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「この世には御定法で罰することのできない罪がある」最愛の父が死んだ夜、自分が父の実子ではなく不義の子なのを知ったおしのは、淫蕩な母とその相手の男たちを、自らの手で裁く事を決心する。おしのは、母を殺し、母の男たちの胸につぎつぎに銀のかんざしを打ちこみ、その枕もとに赤い山椿の花びらを残してゆく……。ミステリー仕立で、法と人間の掟の問題を鋭くついた異色の長編。
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Posted by ブクログ
何が正しいのか、何が正しくないのかを考えさせられる作品。 面白くて切ない、優しいけれど辛い、そんのお話でした。
まだ学生の頃、涙しながら読んだ。 私が『周五郎病』に罹ったのは、この作品のせいだ。 個人的に大変思い入れの強い作品
山本周五郎の中で、ちょっと異色の本。サスペンス好きの方に向いているかも。 初めて読んだのは20代のころで、この主人公が自分とそんなに年が離れていなかったせいか、おどろおどろしいものを感じたものの、どっぷりとその世界の中に浸り、忘れられない題名となった。 今読むと、う〜ん、18の娘がこんなにも妖艶で女...続きを読むらしくあり、しかも意思強く、手の込んだ策略をめぐらすことができるものか・・・と、思ってしまうが、そんな 夢のないことはいうまい・・・・。 五人の男に罪を償わせるため暗殺していく話を、簪(かんざし)と椿のはなびらという同じ設定でつむいでいくのは絵をみるようだ。 単純に、次々暗殺する、いうのではなく、自分がちがう5人の人物に成り代わっていく。しかも途中から、与力の青木某という人物が主人公を追い詰めていく。 山本は、法と掟、人間の葛藤を描いた、なんて解説もあるがそんな、こむずかしいこともいいじゃないか。 楽しめればいいと思うのだ。
山本周五郎の中で、ちょっと異色の本。 サスペンス好きの方に向いているかも。 初めて読んだのは20代のころで、 この主人公が自分とそんなに年が離れていなかったせいか、 おどろおどろしいものを感じたものの、 どっぷりとその世界の中に浸り、忘れられない題名となった。 今読むと、う〜ん、18の娘がこんな...続きを読むにも妖艶で女らしくあり、 しかも意思強く、手の込んだ策略をめぐらすことができるものか・・・ と、思ってしまうが、 そんな 夢のないことはいうまい・・・・。 五人の男に罪を償わせるため暗殺していく話を、 簪(かんざし)と椿のはなびらという同じ設定で つむいでいくのは絵をみるようだ。 単純に、次々暗殺する、いうのではなく、 自分がちがう5人の人物に成り代わっていく。 しかも途中から、与力の青木某という人物が主人公を追い詰めていく。 山本は、法と掟、人間の葛藤を描いた、なんて解説もあるが そんな、こむずかしいこともいいじゃないか。 楽しめればいいと思うのだ。
山本周五郎の長篇時代小説『五瓣の椿』を読みました。 『寝ぼけ署長』に続き、山本周五郎の作品です。 -----story------------- 父思いの娘が復讐の殺人鬼と化す異色の周五郎時代長編。 倒叙ミステリーとしても傑作。 婿養子の父親は懸命に働き、店の身代を大きくした。 淫蕩な母親は陰で...続きを読む不貞を繰り返した。 労咳に侵された父親の最期の日々、娘の懸命の願いも聞かず母親は若い役者と遊び惚けた。 父親が死んだ夜、母親は娘に出生の秘密を明かす。 そして、娘は羅刹と化した……。 倒叙型のミステリー仕立てで描く法と人倫の境界をとらえた傑作。 ----------------------- 講談社の雑誌『講談倶楽部』に1959年(昭和34年)1月号から9月号に連載された作品… 時代小説ですが、内容はサスペンスでしたね。 家のために働きづめ、その挙句倒れて死んでしまった大切な父… その時母は浮気相手と不義密通を働いていた、、、 おしのが母をなじると、返ってきたのはおどろくべき言葉だった… 「おしのちゃん、あなたの本当の父親はほかにいるのよ。」 母の不義を憎み、次々と母や、男たちに復讐を果たしながらも、不浄な血が流れている自身の存在に悩むおしの… 最後の復讐相手、自分の本当の父親と直面したおしのがとった驚くべき行動とは――。 犯した罪をどうやって償うべきか… サスペンス仕立てで語られる、罪と罰の物語。 父を失い、おしのは殺人に手を染めることに… 自分が不義の子と知り、淫蕩な母と相手の男たちを次々と殺害、、、 息絶えた5人の男たちのそばには赤い椿の花びらが…… という連続殺人を描いた物語なんですが、殺人に至った辛く哀しい顛末やおしののひたむきさに気持ちがシンクロしてしまって、その罪を赦してやってほしい、捕まらないでほしいと願いながら読み進めました。 法では罰せない罪に対し、自分ならどう向き合っていくか… 考えさせられましたね、、、 そして、終盤の血を分けた父親との決着の付け方、その後の身の置き方に、おしのの潔さが感じれました… 憎んでいた母親の血が流れている自分、復讐とはいえ殺人を犯した自分を赦せなかったんでしょうね。
時代小説と言うよりもサスペンス小説かな。 主人公が悲しい。女だから母を恨み、女だから自分を許せなかったのか? 読後の爽快感は全くなく、なんとなく苦いものを口の中に残した気持ち。 それでも主人公に同情してしまう山本周五郎の凄さかな。
先日から、本棚に数冊足らない新潮文庫の山本周五郎をコンプリートを目指して買い足してます(徐々にですが) 多分山本作品は全て既読で、その後誰かが本を持ち出して無くなったものと思っていましたが、この長編は未読だったかもしれません。 特徴的なストーリーなのですがまったく記憶がありませんでした。 山本さんの...続きを読む特長である人情的な気配は少なく、「法」と「人間的な掟」のギャップを主題に描かれた少々重い作品です。 商才を認められ家付きの娘である母親と一緒になった父。店を繁盛させ大きくしたが、淫蕩な母は父を裏切り放蕩を尽くし、労咳で死の床につく父親を見向きもしない。父の死の直後、母の最大の裏切りを知った娘は、父親の復讐のために。。。 重いテーマだし娘の復讐のリアリティの面でもどうかと思わせますが、ともかく読ませてしまう。円熟期にかかった山本さんの筆力です。 山本作品の中には「法」と「掟」をテーマに取り上げた作品も幾つかあり、その中で代表作かも知れません。映画化、ドラマ化、舞台化もされ、確かに映像的に向いた作品だという気もします。 しかし。。。 やっぱり私は人情物やきりりとした武家物の短篇の方が好きです。
昭和34年講談社から単行本刊行。他の山本作品とは一線を画するミステリー調のサスペンス作品。 こんな教訓的でない山本作品には驚いたのですが、復讐を実行してゆく主人公のおしのの気持ちに入れ込んでしまうほど熱中して読めることは請け合いです。 人生における罪や罰、そして人生の掟というテーマなので、殺す必要が...続きを読むあったのかどうかを深く考えて読むと他のテーマよりは難しいし前向きな答えが出にくいので、娯楽作品として楽しむべきだとも思います。 なぜならどう考えても正しかったという結論は出しにくいですから。 でもラストにおいては作者は主人公の生い立ちや性格、年齢を考慮したのか、少し甘かったのかなと言う気もします。 純粋で潔白すぎるという結論なのでしょうがいろんな解釈ができるのでしょう。 正直驚きました、そういった意味合いにおいては衝撃的な作品とも言えるのでしょう。 少し余談ですが、NHKで2001年に国仲涼子主演でドラマ化されています。 最近観たのですが、今も綺麗ですが涼子ちゃん本当に綺麗で小説同様ドキドキして観れます。 そして若々しい阿倍寛や堺雅人も楽しめます。
テーマは秀逸だし、痛切に胸を打つ話。が、ラストはあっさりしすぎ(主人公の独白にすればいいのに)。この人の小説にはサービス精神がない。もうちょっとあざとく盛り上げてもいいと思うが。
「竹薮は黄色く霜枯れ、池の水は寒ざむと澱んでいる。椿の木の幹は灰色で、空は鬱陶しく曇っていたようだ。すべてがしらちゃけた淡色にいろどられている中で椿の葉の黒ずんで光る群葉と、葉がくれにつつましく咲いている紅い花とは、際立っているようで却ってものかなしく、こちらの心にしみいるように思えた。」
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五瓣の椿
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