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幕末の動乱期の中、勝海舟はどう生きたのか。新旧相撃つ中で旧幕臣たちの生計をたてる道を探り、福沢諭吉らの批判を受けながらも、旧幕府勢力の代弁者としての発言力を確保して徳川慶喜と明治天皇の会見を実現。また一方では逆賊とされた盟友西郷隆盛の名誉回復に尽力した海舟の後半生に光を当てた名評伝。
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Posted by ブクログ
勝海舟という人物について、あまり知識を持っていなかったが、ようやっとその偉大さがわかった。江戸城無血開城は大手柄。しかし、それでも戊辰戦争を防げなかったところにこの国の問題があるということがわかる。
「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与らず我に関せずと存候。」どうでい!福沢よ! 勝海舟の、江戸城無血開城後は「氷川清和」に詳しくその心中が語られていますが、半藤先生の勝論、また未だ未読であるじいさんの日記等から意外と内に秘めるタイプであったじいさんの姿を感じ取りました。他資料とつなぎ合わせて浮...続きを読むき出てくるその情景、また勝のセリフ。男気に、また新しい勝像を頂いた気分です。半藤先生の勝っつぁん大好き!も微笑ましく読みました。 壬生義士伝に「徳川の殿軍おつとめもっす」という吉村のセリフが出てきます。勝海舟のその後の人生は、まさに「徳川の殿、の殿、の殿」ともいえるものだなあ!御家人たちの仕事の世話、お金の世話、住居の世話、はたまた忠誠心のやり場の世話。勝が新政府に送り込んだエリートたちは後の明治政府、特に軍内でその基礎を作ることに奔走します。太平洋戦争史をあわせて読むと、開戦強行派、外交による調和派は、多くが元官軍、元賊軍に分けられると言います。勝じいさんもまた、日清戦争、支那国に対して軽蔑を送る世論に大いに反発、警告する。そう、警告。まさにこのままそんなこと言って支那と戦を続ければ、欧米から非難を浴びて国際的に孤立するヨ。それで今度は欧米と戦でもする気かね。国が滅びちまうよ。と言う警告です。じいさん、すげえ!!かつて江戸で市民の血を流すことなく戦を終わらせた慧眼を持つ勝海舟にしてみれば、猛進猪野郎どもの馬鹿さ加減が、氷川の隠居宅からよくよく見えていたんだろうなあ〜!。 世の人が何を言ったって、自分のなすことは自分にしか分からない。また世の人が何を言うかなんて、俺は知らないヨ。 それでも最後の最後、殿を勤め上げた海舟の、奔放する姿、愛おしく、また頭の下がる想いです。
江戸城無血開城となった、勝海舟と西郷隆盛の会談後の勝海舟のその後。 以前司馬遼太郎さんの本で勝海舟について、学校の歴史で知った以上のことを知り、すごい人だなと感銘を受けた。書店で偶然この本を見かけて、迷わず購入。面白かった。そして、より勝海舟が好きになった。 現在の政治の体たらくを思うにつけ、...続きを読む勝海舟のような人がいてくれたらと思う。
薩長嫌いもここまで来たら大したものだ。歯に衣着せぬ物言い、それに海舟を勝っつあん呼ばわりする歴史家の先生。これにも恐れ入りました。 海舟さんの「それから」は意地でも表舞台に出てやるものか!って感じがした。江戸っ子の粋とやせ我慢のなせる業なのだろうか。まさか、そんな単純な事ではないだろうが、 ...続きを読む読み通して「勝海舟」の人となりを感じ取った気がした。ただ、一方、この先生の著書だけで海舟さんを評価して良いのだろうかとも感じた。歴史の裏側を垣間見た気がする。 面白かった
「半藤一利」が「勝海舟」について語った歴史エッセイ『それからの海舟』を読みました。 「半藤一利」作品は、1月に読んだ『漱石先生大いに笑う』以来ですね。 -----story------------- 此の作品ほんたうに面白いですよ。(解説「阿川弘之」) 幕末の動乱期の中、幕臣の中心として江戸城...続きを読む無血開城という大仕事を成し遂げた後の人生を「勝海舟」はどう生きたのか。 新旧相撃つ中で旧幕臣たちの生計をたてる道を探り、「福沢諭吉」らの批判を受けながらも明治政府の内部に入り、旧幕府勢力の代弁者としての発言力を確保して「徳川慶喜」と「明治天皇」の会見を実現。 また一方では逆賊とされた盟友「西郷隆盛」の名誉回復に尽力した「海舟」の後半生に光を当てた名評伝。 ----------------------- 歴史探偵「半藤一利」が、「勝海舟」の江戸城無血開城に向けた「西郷隆盛」との会談後の"それから"をテーマにした作品… 明治という波瀾万丈の時代を背景に「勝海舟」という傑出した人物の魅力を描いた作品です。 ■プロローグ 「本所の勝麟」ぶらぶら記 ■第一章 苦心惨憺の“その日”まで ■第二章 「虎穴に入らずんば」の横浜行 ■第三章 空しくなった最後の大芝居 ■第四章 静岡‐東京行ったり来たり ■第五章 ふたたび西郷どんとともに ■第六章 政府高官はもう真ッ平 ■第七章 「薩摩軍が勝つよ」 ■第八章 逆賊の汚名返上のため ■第九章 野に吼える「氷川の隠居」 ■第十章 「文学は大嫌いだよ」 ■第十一章 「我が行蔵」と「痩我慢」 ■第十二章 誰が知る「あひるの水かき」 ■エピローグ 洗足池の墓詣で ■あとがき ■解説 頑固な下町っ子風 阿川弘之 「勝海舟」って、人物については、歴史の勉強の中で、あまり興味を惹かなかったので、詳しく知らなかったのですが… 本作品を読んで、魅力的な人物だったことを知ることができました、、、 きめ細かな水面下での根回し、地味な工作のうえで「西郷隆盛」との会談を行い、江戸城無血開城を成し遂げ「徳川慶喜」の命を救い、明治維新後も、静岡の一大名となった「徳川家」の旧臣を食べさせるために尽力… 一貫して「徳川家」のため、そしてかつての殿様である「徳川慶喜」や、逆賊となってしまった「西郷隆盛」の名誉回復に尽くす姿に感銘を受けるとともに、世の中のことをよく知り、先見性のある判断をしていたことに驚きましたね。 特に、欧米諸国の列強に立ち向かうには、中国(当時の清)や朝鮮とは争そうのではなく、協調すべきと、当時から考えていたことには感心しました、、、 残念がら、結果的には日清戦争が勃発し、日本は戦勝国となったものの、三国干渉により中国領土の一部はロシア、フランス、イギリス、ドイツに奪われることになっちゃうんですよね… そこまでも予見したように思います。 あと印象に残ったのは「伊藤博文」のことを批判した言葉、、、 「政治家の秘訣は他に何もない。 ただた正心誠意の4文字。 伊藤さんはわずか4千万の人心を収攬することもできないのはもちろん、 いつも列国のために恥辱を受けて独立国の体面をさえ全うすることが出来ないとはいかにも歯がゆいではないか。 つまり伊藤さんはこの秘訣を知らないんだよ。」 現在の政治家にも聞かせてあげたいな。 幕末~明治中期までの歴史観が、自分の中で変化した一冊でした。
それから、つまり明治維新後の勝海舟の過ごし方に焦点をあてた、半藤ならではの書籍。幅広い調査に基づいて著されたことが分かる。 よく言われているように、ブラブラしていたらしいが、維新後は政治に深く関わらず、客観的な立場を貫いたのは、なかなかに大変だったんだろうと思う。そのようにして、いわゆる余生を暮らす...続きを読む、というのは難しい事業だったろう。
天下動乱のとき、人々が難を恐れ策に窮して誰もその護に当たろうとしないとき、勝は百難を恐れずに身を挺したのである。もちろん旧幕府の首相兼外相兼陸相として、西軍側と交渉しなければならない立場におかれたゆえといえば、それまでではあるが、決して逃げようとはしなかった。しかもその首尾一貫してとった方策が西欧列...続きを読む強の代理戦争としての内戦を避けることで、それを押し通したことは見事であった。(p.322) 好みが分かれて掴みにくい人物であるけどやはり凄い人だ。維新以後の勝海舟のことが分かる良書。
明治維新後の勝海舟の姿を知る事ができる1冊です。政府の要職につかず徳川慶喜の名誉回復に駆け回りながらも、奥さんからは墓を一緒にするなと言われる姿。薩長史観の逆から海舟を通して明治初期を知る事ができます
江戸城開城から、あんまり有名じゃないと思われるその後の勝海舟の話。 勝海舟について僕が知らない時代のことを書いているので買って、実際読んでみて「なるほどそんなことあったんだ」と。 完全に「勝びいき」の本だけど、そこまで嫌味には感じなくて、親愛の気持ちで書かれている感じなので、勝海舟に興味があれば...続きを読むおもしろい本だと思う。
「それから」とは江戸城無血開城。維新後も旧幕臣のため、陰に日に働いた海舟の後半生を描いた評伝です。 裏で働きかけるといっても、海舟のそれは黒幕というような後ろ暗いイメージではないような。「たくさんの人と日頃から仲良くするのがお仕事」という、まさしく私の憧れるところのフィクサー。 福沢諭吉等には...続きを読む後々批判もされたようなんですけど、そういえば私の知ってるあるいは尊敬している人たちはみんな海舟派だなあ。 ところで作者の半藤一利って方、私は「昭和史」を書いた人としか知らなくて、すごくすごく偉い人だと思っていたんですけど(いや、もちろんとても偉い作家さんなんですけど)この本を読んだ感じでは、海舟を贔屓に引き倒しな、お調子者のおじさんでした(笑) 時間がとれなくてなかなか読み終われなかったけれども楽しい本でした。
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それからの海舟
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半藤一利
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