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人生とは善への希求であり、その努力にこそ人生の真の意義がある。善こそは人生の目的なのだ。だが、この目的は何によって達成しうるのだろうか。トルストイはこう断ずる、それは人間にのみ与えられたあの理性の働き、即ち愛によってである、と。『人生論』には、この偉大な「人生の教師」晩年の思索と体験のすべてがこめられている。
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Posted by ブクログ
パラグラフライティングで記述されているので、その見本になる。まず、その章での主張が提起され、それについての考察があり、章末には結論がある。そして、それは次章へ論理的に接続され、章を追うごとに次第に主張が強固なものとなっていく。 理路整然と持論を展開していることに感心させられる。自分なりの注釈が書ける...続きを読む楽しみもある本をやっと見つけた。
「人生とはこの男が調べようとしている水車である。水車が必要なのは粉をよく挽くためであり、人生もそれをよきものにするためにのみ、必要なのだ。(P20)」人生とは、それ自体が目的なのではなくて、粉を挽くために必要なもの。粉を挽くために与えられたもの。この考え方は私にとってはパラダイムシフトだった。ただ生...続きを読むきていることに価値があると、ぼんやりと認識していたが、人生はそれ自体に意味があるわけではなく、何かのためにあるのだという発想。人生をやり過ごしている感じがあった私は背筋を伸ばされた。ただ健康に長生きして人生をやりすごすのは、何の目的もない水車がただ回り続けているのと同じ。私は何をしたいのか。私はこの人生を何に捧げるのか。 「己れの行動を選択するのに指針というものがなくては、人は生きていけないのだ。そこで人はいやおうなく、理性の判断をはなれて、個々の人間社会に今日まで常に滞在してきている表面的な生活方針にしたがうことになるのである。この指針はなんら合理的な説明をもつものではないが、これこそ万人の大半の行動の原動力をなしているのだ。(p58)」本当にその通りで、私は自分の人生の目指すものを自分で決めずに周りに流されて人生を終わらせてしまおうとしている。訳の分からないところに流れて行って死んで良いのか。周りの、世の中の流れがいかにどうでも良いかってこと。自分の人生は一瞬。どこに流れてていきたいのか。 人間の本能についての考察よりもむしろ、どのようにそれを理性で支配するかということが大事。 ーーーーー 最初から中盤まではとても、面白かった。ただ後半の内容は、トルストイ自身、死について考えざるを得ないほどの恐怖心を持っていて、考えに考えて作り上げた納得できる「死の在り方」という印象を受けた。私は死ぬことにあまり恐怖心を抱いていないから(あるいは死を間近に感じる経験をしていないからかもしれないが、)彼のこだわりに対して興味を持てなかった。
正直難解・・・数回読んでゆっくり理解かな。角川や新潮版の方がとっつきやすいかも。 愛に関する記述は素晴らしい
年齢が63歳ということもあり、とてもわかりやすかった。 なるほど「やっぱりそうだんだ」という確認にも似た気持ちです。 生きるとはそういうことなんですね。
途中でうんざりしてきましてどーんとすっトバして、むすびと解説を読んでヨシとしました。 またいつか読む時が来るかな。来ないだろうなあ。
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