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資本=ネーション=国家という結合体に覆われた現在の世界からは、それを超えるための理念も想像力も失われてしまった。資本制、ネーション、国家をそれぞれ3つの基礎的な交換様式から解明し、その結合体から抜け出す方法を「世界共和国」への道という形で探ってゆく。21世紀の世界を変える大胆な社会構想。
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Posted by ブクログ
柄谷氏の「世界史の構造」(岩波現代文庫)を読んで感銘を受けたので、続けて本書を購入しました。私は「トランスクリティーク」はまだ読んでいないので、そことの比較はできませんが、本書は「世界史の構造」の理解を深めるためにはちょうどよかったと思います。世界史の構造を交換様式から分析するということで、様式Aか...続きを読むらDまでがあるわけですが、そこの用語は「世界史の構造」から少し変更が加えられていました。個人的には本書の用語の方がしっくりきます。また「世界史の構造」ではよくわかっていなかった点についても本書でだいぶ捕捉された感じがします。よってこれは人それぞれかもしれませんが、難易度が一番低い本書から読んで、そこから「世界史の構造」に進んでもOKですし、「世界史の構造」から読んで、それをさらに補足するために本書を読んでも大丈夫とは思いました。非常に多くの示唆が含まれていると思います。おすすめです。
世界共和国へ―資本=ネーション=国家を超えて (和書)2010年08月30日 22:18 2006 岩波書店 柄谷 行人 柄谷行人の言う理念の入門編と言った本らしい。専門家向けにも書いているけれど発表していないって何処かで言っていた。 貸したら新品になって帰って来た本です。 今回で4回目にな...続きを読むりました。 自由の相互性というところが大好きです。 P.S. 今回5回目の再読だけど、何回読んでも新鮮に読めてしまう。「世界史の構造」「トランスクリティーク」を読んでみて、改めてこの本を読めてとても良いと思う。 カント 純粋理性宗教 というところ 1 戦争 2 環境破壊 3 経済的格差 いろいろ衝撃があって、なんでいちいち新鮮に衝撃を受けてしまうのか謎ですが、多分とても重要で本質的なことを根気強く丹念に教えられているからだろうな。 次は「世界史の構造」の3回目の再読をしてみます。
岩波新書赤版。先日岩波文庫版で出た「トランスクリティーク」を平易な文章でまとめたもの。時間がない人にはおすすめ。 マルクス主義・資本論って何だ?という人の一夜漬けにも最適だ。タイトルが残念だ。
今年のベスト候補だな、こりゃ。すんげー分かりやすい。だけど、これって真面目に勉強している学生にとって大部分は普通に知っていることだったりして。一応、資本主義の自由と国家社会主義や共産主義の平等の両立を目指すアソシエーショニズムについて書いた本。mixiで長く書いたから説明は以上で終わり。思想的にはマ...続きを読むルクス(実践で失敗)とカントが正解らしい。んで、9条護持と。他のいろんな人の考えがどうダメか、っていうのを順に説明していくのが面白い。分かりやすい。あんまり引っかかる部分がなかったんだけど、無学な俺はこれを鵜呑みにしていいかどうかが分からん。ただ理想でそこに目標を持つべきってのは分かるんだけど、日本の国益追求のほうがそれが身勝手でも、俺にとって支持したい姿勢になるということはありうると思うんだが。
戦争を超えるための方法が、すごくシンプルにわかりやすく書かれている。日本の憲法9条の重要性を改めて認識させてくれる名著。
柄谷によれば、マルクス革命論の欠陥は国家主義にではなく、むしろ「国家は資本主義の終焉によりおのずから揚棄されるだろう」という楽観的な“アナキズム”にこそある。マルクスは貨幣のみならず国家も共同体間に生まれることを看過していた。対他的に主権を確立する相対性が国家に自立性を与える。ゆえに一国内に完結する...続きを読む「下から」の革命は頓挫せざるをえない、と言う。そこで柄谷は、世界帝国から世界経済への移行過程において形成された(資本=)ネーション=ステートを超克しうる理念として、カントの言う「世界共和国」を持ち出す。それは諸国家を「上から」抑制する原理であり、その「統整的理念」は我々をして「自由」と「平等」を両立するアソシエーショニズムに向け漸進せしめるとする。
柄谷行人 「世界共和国へ」 資本、ネーション、国家の原理を解明しつつ、資本=ネーション=国家 を超える道筋として、世界共和国を提示した本 著者の結論「各国が軍事的主権を国際連合に譲渡し、国際連合を強化、再編成する〜日本の憲法9条は軍事的主権を国際連合に譲渡したもの」 諸国家を上から封じ込めることに...続きを読むよってのみ、分断を免れる マルクス「資本論」 アンダーソン「想像の共同体」 チョムスキーの国家形態 により 資本、ネーション、国家の原理を解明し カント「永遠平和のために」により世界共和国の必要性を提示している 名言「国家の自立性は戦争において示される〜戦争は長期的な戦略によって用意されたもの〜実行するのは常備軍と官僚機構」 著者が論ずる国家の原理が鋭くて、なるほどと思う *共同体と共同体の間に国家は発生する〜国家は共同体の中から発生するものではない *一つの共同体が別の共同体を支配する形態として国家が成立する〜国家は外の国家に対して存在する *国家は権力を維持するために、略取と再配分に基づく チョムスキーの国家形態 A共産主義=個人平等+国家統制 Bケインズ主義=個人不平等+国家統制 Cハイエクの新自由主義=個人不平等+国家から自由 Dリベラルな社会主義)=個人平等+国家から自由〜現実的に存在しない 交換 A贈与と返戻(互酬関係) B略取と再分配(服従と保護) C貨幣と商品(商品交換) 資本主義的な社会構成体 *C商品交換が支配的な社会 *常備軍と官僚を備えた国家が確立〜B略取と再配分 *ネーション(互酬関係をベースとした想像の共同体)が 資本制下の階級対立を超えた共同性をもたらす ∴資本主義的な社会構成体は 資本=ネーション=国家という結合体
資本=ネーション=国家の接合体から抜け出し、世界共和国への道筋を探るという、まさに壮大な論考。マルクスやカントの思想が登場するので、門外漢にとっては理解を超えている。しかし、人間と人間の関係を交換様式で分類するところから始めて、国家や商品交換の成立の歴史をたどるのは、人間社会のあり方とその歴史を理解...続きを読むするという意味でおもしろい。 人間と人間の関係としての交換様式は、4つに大別される(p21)。 A.互酬(贈与と返礼) B.再分配(略取と再分配) C.商品交換(貨幣と商品) D.X(理念として存在) 国家は共同体の中からではなく、共同体が他の共同体を継続的に支配する形態として発生する。国家は、共同体からの賦役と貢納を確保して、他の国家から防衛し、灌漑などの公共的事業を行う。支配者の仕事を贈与として、被支配者は賦役や納税をそのお返しとする互酬の擬制(略取と再分配)が成立する(p48、カール・ポランニー「人間の経済」)。エジプト、メソポタミア、中国では、軍事だけでなく、文字言語、宗教、通信網といった人間を制御する技術を持ち、官僚機構によって支配する国家が完成した形態で出現した(p52)。 帝国の周辺であるギリシアでは、農民共同体が集権的な統一国家を妨げたため、都市国家が乱立した。アテネの民主主義は、公職や権限をくじ引きによって決めるもので、部族的な共同体を克服できないところに由来した(p54)。さらに、ローマの周辺であるゲルマンの部族社会で成立した封建制は、主君が家臣に封土を与えるか養い、家臣は主君に忠誠と軍事的奉仕で仕える双務的な契約関係によって成り立つ互酬だった(p57)。 商品交換は、国家が暴力を独占して法による支配を行うことによって成立した(p67)。西ヨーロッパの封建制において、都市は国家に対抗する教会の力を利用して自立し、商業を発展させた。多数の諸侯を制圧して集権的な体制を築いた王は、都市ブルジョアジーと結託して絶対主義王権国家が誕生し、商品交換と貨幣経済の原理が国家によって承認された。これによって、軍と官僚・警察機構を備えた国家が成立し、再分配と商品交換に基づいて国家と資本が接合した(p86,110)。 1848年のヨーロッパ革命によって、4つの社会形態出現した(p9)。 A.国家社会主義(統制、平等。サン・シモン、ラッサール) B.福祉国家資本主義(統制、不平等。ボナパルト、ビスマルク) C.自由主義(自由、不平等。古典経済学) D.アソシエーショニズム(自由、平等。プルードン、マルクス) 1870年、国家資本主義によって急激に重工業化したフランスとプロシャの間で戦争がおこり、勝利したプロシャは、1865年の南北戦争で統一を遂げたアメリカ、明治維新によって産業革命を遂げた日本と並んで、イギリスの自由主義的帝国に挑戦するようになり、実質的な帝国主義時代が始まる(p11)。 社会主義運動は職人的労働者が担っていたが、19世紀末に重工業化が進んだことによってその基盤が失われ、2つの方向に分かれていった。ひとつは、エンゲルスの相続人だったベルンシュタインに代表される社会民主主義(福祉国家主義)。もうひとつは、レーニンに代表されるロシアのマルクス主義(ボルシャヴィズム)で、ロシア革命の結果、国家社会主義に帰結した(p14)。 1930年代の大不況を脱出するために、高賃金によって大量生産と大量消費(フォーディズム)を実現した(p145)。 産業資本主義において労働力商品となった人間は、家族、共同体、民族などから切り離され、互酬的関係を失った。人々はそれをナショナリズムや宗教の形で取り返そうとしてネーションを生み出すが、それは解体された共同体の想像的な回復に過ぎない(p151,166)。 アソシエーショニズムとは、国家や共同体の拘束を斥け、共同体にあった互酬性を取り戻そうとする運動(p179)。プルードンは、競争や自由があり、貧富の格差や資本と労働の対立関係をもたらすことがないものとして、全員が労働者であるとともに経営者である生産者協同組合や、民主主義を経済的なレベルで実現するための代替貨幣、信用銀行といった、国家と資本主義経済から自立したネットワーク空間を形成することを構想した(p188)。
非常に面白いのだが、NAMの焼き直しじゃやないかと気になる。 地域通貨が出てこないのは柄谷にとってNAMは黒歴史だったんだなー、と理解してよいのだろう。
この本を読んで思ったこと 共同体と国家の関係は太陽と北風 この本は民衆すべての対等な暮らしを目指した共和国を 模索しているが 社会の成立を物質性だけでとらえているようだ つまり対立で成り立つバランス性だけを意識して 混乱と不安な世の中を解決しようといているらしい 最も基本である相互信...続きを読む頼から起こる一体感によりハーモニー性を 考慮していないようにみえる そのためだろうか共生社会の可能性を具体的に示してくれている 宗教は人々に自律ではなく依存心を植え付けてきたわけだし 国家的なシステムと支え合って今現在も民衆を翻弄している 自律することで裏打ちされた自由と対等な互助性を摘み取っている これは世界共和社会を実現するために大きな弊害である この本ではカントの言う倫理観と純粋理性によって集うことが必要で そうしてできる共同体はいわば「神の世界」の出現だという 他者を手段としてしか扱わない資本主義においては不可能なことだけれど 他者を手段と同時に目的とできてこそ「神の世界」が可能となるとも言う 商人資本の支配を無くすためには利益追求型ではなく品質追究の製品を目指した心でつながれる単位の小ぶりな組織で小ロットの個性ある製品が必要となる 当然特許やノウハウや著作権をフリーに公開し 誰もが最高の状態で物を生み出せる環境にしなければならない 利益のために行動するのではなく最高の状況を保ち社会のために生きる事こそ 宇宙すべてにとって平和と自由と対等な暮らしを創れる 共同体は家庭のように愛情と信頼を基礎とした 生産物の交換と分配システムによって成り立つ その拠り所は家族から民族・宗教族そして利害組織へと広がって大きく強くなる しかし構成員のお互いを肌で感じられる以上に膨らんでしまうと対等な関係を維持できなくなって内部暴力に発展する 交換と分配には食物・道具・特産物・土地財産・女男子供の奴隷・ 時間・技術・知識・まじないなどがあり そこには自と他の区別がない一体の者達と 他を意識して分散した者達がおり 損得がなく分け合う者達と奪い合う者達に別れる 又、この意識が強くなるに従い 贈与・貢ぎ・租税に伴った見返りとしての再配分など 取引の姿も複雑になる 見返りとしては福祉・治水・防衛・侵略・などの安全と繁栄を見せつけ 公共事業と軍事警察や通行手形などの権利・権限・権威のお墨付きを与える 人間の生活と自己発見に対する創造のための生産は 自然循環エコシステムを破壊することなく発展していくが 資本のための生産は必要性を度外視することにつながって 競うための競いにおちいる ゴミを作りだしては処分するという不合理を生み搾取の掛け算を始める 労働を無駄にして資源と大地と大気と水を汚し地球丸ごと破壊に追いやる 自らの手で人間自体を教育によってロボット化してしまい 宗教化した資本に恐怖を感じ無条件に支配されてしまう 勿論資本家自体も気づかないうちに資本の虜に成り下がっている 自然にとっても人間にとっても多様性が大切なのであって 地球上のシステムを強制的に一元化することは真空状態にしてしまうことになる この世に絶対の善なる一つの答えはなく 強いて言うならば無限の多様性が共生することで幸福を得る 無限に異なる色があるからこそ織りなす美が生まれハモル歓びを持てる 一色に塗りつぶされた世界は光も影も失った掃きだめとなってしまう グローバリーゼーションが一色化することではなく多様性を引き出すものであれば矛盾のない発展となり得るのではないだろうか ギリシャの民主主義が奴隷によって成り立ったように 21世紀の民主主義は技術と意識の高さによって 支えなければならない つまり誰の犠牲も借りることなく 自然循環の中で物質的争いなしに暮らせる準備が整っているのだけれど 人間の心の方がまだ自律できておらず恐怖をぬぐえずにいる そのため現状は未だに合法という暴力で 管理と支配と搾取をし合っている その見返りに人のフンドシで福祉国家を 装っている政治家や官僚という下層貴族も温存している 共同体には頭や手足という分担はあっても支配者はおらず 一体感による互助の原理が働き国家の形成や国王の誕生を必要としない 敵を想定することによって国家が生まれるのであって 国家は共同体の内側から起こることはない 道徳は「善と悪」による「従順又は精神と物欲」 意識は「美と醜」による「価値又は創造と破壊」 経済は「利と害」による「搾取又は安心と浪費」 政治は「友と敵」による「恩賞又は分配と侵略」 人間はこれらを左右することで社会を構成し その体験によって自分を確かめることを目指しながら日々を過ごしている 貨幣は商品との社会契約によって対等に成り立つものだとされている 一度交換契約が公になると対等性が薄れ 一般に商品や労働力よりも選択肢が多い分優位に立つ つまり 貨幣を持っている人は強い立場になり 共同社会での互助性による分配を上回る魔力を潜ませる 人々はその魔力と交換に自由と対等な立場を手放してしまう 守銭奴①の貨幣貯蓄家は使用権を保留する この守銭奴は無限に権利を保留し続ける禁欲家か無欲者だし 貨幣フェチズムに酔っているとも言える 守銭奴②の金貸し屋は利息システムを作り 質権として貨幣をため消費の権利を貸すことで更なる利益を上げ続ける この守銭奴は幾分合理的だが貨幣の本質を見失っている 最もこのシステムは自然法則のエントロピーに逆らってもいる 守銭奴③の商品資本家である商人は商品と貨幣の交換を転がして利益を上げる この守銭奴は合理的であると同時に 一攫千金を夢見て命を賭けて努力する冒険家でもある 守銭奴④の金融資本家は政治を巻き込み不等価交換による利益をだまし取る この守銭奴は最もドライであると同時に姿を隠した弱虫で ターゲットを絞り詐欺的合法を駆使して追い詰め搾り取る残忍な人非人である 守銭奴は多かれ少なかれ人間の生きる目的と手段を取り違えて倒錯しているが 思い込みの激しい分一途で強く多勢を相手に分別なく挑む 「無く子と地頭には勝てぬ」勢いで社会を振り回す
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