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Posted by ブクログ
久しぶりの時代小説。久しぶりの朝井まかて。
「すかたん」をずいぶんまえに読んでとてもおもしろかったのでまちがいはないだろうと。
タイトルの雰囲気が似ていたし。
江戸徳川11代の時代の庭師の話。いいなあ。タイムスリップするならこれくらいの時代に行って、お百合のような町娘になってみたい。
登場人物がみんな生き生きしている。ちゃらはもちろんだけど、五郎太がかっこよすぎる。
お百合に惚れているのに、プロポーズまでしたのに、お百合のこころはちゃらに・・・すると、潔く身を引いて。
庭の描写や高野槙の仕立て方、石の組み方。ずいぶんと作者は勉強したことだろう、奥付の参考文献を見て納得。長兵衛が、「絵に描いたような」庭は落ち着かず、「いなかもの」と蔑んでいた、両親の素朴な雑木の庭で初めて「自分とつながっている」と感じ入るところは泣けた。
ラスト、そんな殺生な・・・となったところでどんでん返し。ホッとした。
Posted by ブクログ
朝井まかての本を初めて読んだ。心地よい。次はデビュー作から順に読んでみたいなと思った。
「季節の中で風がいちばんうまいのは、夏の初めだ。」という文章で物語は始まる。これは題名にあるちゃんちゃらが口癖のちゃらの言葉。浮浪児だった彼は庭師辰蔵に声かけられ、庭師としての修行、腕をあげていく。序章から第一章に入り心惹かれる施主の娘の言葉としても「風がいちばんおいしいのは夏なのよ。」があり、終章 ちゃらが亡き後、辰蔵の娘お百合が「季節の中で風がいちばんうまいのは、夏の初めだ。」と石積みの階段を駆け上がるという情景描写がある。
序章 緑摘み、第一章 千両の庭、第二章 南蛮好みの庭、第三章 古里の庭、第四章 祈りの庭、第五章 名残りの庭、終章 空仕事で構成。「空に近い場所で働くから、庭師の仕事は空仕事だ。お前ぇ、空仕事してみろ。」と物語早々親方辰蔵が、茶店の握り飯を掠め取り神社の高い樟の木に駆け上ったちゃらに声かけるのだが、空仕事ということばで、まずその世界がパッと広がり、しっかり基礎工事ができてる感ある章区切りで、ぐいぐい読み進める。話は前後するが、そもそもちゃんちゃらという題名が魅力的で、題字の間を自在に飛び跳ねる感ある赤毛に印半纏の挿絵が、また魅力を増幅している。
流行り病に、アヘンの流入という江戸末期の舞台、辰蔵の弟子玄林、福助、アヘンをも扱う妖しげな作庭の文人白楊など登場人物たちを鮮明に描写。そのつながり、絡め方もわかりやすく魅力的。
参考文献として、「穴太の石積」「江戸の病」「実録アヘン戦争」「築山庭造伝」「禅僧とめぐる京の名庭」「夢窓疎石の庭と人生」など19冊があげられているが、これらを練り込み素敵な時代小説。名庭を見に行きたいと思わせる作庭、木と共に生きる世界の魅力も活写。映画にしても面白いだろうなと思った作品。
Posted by ブクログ
朝井まかてのデビュー2作目。
江戸時代の植木職人の世界を描くという点では、1作目と共通しています。
大名屋敷が集まっている江戸では、庭園づくりに熱が入り、庭園都市になっていたというのが面白く、言われてみればなるほど、と。
江戸は千駄木町の「植辰」の親方に拾われた浮浪児のちゃら。名前もなかったが、ふとしたいきさつで「ちゃら」に。
高いところを飛び回って逃げる浮浪児に辰蔵親方が笑いかけ、植木屋の仕事は空に近い「空仕事」だと言ったのだ。
ひょうひょうとしているが、腕はいい親方と、兄弟子たち。
親方の娘のお百合はまだ15だけど、男所帯をしっかり取り仕切っていて、ぽんぽんと威勢がいい。年齢の近いちゃらとは幼馴染のようでもあり、今もよくケンカになってしまう。
山猫のようだったちゃらも次第に腕を上げ、作庭の仕事が面白くなってきます。
趣の違う庭を作り上げていく実例が面白く、それぞれの家の事情も思いやる様子がわかって、前半は人情噺。
ほのかな初恋なども絡みつつ。
「植辰」に思わぬ災いが降りかかり、それが最近江戸で評判の人物と関わってのことでした。
後半はミステリー?冒険もの?
どんどん読めるので筆力は感じますが、やや驚きながら読んでました。
その間、お百合がちょっとほったらかしな感じだし。
江戸時代は10代半ばで適齢期にもなりますからねえ。どう転ぶのか?と…
結末はややあざといけど、まあそうなるだろうと思っていたし~(笑)
たっぷりした読みごたえに満足でした☆
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