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「秋川瑠璃は自殺じゃない。そのことを柚木草平に調べさせろ」月刊EYES編集部の小高直海が受けた一本の電話。その事件とは、女子中学生が三軒茶屋の雑居ビルから飛降りたものだった。街を歩けば芸能スカウトが群がるような、人も羨む絶世の美少女は、なぜ場末の雑居ビルの屋上へ向かったのか? 柚木草平は鋭い推理を巡らせる。柚木を事件調査へと導く“野良猫”の存在。そして亡くなった少女の母親、彼女の通っていた原宿のアクセサリーショップの経営者……柚木が訪ねる事件関係者は美女ばかり。“永遠の38歳”の青春を描く長編ミステリ。
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柚木草平シリーズ。長編作。
相変わらず美女ばっかり出てくるけど、それはこのシリーズのお約束ということで。ちょいちょい美女との会話に浮かれて話が脱線してしまう柚木だが、私はその柚木の軽口がテンポ良くて、味もあって好き。ミステリとしてもちろん面白いけど、このシリーズはこの会話の掛け合いがあってこそ、とつくづく思う。
そして今回、出てくる美女たちがそれぞれ結構なえげつなさで、結末はなかなかのハードなものに。柚木さんじゃないけど、久々に読みながら犯人に対し本気で怒りを覚えずにはいられなかった。事の真相を知れば余計に怒りがフツフツと。後味の悪い事件だったけど、それがヤサグレ中年男の柚木には妙に合うのかな。
長編作としては前作よりも間が空いたようだけど、需要は十二分にあると思うのでぜひぜひ書き続けていただきたい。
Posted by ブクログ
中学生が自殺する。そして「自殺ではない。柚木に調べさせろ」という電話が編集部にかかってくる。
前の「誰も私を愛さない」もそうだったけど、大人の事情というか欲望というか、勝手に振り回される子供の悲劇なんだろう。冒頭の柚木と娘のやり取りが、普通ではないはずなのに、読み終わったとたん、普通に平和に思い出されて泣けた。
どれだけ体が大きくなり、生意気な口をきくようになっていても、子供は子供で、無力なのだ。
大人が、その無力さを守ってやれないなんて。
とはいえ、柚木もまた無力なのである。
が、それは子供のそれとは別の、多分狡猾さといえるものなのだろう。
大人が、あえて目を閉ざすそれから目がそらせないから、柚木は酒を飲むんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
2冊目の柚木草平。
相変わらずののらりくらりとしたキザな会話、登場人物は癖のある美女ばかり。それも、みんなどこか歪んだ人ばかりで辟易します。
柚木の推理、というか物語の展開が強引だと思う。違和感を感じるのはわかる。でも、思いつきとか勘だとか、○○は不自然だろう?→○○はありえない、という決めつけとか、それで展開する物語は、ミステリーじゃないよね。まあ、ハードボイルドだからそれでもいいのかもしれないけれど、本で読むよりドラマで見る方が自然ではないかと思う。
それでも、普段テキトーな柚木が、真剣に心を傾けることもあるんだというのが意外であると同時に、納得させられる。そして、そこに引き込まれる。
それにしても、出てくる子供たちがあまりにも哀れで救われない。
Posted by ブクログ
少女たちの強い絆が柚木に深い悲しみを背負わせる。
ひっそりと身を投げた少女に何があったのか?永遠の38歳を描く、シリーズ最高傑作。
柚木草平シリーズの新作待望の文庫化です。前作から12年ぶりの長編だそうです。(刺青白書は番外編という扱い)
作品の時間軸としては、前作、「誰もわたしを愛さない」から数カ月となっていますが、12年の歳月を感じさせる事のない、いつもの世界となっています。冒頭の娘の加奈子との会話には、思わずクスリとさせられてしまいますし、オールスター総出演は嬉しいものです。(無理なく登場しているのが良い)
総じて、このシリーズ。ミステリー色が薄いのですが、本作では、何重にもひねりが加えられています。(本質的には、柚木草平のいいかげんさを楽しむ小説だと思います。)爽快感を得られる結末ではありませんが、柚木らしくて良いのではないでしょうか。
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