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グレン・グールドの弾くバッハの「ゴルトベルク変奏曲」。『羊たちの沈黙』のレクター博士が聴いたのは、1981年盤だった!? 無類の読書家でもあるピアニストが、古今東西の純文学やミステリーに出てくる名曲を取り上げ、そこに隠された意味を読み解く。第25回講談社エッセイ賞受賞作。
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Posted by ブクログ
ピアノを弾くものとしての「あるある」が散りばめられたエッセイだった。ミスタッチを許さない日本人の話がすごく頷ける。私の大好きなル・サージュはミスタッチが比較的多いけど、音楽的なミスタッチだからいいんだよね。音楽的で音色が素晴らしいもの。ああなりたいけど、やっぱり、気にしちゃう。あとは、舞台に上がって...続きを読む、1つミスすると、これでもう完璧な演奏はできないのだからと、緊張が解けてリラックスできるってのも分かる気がした笑 文学と音楽を絡めたエッセイだけど、あまり文学の方は気にしませんでした。
芸術家の芸術家たる所以にいい意味で圧倒されました。 ピアニストが、私達?一般人の感覚とはいかにかけ離れれた世界感の中で生きていることか。 それは、あなたの隣に座っているピアニストの見ている景色が眼の前の街並ではなく、宇宙其の物という位の隔たりなのです。 異邦人を読むような、不可思議を味わいたい方は是...続きを読む非読んでみて下さい。
本に出てくるクラッシック(ちょっとジャズもあるけど)をピアニストの観点から読み説くエッセイ。 タイトルの「六本指のゴルドベルク」は、トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」のレクター博士のことから。 青柳氏は、音楽家である自分と、文筆家である自分が、常に両立してるだなぁって思って読んだ。 「もの書...続きを読むきピアニストはお尻が痛い」では、両者の間をいったりきたりしてる感じがあったんだけど、このエッセイは完全に混在している。 エッセイストとして、稀有な方なのだろうと感服いたしました。 にしても、タイトルで読みましたね、思われるものがちょいちょいあって、微笑ましいというか同病相哀れむというか…。 「大いなる聴衆」とか「ピアノ・ソナタ」とか、まぁ本の中にでてくる音楽のエッセイなんだから、音楽がでてこないと話にはならないんだろうけど、それでもやっぱり多い気がする。も、これは職業病かもしれんね。字が並んでても音楽関係の文字だけが、太文字になってるみたいに目にはいってくる。そんな感じかもしれない。 あと、青柳氏のお人柄が…。 生真面目で、素直で、前向きで、ってまぁそれだけなんてことはないのだろうけど、マイナスを表に出さない上品さが素敵だなと思います。 うん、知的で上品、上質。そんなエッセイ。
もともとミステリはあまり読まないので、しらない作品ばかりだったけれど、音楽家が登場する小説、音楽が重要なキーとなる小説って意外とあるものなのだとおもった。 クラシックとジャズの違い、ピアニストでもある著者のようなその道の人が読むとよくわかる音楽家気質のことなど、発見が多かった。こどもを音楽の道に進め...続きを読むたいなんて気軽に思っちゃいけない気がした。
青柳いづみこ(1950年~)氏は、東京芸大音楽学部卒、国立マルセイユ音楽院卒(首席卒業)、東京芸大大学院博士課程修了のピアニスト。安川加壽子、ピエール・バルビゼに師事。文化庁芸術祭賞受賞。大阪音楽大学教授。エッセイストとしても活躍し、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞(2001年)、『六本...続きを読む指のゴルトベルグ』で講談社エッセイ賞(2009年)を受賞。 私は、ノンフィクションやエッセイを好んで読み、今般、過去に評判になった本で未読のもの(各種のノンフィクション賞やエッセイ賞の受賞作を含む)を、新古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。 本書は、岩波書店の月刊PR誌「図書」(2006年7月号~2008年11月号)に連載された、古今東西の純文学やミステリーの中から、音楽や音楽家を扱った作品を取り上げ、音楽との関わりを主軸に読み解いたエッセイ29篇(+1篇)をまとめて、全体を加筆したもので、2009年に出版、2012年に文庫化された。 本書で取り上げられた文学作品は、トマス・ハリス『羊たちの沈黙』、村上春樹『海辺のカフカ』、ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』、アンドレ・ジッド『田園交響楽』、ジョン・フランクリン・バーディン『悪魔に食われろ青尾蠅』、永井するみ『大いなる聴衆』、中山可穂『ケッヘル』、S・J・ローザン『ピアノ・ソナタ』、アンジェラ・カーター『血染めの部屋』等であるが、ノンフィクション中心の読書をする私としては、登場する文学作品をほとんど知らず、また、音楽もポピュラー音楽以外は殆ど聞かないため、出てくるクラシック音楽がわからず、残念ながら、最初の5篇を読んだところで、ページをめくる手が止まってしまった。 裏を返せば、著者は、あと書きで、「描かれる音楽作品も演奏家も真に迫っていて、音楽畑の人間が読んでも違和感がないどころか、かえって自分たちの世界の問題を再認識され(ママ)、教えられることが多々である。せっかくこれだけ的確にとらえているのだから、その“ツボにはまった感”を、音楽人以外の方々にも是非味わっていただきたいと思ったのである。」と書いているくらいなので、登場する作品を知っている向きには、さぞかし味わい深いエッセイなのだろうとは思う。 (2022年12月)
小説に出てくる音楽エピソード(ピアノ中心)についてのエッセイ。 読書案内としても楽しいし、音楽案内としても楽しくて、お得な一冊ですね。 ただ、よく知らない人が読んだら、ピアノ弾きはみんな変人に見えてしまうかもしれないので要注意です。(^^; ま、ホントに変人ばかりなのかもしれませんけどね。(^^;
まさかエルロイがでてくるとは思わなかった。クラシックっつうと刑事や探偵というよりスパイな気もするけど、やっぱり古典か純文学のがしっくりする。「ピアニスト」はやっぱり原作よんどいたほうがいい気がしてきた(今更)。あとは「田園交響楽」と「ある人生の音楽」あたりが読みたくなった。
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六本指のゴルトベルク
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