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Posted by ブクログ
人工子宮の使用が当たり前になった世の中で、あえて自らの身体で妊娠・出産を経験しようという妊婦たちが集められたバルーン・タウンを舞台にした連作ミステリ。妊婦ならではの着眼点やトリック満載の作品です。
妊婦たちが平和に日常を送るバルーン・タウンだけれど、人間の営みの中で必ず事件は起こるもの(笑)。幸いにしてそれほどに物騒で凄惨な事件は起こらないものの、社会への痛烈な皮肉なんかもあって、軽くはない読み心地です。
お気に入りは「バルーン・タウンの密室」。ほぼ密室で起こった知事襲撃事件、犯人の出入り可能な空間はあったものの、容疑者たちはサイズ的に誰も通ることができなかった、というシンプルなようで難解な謎です。でも明かされると目からウロコといった心境でした。これはなかなか気づけませんよ。
「なぜ助産婦に頼まなかったのか?」も、なかなか気づけないポイントだなあ。自然にこういう要素を謎に絡めてくるのが本当に見事です。そして「亀腹同盟」のシャーロック・ホームズネタの連打にも大笑いでした。個々の有名作品のネタは明かされているけれど、これを読もうという人ならほぼ知っていますよね?
Posted by ブクログ
素行不良の《妊婦探偵》が活躍する、シュールな笑いにあふれたSFテイストのミステリ。
舞台は、東京都第七特別区。人呼んで「バルーンタウン」。そこは、「人工子宮(AU)全盛の世の中で、妊娠・出産という過程をへて子供を持つことをあえて選んだ女たちが、天然記念物なみの保護をうけて暮らす」妊婦の町である。そのちいさな、しかしかなり特殊な町で発生するさまざまな事件を、「妊婦のことは妊婦にきけ」とばかりに、見事な「亀腹」をもつ《妊婦探偵》暮林美央が鮮やかに解決する連作もの。
この妊婦探偵、厳密にいえばちがうのだろうが、分類としては《安楽椅子探偵》に入るのだろう。じっさい、電話口から示唆するだけのものもあるからだ(『バルーン・タウンの裏窓』)。「妊婦は透明人間なの。お腹以外は」などなど、全編をとおして名言(迷言)にもことかかない。
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小説・文芸
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