるということ。 自分にはやれんなぁと思ったことを思い出した。 文体が途中でなれなくて、読むのが辛かった。 後書に擬音語、擬態語が多いと書かれてて、なるほどと思った。 好みの話だが。
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