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Posted by ブクログ
かつて角川スニーカー文庫で追っかけていたけれど、
諸般の事情により(笑)、ガガガ文庫で加筆再版。
気にはなっていたけど、やっと読めた。
一番最初に読んだときに僕が書いた感想を、転載してみよう。
<以下転載>
この作品、正直言ってすごく読みづらい。
主人公のガユスとその相棒のギギナは、
咒式士(じゅしきし)と呼ばれる、いわゆる魔術師のような存在なのだが、
彼らの操る咒力(じゅりょく)は不可思議の力ではなく、
物理法則に従った、特殊技術に過ぎないらしい。
そのような設定だから、作品内で咒力を使用される度に
それを物理的に説明する文が続く。
特に主人公は「化学練成系咒式士」だそうで、
トリニトロトルエンだのVXガスだのの合成や結合といったややこしい説明が
これでもかと書き込まれている。
主人公の性格も、とにかく理屈っぽくて回りくどい。
だからとにかく読むのが大変で、疲れる。
そんな作品がなぜお気に入りなのか、自分でもうまく説明できないが、
そういう文章に耐えながら読み進んでいくと、突然極めて感情的な、
現実的な話題が紛れ込んでくる。
ついさっきまで、物理法則がどうの、政治的妥協がどうの、
と考えをめぐらせていた主人公が、
ふと、俺が死んだら彼女は悲しむだろうかと思い浮かべる。
そのギャップが非常に心地よく、あまりに落差が激しいために、
不意打ち的に心に響いてくる。
なんとも、今までに感じたことのない感覚だ。
主人公ガユスと相棒のギギナとのやり取りも同様だ。
彼らは普段は非常に仲が悪く、
聞くに堪えないような悪口雑言の応酬をしているのだが、
そんな彼らが決死の激戦の後に、ふっと不器用な優しさを見せたりすると、
なんだか心に沁みるのである。
本の後書きに、スニーカー文庫編集部からとして、次のように書かれている。
>編集担当者は自信を持って言うことができます。
>「この小説は自慢できる!」
>小説史を揺るがすとまでは断言しませんが、
>ともかく“見たことも、読んだこともない面白小説”であることは間違いありません。
初めは僕も半信半疑だったが、
読み終えた後、確かにそうかもしれないと、そんな風に思った。
<終わり>
再読しても、印象は変わらない。
いや、まさしくそうだと思う。
あの後いくつ小説を読んでも、
この作品が与えてくれる感覚と同じものは見つからない。
本当に唯一無二。
それが、この時代においてどれほどすごいことか。
とにかく、一度読んで欲しい。
ただし、エログロ有りの「ダークライトノベル」なので注意。
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