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新宿署の刑事・田丸は捜査本部の方針に反して捜査をして犯人を挙げたことがあり、厄介者扱いされていた。管内でOLの絞殺体が見つかったが、田丸は捜査の主軸からはずされてしまう。閑職に回されていた田丸は帰宅途中に歌舞伎町の人気ホストの刺殺体を偶然発見し、OL殺しとの思わぬ共通点を発見する。そのことを捜査会議で提案するが一蹴され、相棒の神無木と密かに捜査を行うことに――。ミステリー界注目の著者が送る感涙の警察小説!
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Posted by ブクログ
先が気になって一気読みした。 冒頭のシーン、裁判員制度、2件の殺人事件。 全てが繋がった瞬間の高揚感は凄まじいのに、ストーリー自体はやるせない。 誰もが自分の居場所を探していて、それは主人公の田丸も同じで。 ホント歯痒くて、お願いだからもうちょっと器用に立ち回ってくれと何度思ったことか。
とても良かった。終盤はもどかしさたっぷりで見守り、このまま終わってしまうのか?とモヤモヤし、、そして最後は泣く。 田丸刑事がこの後どんな刑事人生を歩んでいるのか知りたくなった。「叛徒」読んでみようと思う。
内部で疎まれ、厄介者扱いされる新宿署のダメ刑事・田丸。 彼がいるとお宮入りになるとの噂から、ついたあだ名が『オミヤ』。 しかし、本当の彼はとても優秀で熱い刑事であった。 別作品で、すでに『オミヤ』となっていた田丸が、『オミヤ』と呼ばれるまでになった過去の話。 管内でOLの刺殺体が発見される。更に...続きを読む、歌舞伎町の人気ホストの遺体が発見される。 当初、別の事件と見ていた本部に対し、田丸は、驚くべき共通点を見出した。 それは、裁判員制度に絡む謎であった。 本部の誰にも信じてもらえない状況のなか、唯一の相棒・神無木との信頼関係は、どうなるのか。 最後に、ウルウルします。 『もう俺を守ろうとするな。相棒は対等なもんだろ。』
作品ごとに新しいジャンルを開拓する著者が今回取り組むのは、警察小説。 主人公に据えるのは、過去に単独行動で真犯人をあげ、警察内で厄介者扱いされている刑事・田丸。 「きっと、人は誰しも居場所を探して生きているのではないか」と、惑う刑事の孤独=「居場所がない」が、テーマでもある。 今また、捜査本部が捉え...続きを読むた容疑者は冤罪だと見抜き、「組織が動かなければ個人が動くしかないでしょう」と、独自の捜査を続ける。 しかし、容疑者は起訴され、裁判員裁判へ。 田丸と思いを同じにする弁護士が、検察と丁々発止に弁論対決する法廷場面は、この箇所だけでも一冊の小説になりそうな見応えがある(それは、巻末の参考文献の数を見ても頷ける)。 今回も相棒となった神無木が、田丸を信じると言っているのに、意固地にそれを拒否する場面には、納得できないものがある。しかし、最終的にはお互いを理解しあえることとなり、救われる読後感となる。 さらに著者は、現代日本やネット社会(パワハラや理不尽なクレーム、不寛容の加速化)の病理を指摘し、社会派ミステリーとなっている。 「現場の捜査官たちの中で疎まれ、仲間外れされている冴えない外見の中年刑事=田丸が、脇役として登場する作品があるようなので、読んでみたい。
誤認逮捕された犯人がいながら、自力で真犯人を挙げた田丸。彼は警察の面目をつぶしたとして、署内で厄介者扱いされる。そして今度も事件でも、多くの捜査員とは異なる見解を持つ。はたして真犯人は逮捕されるのか?というお話。 田丸と相棒の神無木の関係がなんとなくさわやかでよかった。
本書に登場するマスコミ、組織の縦社会、個人の正義を振りかざす人々が実際に存在している事に対して非常に残念に思う・・・ 裁判員裁判、ブラック企業、メディアの切り取り報道と出し抜き報道、熱しやすく冷めやすい割にネチネチしている世論などが物語の主軸に組み込まれている。 新宿署の刑事【田丸】は捜査本部...続きを読むの方針に逆らって真犯人を挙げた事がある!?その結果、組織からは干され、重要な捜査からは外されてしまい、どうでもいいような事ばかり押し付けられてしまう・・・ ある時,管内で起きた二つの殺人事件に共通点を見つけるのだが、干されている田丸の話は重要視されない・・・ しかし、そんな田丸に手を差し伸べてくれる相棒と密かに捜査を進めるのだが・・・ 冒頭の二つの謎のプロローグが物語と繋がる時、爽やかな風が吹き抜ける!
過去に捜査本部の方針に逆らい、結果的に冤罪だったが警察に泥を塗ったとされ、厄介者扱いされている刑事の田丸。 今回も間違った方向へ進もうとする組織に反発するが… 面白くないわけではないけれど、あまりに冤罪が多すぎるし、警察の無能さが引き立てられているような気がした… 色々と矛盾するのでは?と思うこと...続きを読むもあったし、ちょっとモヤモヤした。 2024.4.30
捜査本部の方針に反対し結果を出す田丸刑事が事件を追う話。頭でっかちでどうしようもない本部に苛立ち、田丸の講じた策にドギマギする。いやそうじゃないねん、あああ何でそうなる、と歯痒くなりながら行く末を見届ける。相方の神無木が唯一の救いありがとう。
裁判員制度の欠陥と警察組織の居場所がなくなってしまった刑事に焦点を当てた小説。 終わりの場面では、ほろっとくる箇所もあり、読後もしばらく余韻にひたっていられる。 田丸刑事のシリーズがあれば読んでいきたい。
202107/主人公の厄介者扱い描写がちょっとくどく感じたり、都合良い展開や説得力不足のまま進んだり、と惜しい面もあるけど、やはり今作も一気に読ませる見事な筆力。今後も楽しみに読ませてもらう作家さんの一人。
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