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Posted by ブクログ
“「お嬢様、そろそろ素直になったらいかがです?本当はもうずっとジル様と、仲直りするきっかけがほしかったんじゃないですか?」
胸の奥底に隠していた願望をのぞかれたようで、ぎくりとした。
けれどエメは何も驚くことはないと、普段通りの愛嬌ある笑顔を浮かべる。
「だってお嬢様がご自分のために描く絵って、みんなジル様を題材にしているじゃないですかあ。しかも、あんなにいっぱい。……ジル様がせっかく、こんなふうにきっかけをくれたんですもの、今度はお嬢様がジル様の手を取りにいかなきゃあ。ね、ユベール」
「…………」
相変わらずユベールは何も答えない。しかしエメも慣れっこで、「でしょ?そうよねー」と謎の会話を成立させている。”[P.46]
序盤は素直になれないマリオン。
家出した理由も絶交したくなった理由もちゃんと筋通ってて。
ジルの仕草がたまに可愛い。
面白かった。
表紙背景が白いってちょっと珍しいかも。
“「ジルはあたしを、ただの友だちじゃなくて、親友だと思ってくれているってこと?」
「え……」
険しく顔を歪めたジルは、相当傷ついた様子で黙り込んだ。
しかしマリオンは「親友」という特別な響きに、すっかり舞い上がっていた。
たった一人の幼なじみ。そして友だちから、親友へ。
絶交していた年月が長すぎて、もう友だちにすら戻れないと思っていた数日前には、考えられなかった。こんなに大変な一夜を過ごすことになることも、その結末に待っているご褒美が、こんなにいいものだってことも。
水際にそびえる柳の木の枝で、隣に座ったジルがそっぽを向いてしまっている。水上に脚をぶらんと下ろしたマリオンは、彼の腕を摑み、わくわくする気持ちで言った。
「親友ができるなんて初めてよ!これであたしたち、もっと近づけるのね」
「……そうか。そういうことになるのか」
何か明るい兆しが見えた、という顔でマリオンに向き直ったジルは、ニッと笑った。”[P.246]
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