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少女時代を過ごした北京、リトグラフを学んだベルリンの生活、猫との不思議なふれあいや花に寄せるひそかな想い。生きるものすべてをみつめる暖かい目と、ひとそよぎの風にも自分の存在を確かめるするどい知覚力で、著者の生いたちと日常をオムニバス風につづる。直感し、認識し、理解し、愛され愛そうとするひとりの女性のすぐれた資質がみごとに表現されている。奔放なタッチで読者の心を魅了する著者のはじめてのエッセイ集。
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Posted by ブクログ
読んでいると自分の周りが静寂に包まれる。 どこか悲しくて、寂しくて、懐かしくて、人間の深い部分を垣間見る、それでいて不快ではない不思議な良さがある。
これは。号泣しました。 生きることの不可解さや自分の中の不可解さから目をそらせずに、一生懸命毎日を過ごしているかたは、読んでみてください。 このエッセイが何かをじかに変えてくれるわけではないけれど、少なくとも、生きているということが文字になって、ここにあります。
自然に対する畏怖とか敬意がしっかりと感じられる。こういう風に感じるってすごく地に足がついている感じがする。ずっと手元に置きたいと感じる本。
そのままの私で、そのままの世界を生き、 そのままの言葉を紡ぐことが、 どうしてこんなにもむつかしく、 切なく、愛おしいものなのか。 様々な形で愛し、 愛されたかったひとりの少女がここにいる。
鋭い視点で人間の醜い部分を突きつけながらも、それを否定するのではなくて愛おしく見つめるエッセイ集。自分で「こんなことは考えちゃいけない」と蓋をして考えないようにしていることも、ここでは露呈されるしそれが決して悪いことではないと思わせてくれる。ハッとする言葉、やり取りに驚きの連続。
大人になると、周りのことを自分なりに理解して、なんとなくそんなものだと思うことが多くなっていくんだと思う。そうしないと、自分の中で処理できないものが溢れてしまって、穏やかに過ごすことができない。でも、そのような感覚を大切にして、生きるためにはどうしたらいいのかなー。
ひとつのテーマでいつつからむっつほどのエッセイを、子供時代の思い出だったり大人になってからの思い出だったり家族の思い出だったりを織り交ぜながら、語ってゆくもの。べらぼうに面白いです。あっという間に読んでしまいました。
切なかったり、微笑ましく思ったり色んな感情になりながら気づいたら一気に読み終わってしまった。猫に関する話はほんの一部だけど読んだあとも重く心に残っている
幼き日の思い出や、猫のこと、自分自身が体験してきたことなどを独特な鋭い感覚と鮮やかな観察で描いている。 最初の章で「バラは騒がしい花である」と言い切ったその感性が非常に面白いと思う。 オムニバス形式のエッセイ。
借りものではない言葉でつむぐ彼女の世界は、無骨だが繊細に、鮮やかな色合いを持って、心を突き刺さしてくる。 高橋直子さんの解説にも魅入ってしまう。
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