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鬼隼人、許すまじ――怨嗟渦巻く豊後・羽根藩。新参の多聞隼人が“覚悟”を秘し、藩主・三浦兼清を名君と成すため、苛烈な改革を断行していた。そんな中、一揆を招きかねない黒菱沼干拓の命を、家老就任を条件に隼人は受諾。大庄屋の〈人食い〉七右衛門、学者の〈大蛇〉臥雲を召集、難工事に着手する。だが城中では、反隼人派の策謀が蠢き始めていた……。著者畢生の羽根藩シリーズ第三弾!
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Posted by ブクログ
羽根藩シリーズの第3弾。 シリーズといっても舞台になる藩が同じなだけで、それぞれの巻に話の繋がりは(たぶん)全くなく、時系列的な関係も分からない。シリーズとして唯一の共通点は主人公が気高いこと。気高さの表し方はそれぞれ異なるものの、根底にある印象が同じだという他に類を見ない構成です。今回は真の目的を...続きを読む果たすためには憎まれ役も厭わない男たちの話でした。 真似はできないけど格好いい。
「蛍草」のようなハッピーエンドものもないではないと思うが、葉室麟の時代小説は切ない。 羽根藩新参の多門隼人は、御勝手方総元締として苛烈な改革を行っている。農民からは鬼隼人として恐れられ嫌われ、藩の同僚、上役からも足を引っ張られても、藩財政を立て直し藩主を名君と成すために突き進んでいる。そんな中、藩と...続きを読むして過去に失敗し断念している黒菱沼干拓の命が下る。 隼人を助け支え、開拓に協力する人物が現れる一方、藩内では隼人追い落としのため百姓一揆まで策謀される。そして佳境へ。隼人の真の思いは、運命は、、、 欅屋敷の謎の女性や隼人のもの周りの世話をする出入りの商人の女房おりうも隼人を案じ慕う。この二人の女性の生きざまも切ない。
葉室麟さんの著作を読むたびに背筋が伸びる気がします。 羽根藩シリーズ三作目、主人公は亡くなってしまうけれど、生きた軌跡はずっと引き継がれる。
3.5ぐらいの感じ。羽根藩シリーズの中では少し毛色が違う。いつもは理不尽さの中で個人が葛藤したり、がんばったりという話だが、その理不尽さが後にならないと分からない構成になっているので、何となく1人の武士の活躍の話なのかなと思えた。もちろん葉室麟の書く話なので、とても面白いし、全体としてのテーストも変...続きを読むわらないので面白かった。特に主人公に協力する個性的な面々は面白い。水滸伝的な雰囲気があって、個人的には楽しめた。
羽根藩シリーズ第2弾。 続編ともいうべき『秋霜』を先に読んでしまった。 そのため、鬼隼人とも称される主人公の最期がわかったまま読み進めることになった。 それでも、主人公の覚悟を秘した行動に最後まで引き付けられた。 「世のためひとのために尽くした者は、それだけで満足するしかない。この世で、ひとに褒めら...続きを読むれ栄耀栄華を誇るのは、さようなものを欲してあがいた者だけだ。ひとに褒められるよりも尽くすことを選んだ者には、何も回ってこない・・・」 そんな思いと覚悟を持った者は、現代に果たしているだろうか。違和感なく描けるのが時代小説であり、だからこそ我々は時代小説に惹かれるのだろう。
面白かった! 羽根藩シリーズ第3弾! 帯にある通り、「鬼」の生きざまを通して「正義」を問う物語。 羽根藩って藩主に恵まれないのね。それが共通点な気がしてきました(笑) ストーリとしては、 豊後羽根藩の多門隼人は「覚悟」を秘し、藩主を名君となすため、「鬼」となって、苛烈な改革を断行しています。ついた...続きを読むあだ名は鬼隼人。鬼隼人に対する怨嗟渦巻く中、さらに厳しい黒菱沼干拓の命をうけることに。ひと癖もふた癖もある大庄屋の「人食い」七右衛門と学者の「大蛇」臥雲を召集し、その難工事に着手します。一方で、城中では、反隼人派のさまざまな謀略が.. そうした中、使命を果たすための隼人の行動には心打たれます。 本当の「悪人」とは何か? そして「正義」とは何か? 鬼隼人の生き様だけでなく、七右衛門、臥雲の生き様を通して我々読者に問いてきます。 さらに隼人をそこまで突き動かす「モノ」とは.. 秘めた思いとは.. そして覚悟.. とってもお勧め!
内容(「BOOK」データベースより) “鬼隼人”許すまじ―怨嗟渦巻く豊後・羽根藩。新参の多聞隼人が“覚悟”を秘し、藩主・三浦兼清を名君と成すため、苛烈な改革を断行していた。そんな中、一揆を招きかねない黒菱沼干拓の命を、家老就任を条件に隼人は受諾。大庄屋の“人食い”七右衛門、学者の“大蛇”臥雲を招集...続きを読む、難工事に着手する。だが城中では、反隼人派の策謀が…。著者畢生の羽根藩シリーズ第三弾! 平成29年12月1日~6日
豊後の羽根藩では、財政窮乏、藩の借銀が膨大な額となり返済に苦しんでいた。名君との聞こえもある藩主兼清のもとに、備後浪人の多聞隼人が召し抱えられ、鬼隼人と称されて、苛烈な改革を断行していった。 悪とは何か。正義とは。 おのれの正しさを言い立て、他人を謗り、正すのが正義なのか。それは何も作ろうとはしない...続きを読む。何かをなそうとする者の足を引っ張って快とするものだ。この世に何も作りだそうとはしない。 今の政治家に聞かせてあげたい。
前作までと違い今作の主人公は最初どのような考えを持って生きているのかよく分からなかった。 しかし最後になぜそうなったのかが分かり、その苛烈な生き様の目的を知ることが出来る。 悪人とは何か、善人とはどういう人物なのか。
『潮鳴り』に続き、葉室作品三作目。羽根藩シリーズ。前作よりも主題は難しい。藩主を自分(隼人)の眼で見定める——。悪いことは悪いと謝ることが出来ないなら、まあ人間として駄目だわな…兼清さんよw どんなに短い一生でも何かしら意味があったと思いたい——不器用な生き方しか出来なかった"鬼隼人"に黙祷を…。星...続きを読む四つ。
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