悪人礼賛 ――中野好夫エッセイ集

悪人礼賛 ――中野好夫エッセイ集

825円 (税込)

4pt

4.0

「およそ世の中に、善意の善人ほど始末に困るものはないのである。」こちらは迷惑をこうむっているのに、それに気づかないばかりか、一切の責任から逃れていると錯覚してる善人。むしろ悪人のほうが付き合いやすい。このパラドクスを語る文章の小気味よさ。数々の名訳で知られ、社会に警鐘を鳴らす評論家として信頼された自由主義者のエッセイ集。半世紀を経てなお瑞々しさを失わない人生論と日本の国際社会復帰期の社会批評の数々。自在闊達な思考の気持ちよさを満喫できる一冊。

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悪人礼賛 ――中野好夫エッセイ集 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2011年12月27日

    この味わいがたまらない。この人が教授のころ学生だったら、多幸だろうともぐりこんで、英文学の授業を受けたかったな。

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    Posted by ブクログ 2014年12月29日

    生きているだけで人間は幸せだ、という傲慢さは筆者にはない。筆者は悪人である。人間の善意や純情は信じていない。悪人が持つグラマーというべき法則を信じている。良心も、その人の総合的な体験からできるものだ、と考えている。そうであれば、無垢に人間の幸せを願う宗教にも懐疑的になるのだ。
    氏の根本には、戦争を生...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2011年05月19日

    タイトルの項にしびれる。全体的にはだいぶマトモだったけど、敗戦後10年くらいのうちに書かれたものなので、民主主義、デマ、役人、などなどタイムリーなキーワードが出てきて面白かった。原子力、もちらりと。

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