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何歳まで生きたいですか? 大往生は万人の願望。マスコミは90歳を超えても元気な「スーパー老人」をもてはやし、死ぬまで健康であるべきだという圧力は強まる一方だが、いま現実はどうなっているのか。現役医師2人が、誰も本当のことを言わない高齢者の生き方・老い方・逝き方を赤裸々に語り合った。アンチエイジングを謳い、高齢者を飯の種とする医療界はどこまで信用できるか? そもそも医者の多くがなぜがんになるのか? 大往生は可能なのか? 等々、遅かれ早かれ誰もが直面する生死の真実。
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Posted by ブクログ
私はまだ世間的には、死を意識するような年ではないけれど、思い通りの死に方、について様々な思うところがあるので、読んでみた。 しかしこれが痛快!このふたりの高齢者医療に携わる医者のふたりは、私が常々疑問に思ってたけど、不謹慎かも知れないと感じていたことを、次から次へとバサバサ斬り込んで、膝を打つような...続きを読む話を気持ちよくしてくれた。 例えば、70を(60でも?)過ぎて癌の手術をするなんてのは、本人にも社会にも大いなる無駄ではないか?と、感じていた。医療費の削減の為に必要なことは、ちゃんとヒトをヒトとして死なせる、ということではないかと。 このふたりは、医療費についてはなにも言わないけれど、なにより本人の為にならない、とはっきりおっしゃっている。 そして身につまされる話として。親の死、配偶者の死について、ダブルスタンダードはダメですよ、と。自分がヒトとして死にたいとかいいながら、ボケた親には胃瘻をしてくれとか、それはとんでもない話。 私も老い行く両親を持つ身として、そろそろ色々考えておかないといけないこと。
父を亡くし、老人ホームに入居した母は軽度認知症で、記憶がなくなる感覚に怯えながらいつも私に「早く死にたい」と訴えます。正に死にたくても死ねない「長命地獄社会」というのが身近過ぎて、冒頭から引き込まれました。 元気で長生きしてほしいと思うけど、その時が来たら延命治療はせずに穏やかに死を迎えたいと、母の...続きを読むみならず自分自身の時もそうしたいと心底思いました。 そして80歳でガンで逝った父の時のことを思い返して、とにかく良い病院を、良い治療をと促した自分を悔やみました。 何も不調はなかったのに検診でガンが見つかり、手術を繰り返したこと、本当に可哀想でした。 父の死にふれ、なにしろガンが怖くなり、 本の中の笑い話のように「ガンにさえならなければ死んでもいい」みたいな健康オタクになりつつありました。 でもガンになる最大のリスクは『加齢』でこれは予防しようがないし、ガンも無駄な治療さえしなければ痛みもなく穏やかに死ねると知れて、その恐怖心は半減し、抵抗感がなくなりました。 「がんにならない唯一の方法は、なる前に死ぬこと」この言葉最高です。 人はガンで死ぬか寿命で死ぬか、どちらにせよ死亡率100%なんだから、そこにばかり気を取られず、死ぬまでの時を謳歌しようという意識に変わりました。 毎年きっちり受けている人間ドッグもガンが見つかる前に辞めようかな。 そんなに長生きしたくもないし、もしガンで死ぬなら、最期まで知りたくない。「知らずにいる権利」を行使したいです。 とにかくこの本は、今まさに高齢医療の現場にいる医師の話なだけにリアリティがあって、とても参考になり、読んで良かった一冊です。
死ぬまでの生き方を考えること、なるほどその通り。 第四章のなぜ死ぬのはがんに限るのか、がスッと体の中に、考え方として入り込んだ。この章だけでも再読する。21/8/30コロナ禍、母の症状を知った夏。
30冊目。「大往生したけりゃ医療とかかわるな」を読まれた久坂部先生が対談を申し込まれたそうで、ユーモアもたっぷりだった。
医者は毎日死に目に会っているから、すべての患者に親身になっていたらやっていられない。だからきもちの上でギャップがあるのは当たり前のこと。 自分は安楽死したいが、親は延命治療をしたい、というのは矛盾。 延命治療をしたがるのは、親孝行が足りないから。 「余命6ヶ月と言われたら」エクササイズ 「お通夜...続きを読む」エクササイズ 夫婦げんかも、相手が死ぬことを考えれば、怒りも収まる がんで死ぬのがいちばんいい。 がんの一番の危険因子は加齢。年を取れば取るほどがんになりやすい。 元気に死ぬためには、がんを治療しないで自然に死ぬこと。 手遅れの状態で発見された末期がんは、そのとき痛みがなければ最後まで痛みが出ない。 がんで苦しいのは、がん治療が患者を苦しめるから。 がんが痛むなら、もっと早く見つかるはずだから、見つからなかったということは、最後まで痛くないはず。 余命が見当がついていれば対処しやすい。 「肝胆膵のがんで死ぬのは仕方ないが、消化器がんで死ぬのはバカ。消化器がんは、早期発見で治るから。 人間ドックは、基準値を厳しくしてB評価が出るようにしている 症状が出てからでは遅いのではないか、と思いがちだがそういう病気は先に見つけてもダメなものが多い。 胃瘻はしない。食べられなくなったということは、死ぬ時期がきたということ。 スーパー老人は運が良かっただけ。自慢話を本気にしない。 棺桶体験。死ぬときは何ももっていけない。物事に執着心がなくなる。 少欲知足。 死を視野に入れながら生きる 諦める、とは理由がなくても受け入れる、こと。投げ出すことではない。
「大往生したけりゃ医療とかかわるな」の著者である中村医師と、医師で作家の久坂部さんの対談。自分も不惑を過ぎ親族の死が身近になってきたので非常に興味深く読ませてもらった。ほとんどみんな病院で死ぬのはどうなんだろうか?寝たきりで食べられなくなっても点滴だけでずっと生き続けているってのはどうなんだろう?な...続きを読むどなどの疑問を感じたことがあれば本書はとても有意義な一冊だと思う。もちろん著者らは基本的に現代の医療、とくに終末医療に対して批判的な態度です。とくにガンの治療なんかに関して。そしてタイトルの「思い通りの死に方」というのは無理だ、という結論です。そもそも仏教では思い通りにならないものの4つの中に死がある。それを認識して思い通りに生きましょう、ということ。
誰もがいつかは死と向き合い、どう最後を過ごすかを選択しなければならない。 そうなる前に、ぜひこの本を読んでおくことをお薦めする。 延命治療や胃瘻などの選択もあり得る現代医学ではあるが、実際、医者は自分や自分の家族にはしたくはないと考えているそうだ。 知識の乏しい患者の家族と多くの最後を看取ってきた医...続きを読む者との間で考えの相違があるのが当たり前であり、患者側の言いなりにならず、抗議を覚悟の上で熱心に説明してくれる医者にかかりたいと切実に思う。
【文章】 とても読み易い 【ハマり】 ★★★★・ 【共感度】 ★★★★★ ・延命治療を行うのがよい事なのかは、患者本人次第 ・安楽死が法的に認められる社会になるべき ・長く生きる事のみが尊いわけではないはず 【気付き】 ★★★・・
面白いところだけ抜粋します。 死にたい、という患者さんに「異常ないですね」というと、「まだ死ねないんですか」と言って怒る。 70、80、と年をとると、どうしても前のように動けなくなる。「前のように動けなくなってきた」そんな人が病院にきても困る。病名もつけられない。 「気持ちに体を合わせるのでは...続きを読むなく、体に気持ちを合わせて欲しい」皆、自分だけは老衰にならず、まして病気にかからない、と思っている。 サプリについて。「エビ、カニ、サメ、のなんたらを体に入れてなんとかなるなら摂れば? 戦争のとき、「丁種不合格」で生き延びた97歳の、「早くしにたい」という老人がいる。「死ぬにはまだ不合格だな」という。 診断と治療は別。どこか痛い、と訴えれば何かしら病名はつくかもしれない。本人は、原因がわかりません、というよりは納得するかもしれないが、病名がある=治療薬がある、ということではない。 診断の結果、病名がつくことで患者数が増える。昔の高血圧は160以上。今は140、ときには125を越えると高血圧。国民の3000万人が高血圧、はおかしくないか? 家族の心情。自分が死ぬ時は延命しないで、という人が、自分の親が危篤になると延命を依頼する。 孤独死が問題視されているが、若年の方が急病で亡くなるケースを除き、ほとんどは自然死だと思われる。死ぬ直前に電気ショックやチューブを入れられない、というだけでもプラスでは。東京都では、100歳以上の都民、158人のうち、26人が一人暮らし。 著者の父親の体力が落ちた時、「すぐ死ぬな」と思ったら30日生きた。常に例外はある。 家族が、「○○さんは余命6ヶ月です」と言われたら、すぐ葬式エクササイズをせよ。明日、告別式。としたら何をいましてあげたいか、を考えよ。 ガンは放置しても何年かは生きる。ガンで急死した人がいると、「治療をしていれば長生きできたかも」という報道がされるが、実際は、がん治療をしてしまうとそのつらさ、負担、から仕事にならず、長く苦しんで死んだ、という結末になっているはず。がんは痛みを伴うものでなければ静かに逝ける。苦しいのはがん治療なのである。 足腰を 鍛えに 鍛えて ガンになり 長生きしている人はたまたま長生きしている。医学的には特段、こうすれば長生きできる、というものがあるわけではない。それなのに、その人独自の、あたかもそうすれば長生きできるようなものがあるように報道されてしまう。
長生きは素晴らしいこと、というマスコミの報道に疑問を呈する内容。不健康な状態で長生きすることにいいことはないらしい。
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