ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが……。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。 (講談社文庫)
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
薬丸岳さん、やはり読ませる。重くて、苦しくなるのだけれど、やめられない。通り魔的犯罪の小説なのだが、背景が描かれている。 人の心の弱さと強さ。憎しみ、優しさ、愛。人に危害を加える時、その心の奥にあるものとは、いったい。 刑法39心身喪失者は罰せず。罪に問われない加害者と被害者の心。重い内容なのだが...続きを読む、彼の小説には、愛だとか、人を思う気持ちだとか、あたたかいものが、いつもあると思う。
通り魔事件が起き、娘の命は奪われた。 しかし、犯人は精神障害で心神喪失と認められ、罪には問われなかった。 その後、三上孝一は妻と離婚し、無力感に苛まれながら数年を過ごす。 だがある日、元妻は再び娘の命を奪った犯人を目撃する。 三上たちは、その男に近付いていく。 通り魔事件の加害者は心身喪失で無罪...続きを読むとなったことに強い違和感を覚えた。 人を殺したのに何の罪にも問われないことは、本当に正しいことなのか。 悪いことをすれば罰せられる。 それは犯罪者を更生させるため、悪事を働かせないための抑止力の機能をするものだが、被害者のための償いという側面もあるはずだ。 そのため、被害者は自分の大切な存在を失ったのに、加害者は何の責任にも問われないのは到底受け入れられるものではない。 「被害者がいれば必ず加害者がいるはずだ。 誰が悪くてこんな悲劇が引き起こされてしまったというのだ。」 この言葉が印象に残った。 刑法第39条 ① 心神喪失者の行為は、罰しない。 ② 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。 まさにこの条文が本書のテーマである。 心身喪失者は自分の意志で犯罪を犯したわけではないから、罰することに意味がないことは理解できる。 だが、被害者の立場からすると、どんな状態であったとしても責任を取ってほしいと願うはずである。 法律が守っているのは加害者の人権ばかりで、被害者の感情を軽視しているように感じる。 両者の気持ちを尊重できないことは分かっている。 しかし、被害者を蔑ろにする法律に疑問が残った。 自分の大切な存在を奪った加害者は罪に問われなかった。 加害者に対して罰を与えられないのであれば、憎しみが消えることはない。 理不尽な出来事を許すことができない感情が元妻をある行動へと突き動かす。 藤崎を殺して、刑法第39条の問題を世の中に訴えようとしたのだ。 自分の人生を犠牲にしてでも訴えたかった気持ちは理解できる。 しかし、どんな理由であっても殺人は許されない。 娘の命を奪った加害者と同じになる。 それでは、どうすれば立ち直れるのか。 加害者を無理に許す必要はないと思う。 一生、許さない気持ちを抱えたままでもいいと思う。 許さないけど、その気持ちを抱えたまま前向きになれるように努力すればいい。 同じような境遇の人と話し合ったり、自分の思いを発信したりする中で、自分の気持ちを整理して前向きになればいい。 「立ち直る」とは許さない気持ちがなくなることではない。 許さない気持ちを抱えながらも、前向きに生きようとする姿勢なのだと本書を読んで強く感じた。
心神喪失での殺人をテーマにした作品 罪を犯した人への対応やフォローはもちろん考え、整備されていると思う。でも殺された被害者家族の気持ちのぶつける先やそのフォローって考えられているんだろうか まさかのラストの展開も驚きで引き込まれた!
あぁ、やっぱり薬丸岳さんの作品だなぁーという感じ。被害者、加害者どちらの思いも伝わるだけに切なくなる。
読み進めるのが辛い本でした。 しかしながらページを捲る手が止まらなかった… 虚しい夢…信じたくない夢のことでしょう。 物語は通り魔殺人が起きる雪の公園から始まる。21歳の若者の刃で、12人もが殺傷…愛する3歳の娘がナイフで殺され、妻も背中を刺されたが瀕死で何とか生き延びるが精神が崩壊してしまい統合...続きを読む失調症で今も苦しんでいる…その夫(父親)が主人公だ。 犯人はなんと罰せられなかった…刑法第39条に『心神喪失の者は罪に問われない(中略)』とあり、精神鑑定の結果、犯行時に心神喪失だったことが認められ不起訴となる。 何も罪ない愛すべき幼い娘を突然奪われた絶望感と喪失感は計り知れない。 罪に問われることなく、犯人は精神病院に入って治療を受け、数年後に退院する…偶然に繁華街で我が娘を殺した犯人を見つけ、ポケットに忍ばせたナイフで刺し殺したい。…自分の人生を投げ捨てても、何の罪もない娘の命を奪った男をこの手で八つ裂きにしてやりたい。…そう思うが、決断がつかず逡巡する父親の心情描写がものすごく辛かった… 先日、塾の帰りにマクドナルドで15歳の少女の尊い命が、突然見知らぬ男の刃で奪われてしまいました…許しがたい話です。現実にこの小説のように犯人が裁かれなかったら…もしこの少女の父親が自分だったら…と思うと、ここに書けないことをしそうな自分がいる… 薬丸岳さんの小説には、じんわりと沁みてきて言葉を失うような重さがある。他の作品でもそうだが被害者が生まれたら、そこには加害者(犯人)がいる。犯人の背景や人生にも触れ、犯人の家族の苦悩や、犯人自体が心底の極悪人でなく罪を償おうともがいていたりするので、余計に重いのだ…
愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は「心神喪失」にて罪に問われなかった 刑法第39条について扱った作品 凄いお話しだった 重い話なので前半はなかなか読み進められなかったが後半は一気読み 被害者、加害者両側の視点から描かれていて色々考えさせられた
刑法39条“心神喪失者の行為は罰しない” 犯罪を犯した精神障害者の責任能力の有無について真っ向から問題提議をする社会派ミステリー。 『幼い娘を心神喪失者に命を奪われた。犯人は刑法39条により罪に問われなかった』 刑法39条の違和感や理不尽さを被害者家族を通して表現しているだけでなく、犯人の精神疾...続きを読む患の問題の複雑さにも触れており、法律や精神鑑定のあり方についてとても考えさせられた。そして終盤に明かされる驚きの真実。心が揺さぶられた。 読者に投げかける問題は深く結論は出ない。
刑法39条、心神喪失者の行為は罰しない。自分の娘を殺されたにも関わらず、法律により裁かれることなく社会に出てきた犯人を追いかける夫婦の話。最後の奥さんの手紙の内容にはビックリした。確かに、心神喪失であるという状態を判断するのは非常に難しい事ではないか、と思う。この世の中にはやり切れない思いを抱えてい...続きを読むるひとがいるのだな、と思った。苦しい場面も多いが、薬丸さんの文章は本当に読みやすく、考えさせられる内容が多い。
薬丸岳さんらしく病んでいて好き。 だが、なぜ藤崎は統合失調症になったのだろう… そこの原因が知りたかった。
実際に類似の事件が起こる度に同じ様な疑問を持ち、悩まされる。刑法三十九条の適用…罪に問えるか問えないか、その判断は正しいのか。 この作品もスピード感があり一気に読めた。特にラストの展開にはかなり引き込まれた。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
虚夢
新刊情報をお知らせします。
薬丸岳
フォロー機能について
「講談社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
ハードラック
天使のナイフ 新装版
籠の中のふたり 【無料お試し版】
悪党
アノニマス・コール
Aではない君と
籠の中のふたり 【電子書籍版特典付き】
神の子(上)
「薬丸岳」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲虚夢 ページトップヘ