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日本古代史はこんなに変わっていた!! 古代史最大のミステリー・邪馬台国が、霧の中から姿を現す――!? 古都に「卑弥呼の陵墓」を訪ね、吉備・出雲で墳丘墓を間近に見る。九州で「弥生人の声」に耳を傾け、上毛野では「軍馬の足音」を聞く。さらに、聖徳太子と大化改新の謎を追い、まさに東奔西走、南船北馬。ノンフィクション作家による考古学の最前線ルポ!
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Posted by ブクログ
著者が各地に足を運んで研究者に話を聞くという手法で書かれている。内容は邪馬台国から飛鳥時代まで。 わかりやすく書かれていて古代史について素人の自分でも楽しめる本。
一般的に考古学者は出てきた遺物でしか語れないことは、一切語らない。小説家がよくするように、歴史的事実に自分の意見というか想像的な意見を付け加えない。だから多くの古代の本はいまひとつ面白くない。これはジャーナリストの書いた古代史レポートである。さすがなところは、その頭の固い学者から「自分の意見」をいく...続きを読むつも拾い出しているところである。
前半は邪馬台国所在地論争がテーマ。考古学的成果を基にしている姿勢には信頼感が持てるし、最新の情報をわかりやすくまとめていることもありがたい。 倭国大乱の前後で、中国鏡の分布域が北部九州中心から畿内中心に変わったこと、弥生後期には気候が寒冷化し、農具や工具としての鉄の重要性が増したため、朝鮮半島との...続きを読む交易のパイプを太くするために、より強力な権力者が生まれたこと、鉄資源の争奪が起きたことが弥生時代を終わらせ、古墳時代を到来させたこと、などは歴史の動きが伝わってくる内容だった。 後半は日本書紀がテーマ。大山誠一氏の仮説を紹介しているような内容になっている。文章の分析から巻が3区分されること、実在の天皇の範囲について4つの説があること、聖徳太子捏造説、蘇我氏天皇説、大化改新の黒幕説などもあり、あくまで日本書紀が天武天皇の時代に編纂されたもので、編纂者の思惑によってつくりあげられている可能性が説明されており、興味深かった。 ・箸墓古墳の周豪や内堤から出土している布留0式土器の年代は270〜280年(橋本輝彦)。AMSによる炭素14年代測定法の結果、3世紀半ばと判明(国立歴史民俗博物館)。 ・黒塚古墳から発見された三角縁神獣鏡は、倭国内でつくられた葬送用とみる意見が多い。 ・倭国大乱の前後で、中国鏡の分布域が北部九州中心から畿内中心に変わった(白石太一郎)。 ・弥生後期には気候が寒冷化し、農具や工具としての鉄の重要性が増したため、より強力な権力者に外交・軍事を任せ、朝鮮半島との交易のパイプを太くした。鉄資源の争奪が起きたことが弥生時代を終わらせ、古墳時代を到来させた(松木武彦)。 ・明日香にある見瀬丸山古墳の被葬者は蘇我稲目とその娘と伝えられる。梅山古墳は欽明陵。 上毛野 ・古墳時代前期に濃尾平野を中心に中部・関東を含む狗奴国連合が形成され、それが3世紀半ば過ぎに西日本の邪馬台国連合と合体した(白石太一郎) ・日本書紀には、ヤマト王権の中で上毛野氏が主に外交と軍事にかかわったことが記されている。 ・三ッ寺I遺跡からは、最新調理施設のカマドなど、朝鮮半島系の遺物が多く発見された。 ・伊那とともに、上毛野は馬をヤマトに送りだす一大基地だった。 ・6世紀の榛名山の2回目の噴火によって、保渡田古墳群の系列が途絶えた後、7世紀に前橋市の総社古墳群が優勢となる。 ・藤原鎌足の妻(不比等の母)は、保渡田古墳群の車持氏の出身。
第1章 箸墓古墳は卑弥呼の墓なのか 第2章 卑弥呼から始まる?ヤマト政権 第3章 邪馬台国のルーツ、吉備と出雲 第4章 「九州説」、三つの視点 第5章 『日本書紀』は揺れている 第6章 古代東国の中心地「上毛野」を行く 第7章 「聖徳太子はいなかった」説はホントなのか? 第8章 大化改新の「真相」は...続きを読む? 第9章 伊勢神宮はいつ誕生したのか? 従来の日本史しか知らない人は、卒倒しそうな内容ですが、 きちんとした取材に基づいています。ただし、著者の興味を 中心にしているかもしれません。
歴史も地理もさっぱりわからない自分にとっては、書いてあることの半分も理解できてないように思う。逆にどれがどう新説でも素直に受け入れられ、楽しく読ませてもらった。年譜やそれぞれの説の対照表などがあるともっと読みやすくなったと思う。「この次」があれば、一覧表をつけて欲しい。
本書から読み始めれば良かったかも。でも、まだ僕には難しすぎる・・・。炭素14年代測定法に期待。こういう手段が確立されないと。 様々な媒体に書いたものを集めたものだけに未整理感が少し出てくる。前半に出て来る蛇の神様と後半の蛇の神様をうまく結びつければもっと統一感が出たかもしれません。(読者に自明のこと...続きを読むを前提としているのかもしれないけど) と、マイナスっぽいことを書きましたが、大変良いガイド役となってくれました。ありがとうございます。
筆者の筆力が確かだから、上質のノンフィクションとして読める。歴史を語るときに、こんな形式があるってのはなんか新鮮だったなー。 欲を言えば、『妖怪と歩く』のときみたいに、もうちょっとセンチメンタルな描写があったらうれしかった。
手軽に古代史ロマンに浸りたくて読んでみた。 研究者へのインタビューを中心としたルポがメイン。筆者自身は歴史や考古学については門外漢ということで、独自の見解といったものはあまり述べられていない。そのため、内容が薄いという批判もあるようだが、事前知識のほとんどない僕にとってはこの薄さはちょうどよかった...続きを読む。 おなじみの邪馬台国はどこにあったのかという議論や、纒向遺跡と卑弥呼の墓と目される箸墓古墳の話、群馬が古代東日本の中心だった説など、魅惑的な薀蓄をいくつも仕入れられる。 本の後半は、聖徳太子は実在しなかった説や、大化改新の新解釈、そして伊勢神宮の起源についての考察など、これって異端の説なんじゃないの?と言いたくなる話が次々と。やはり分かってることが少ないからこそ、想像を巡らせる余地があるという点が古代史の魅力と感じた。
文字通り、日本古代史を綴った一冊。 邪馬台国の場所、聖徳太子の存在など、現代でも定まってないことが多く含まれてるので、著者の主観によるところが大きいのは仕方ないところか? 古代史の最新事情をざっと知るには都合が良いと感じた。
文字を持たなかった、日本古代史の研究状況をルポ形式でまとめたもの。勉強にはなりますが、地元志向の研究が多いためどうも地元びいきとしか思えない研究成果があるような気がします。
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