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八世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。本篇は全三部構成の第一部であり、奈良朝を震撼させた「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守・百済敬福の従者となり、平城京に上る。朝廷の野心から陸奥国を守るための上京であり、敬福の後押しもあって兵衛府に仕えることになった。やがて、八年の歳月が過ぎ、番長に出世していた嶋足のもとに、同じ蝦夷の若者・物部天鈴が現れる。天鈴は嶋足を衛士府の少尉・坂上苅田麻呂(田村麻呂の父)と引き合わせ、苅田麻呂に採り立てられるよう仕向けた。一方、中央政界は、橘諸兄の死後、その子・奈良麻呂と藤原仲麻呂との対立が激化。奈良麻呂派による仲麻呂打倒の策謀が進行する中、嶋足はそれを未然に防ぐべく、渦中に身を投じていくのであった……。奥州動乱前夜の若き蝦夷たちの躍動と葛藤を、壮大なスケールで描く。
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Posted by ブクログ
8世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と中央政権の血生臭い権力抗争を描く大河ロマン第1弾。
これまで奈良時代を舞台にした作品を読んだことがなかったので、人物等もなじみがなかったのですが、主人公の丸子嶋足をはじめ、権力に固執する藤原一族など、一人一人が生き生きと描かれ、あっという間に奈良時代の歴史舞台に入り込んでしまいました。
武士ではなく貴族の時代にあれほどまでの権力闘争が繰り広げられていたことに、正直衝撃を受けました。
陸奥の平和を目指して、躍動と葛藤を重ねていく若き蝦夷たちのこれからに期待が高まりました。
この1巻でも十分一つの作品として読むことができますが、やはり蝦夷たちの生きざまを見届けたいと思わずにはいられず、すぐに2巻に進んでしまいました。
Posted by ブクログ
「炎立つ」にすっかり魅せられたので時代を遡って本シリーズに突入。
第1巻はひたすら朝廷の政争に終始していますが、文明が未成熟なせいか、やり方がいちいちえげつない。但し蝦夷や物部氏を中心に個性溢れる魅力的な人物が続々登場しており、嫌気を覚えることなく先の展開を楽しみに読み進めることができました。
既にこの時代から日本の政治家は政より権力争いに執心していたとは。ちょうど読んでいる最中に希望の党が結成された現代との類似性が、何とも情けなくて可笑しいです。
名前が似ていて区別がつかなくなるという恐ろしい噂の「麻呂麻呂地獄」も、巻頭の人物紹介欄の助けを借りながら何とかクリアできそうかな。
Posted by ブクログ
「火怨」「炎立つ」「天を衝く」の東北三部作へと繋がる前哨戦のような今作。「火怨」にも登場する鮮麻呂や、物部氏の天鈴の若かりし頃が登場。そして、蝦夷から悪者扱いされていた嶋足が主人公となっている。
天鈴のあまりの策士振りに、それに振り回される嶋足がちょっと不憫に思えてきたところもあったけれど、今後の蝦夷の歴史を見れば、なりふり構わず策を弄する天鈴の方がやはり上なのかなと思う。しかし、それ以上に朝廷内の権力争いがとてつもなく醜い。今作「立志篇」では橘奈良麻呂の乱が中心だが、この時代は本当にえげつないなぁ。
今後、彼らが仲麻呂とどう闘い、そこに陸奥に逃れた多麻呂が新たにどう関わってくるか楽しみ。
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