アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか

アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか

ビジネス・実用
1,166円 (税込)

5pt

アフォーダンスとは環境が動物に提供するもの。身の周りに潜む「意味」であり行為の「資源」となるものである。地面は立つことをアフォードし、水は泳ぐことをアフォードする。世界に内属する人間は外界からどんな意味を探り出すのか。そして知性とは何なのか。20世紀後半に生態心理学者ギブソンが提唱し衝撃を与えた革命的理論を易しく紹介する。(講談社学術文庫)

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アフォーダンス入門 知性はどこに生まれるか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    2023.05.01

    「行為のあるところには、かならず行為を取り囲むことがある。
    まわりがあって生きもののふるまいがある。」

    環境が、動物の行為にどう影響を与えるか、
    環境にはどんな意味が潜むのか、
    行為を司る知性とは何なのか、を探る本。

    エピローグで引用されている、田中小実昌さんの文章に共感する。
    確かに、中学生くらいで初めて遠出した時の違和感と緊張感と高揚感はこんな感じだったかもしれない。

    私がいようがいまいが、世界はそこにある。
    私がいようがいまいが、世界は動いている。
    生きもののふるまいは、世界が動かしている。
    生きものがふるまえば、世界も変化していく。
    世界が違って見えてきて、私は今日も散歩が楽しい。

    ヒトの赤ちゃんの手も、キャベツの根や幼根もぐるぐる回っている。
    みんな世界を探っている。

    あと、ダーウィンの凄まじい実験と観察のエピソードと、その本質を見つめる力には敬服する。。

    0
    2023年05月10日

    Posted by ブクログ

    「アフォーダンス」について予備知識がなかった私は、この本を書店で見つけたとき、人体のイラストの表紙のせいもあって、どんなダンスだろうか、アフォ(=アホ)のダンス…?などと想像してしまいました(本当です)。しかし、「アフォーダンス」は、ダンスではありませんでした。
    それは、ある生物を取り巻く状況がその生物に与える情報や刺激のことです。たとえば、大地は私たちに立つことをアフォードし、椅子は座ることをアフォードする。私たちが森林に分け入って感じる清々しさは、森林が私たちに「清々しさ」という感触をアフォードした、となります。
    このようなアフォーダンスの考え方を敷衍(「ふえん」…他のことにもひろげて当てはめること)すれば、人間の感情や性格も、私たちの内部にあるのではなく、外部からアフォードされてはじめて生じるものだ、と考えられます。とすれば、私たちが悩むとき、その悩みは、普通考えられているように私たちの内部で生じるのではなく、外的に与えられたものであり、したがって、その悩みを自分から切り離すことは、私たちが思い込んでいるよりもずっと容易だ、と言えます。
    生態心理学と言われる「アフォーダンス」の考え方は、禅で言う「無心」という境地に、科学的な心理学の方向からアプローチしている、と言えるのではないでしょうか。
    『〈心〉はからだの外にある―「エコロジカルな私」の哲学』(河野哲也、NHKブックス)も、「心」が実は、自分の外の「環境」と影響し合うものであることを理解し易く説明してくれています。(K)

    紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2009年4月号掲載

    0
    2022年10月06日

    Posted by ブクログ

    アフォーダンス理論は思っていたよりもすんなりと理解できたが奥深くて興味を持ってよめた。具体例、とくにダーウィンのサンゴ礁、ミミズの研究についてが面白かった。

    0
    2013年02月25日

    Posted by ブクログ

    岩波のブックレットの方も、直球勝負でインパクトがあったが、この本は別の意味で、インパクトがあった。それはダーウィンの生物をありのままに観察する、その虚心坦懐さである。ダーウィンとギブソンが重なるとは!!!である。

    以下、気になった記述。
    ・行為は何もない「空間」ではなく、アフォーダンスの充満しているところ、すなわち「環境」でおこなわれている。
    ・(ベルンシュタインの「協調」をうけて、)1980年代以降の運動研究のモデルは「指令からシステムへ」という方向へと大きくシフトしつつある。
    ・ダーウィンが見たかったことは二つのこと。一つは植物にも動物にもあるはじまりの「ありのままの運動」、そしてそれがその後にたどらざるをえない変化の運命。
    ・ギゼリンの「ブルート・ファクツ」
    ・なぜ行為の発達を見るときにブルート・ファクツからはじめなければなないのか。その理由の一つは、はじまり(オリジナル)の動きから観察を開始しないと、結果から動きに起こっていることを説明してしまうという誤りを犯す可能性があるからだ。(悪い例:ピアジェの赤ちゃんのリーチング)
    ・ダーウィンのメッセージ:ぼくらが行為(生き物)に観察できることは「はじまり」と「まわり」と「始まりからの変化」しかない。
    ・知覚情報には自分以外の「外部」についての情報と、自分の身体についての情報という、二つのことが、切り離せないかたちで存在している。
    ・身体は環境と多重に接触している。
    ・世界には知覚システムをこえた複雑な情報がある。
    ・(解説)ブルート・ファクツから見ると、SSTがなぜ失敗するかの考察が面白い。

    0
    2011年04月04日

    Posted by ブクログ

    アフォーダンスとは・・ある特定の生物にとって、その環境が持つ意味、役割、機能のことであろうか。植物のツルが螺旋を描くこと、ミミズが土壌を盛り上げて地表の物を埋めていくことは、それぞれが目的意識を持って行動しているわけではないが、シンプルな生物の動作パターンが環境のアフォーダンスと相互作用を起こし、結果として種々の状況にその生物を適応させる。そこには因果律や目的論によるシンプルな内的システム構造は無く、ただあるのは主体と環境を合わせた全体システムの中での交信である。そこに知性を見るのかどうか・・?

    0
    2018年10月14日

    Posted by ブクログ

    精神と物質と生命をつなぐ
    21世紀の新しい科学の基礎

    アフォーダンス理論。
    ギブソンが提唱した生態心理学の中心をなす概念。
    その水脈はダーウィンの進化論にあるという。

    この理論によると、
    ・遺伝か環境かでは人の発達を説明できない
    ・身体と周りの世界には境がない
    ・身体は1つではなく多数持っている
    ということ。

    人間についての常識を覆されるアイディアが満載の一冊。


    ps

    サンゴ礁の心理学

    サンゴ礁とヒトの心には、共通点があるって知ってましたか?それは、その姿を見たいなら、環境の方に目を向けないといけないということです。

    サンゴ礁には、3つの形があるそうで。なんでこの3つになるのか長年の謎だったそう。でも、その謎をダーウィンが解き明かした。それが沈下説。サンゴが生き延びるには透明度が高い浅瀬(50m以下)が必要で、場所はかぎられる。なのに、3つも形があるのはなぜか?そのサンゴを支える地盤が沈んだけど、サンゴが成長するスピードよりも遅く沈んだからだ!これがダーウィンの発見でした。

    つまり3つのサンゴ礁の形は、沈む地盤という環境合わせて変わってきた姿だったんです。環境に目を向けないとわからない秘密だったんですね。

    さて、ヒトの心はどうでしょう。心は環境に合わせて行為を生み出し、痕跡を残します。サンゴと同じで主体が生き延びるためです。心が生きているサンゴだとするなら、心の痕跡は死んで成長の支えになったサンゴです。サンゴが痕跡をかすがいに環境と繋がっているように、心も行為の痕跡をかすがいに環境と繋がっている。環境と心と行為と痕跡は、サンゴ礁のように全て一続きのものである、というのが(比喩的な)サンゴ礁の心理学なのでしょう。(本書では人間よりもミミズに着目して、ダーウィンがこの心と環境の繋がりに着目したことが取り上げられます。本書はその後継でもあるのです。)

    街中には、ヒトの心がサンゴ礁のように残した痕跡で溢れています。通路の角のペンキが禿げていること、階段の同じ場所に黒い筋があること。ちょっと考えてみると、痕跡がはっきり残るのって面白いですよね。別々の生き物なのに、みんなが同じ行為をしているということだから。これは本書ではブルートファクツと言われているもので、植物のタネみたいに人が持って生まれてくる原初の能力。それが環境からの影響で一定の形に収められるから、大きな痕跡になる。大量のサンゴ礁がグレートバリアリーフを作ったような、大量の人が作った大痕跡と言えるかもしれません。(植物にもブルートファクツがあって、葉っぱも茎も回転してるらしいです。これも観察によってダーウィンが見つけたとのこと。凄すぎ)

    サンゴ礁のようにヒトの世界を眺めて心の痕跡を探す、そんな新しい楽しみをくれた本です。

    0
    2026年06月21日

    Posted by ブクログ

    読みながらベイトソンとの親和性を感じたが、接点があったのだろうか?
    ダーウィンのミミズ観察のくだり、旋回運動と反応による変化という洞察、凄い。

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    2025年07月09日

    Posted by ブクログ

    p.30「生きものの行為とその周囲とはどうやら二つで一つのことなのである。」
    p.132「脳とはおそらく、環境の「絵のようなイメージ」を浮かべるところではなくて、環境と持続して接触する全身のシステムの一部なのである。脳にあるのは世界の「地図」ではなくて、世界との関係を調節する働きの一部なのである。」

    読みやすい。アフォーダンスという概念が初めて分かった気がする。「生きもの」と「世界」がどのような「感覚」と「行為」でつながっているかについて、とにかく抽象的になりやすい説明を、できる限り具体的な例に落とし込んで解説している。
    世界は、想像以上にシンプルでいて、想像以上に複雑で、つまりあるがままの姿なのです。

    0
    2016年04月12日

    Posted by ブクログ

    アメリカの心理学者ジェームス•ギブソンが造った造語、アフォーダンス。『環境が動物に提供するもの』をダーウィンの研究等を紹介しながら平易な言葉で紹介した本。人間を含む全ての生き物のまだまだ知らなかった一面に面白さを感じた!

    0
    2011年05月06日

    Posted by ブクログ

    最初延々とサンゴの話が続いて心配になった。その後も更にミミズの話が長々つづくけど、読み終わればちゃんとアハ感がある面白い本。

    0
    2011年02月12日

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