黒いスイス

黒いスイス

小説・文芸
748円 (税込)

3pt

永世中立国で世界有数の治安のよさ。米国などを抜き、常に「住んでみたい国」の上位に名を連ねる国、スイス。しかしその実態は――。「優生学」的立場からロマ族を抹殺しようと画策、映画“サウンド・オブ・ミュージック”とは裏腹にユダヤ難民をナチスに渡していた過去、永世中立の名の下に核配備計画が進行、“銀行の国”でまかり通るためのマネーロンダリング……。独自の視点と取材で次々驚くべき真相を明かす。

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黒いスイス のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    観光立国として日本で考えられているスイスがそうではないことがわかる本である。マネーロンダリングについては日本でも報道されているが、ロマの子どもを親から引き離して里子に出したり、ユダヤ人のパスポートにJのマークを印刷させたり、核爆弾開発研究を行ったり、移民排斥党の台頭についての報道はなされていないので、この本は貴重である。

    0
    2025年12月15日

    Posted by ブクログ

    [裏側、覗いてみました]民主主義が根付いており、生活は満ち足りており自然も豊か......。日本人が一般的に有しているであろうそんなスイスのイメージをひっくり返すようなスイスの裏の一面を描いた作品。歴史から経済に至るまでの知られざるスイスの側面を垣間見せてくれます。著者は、赴任が決まるまではスイスに関する知識は皆無に等しかったと語る福原直樹。


    「黒い」と題されてしまうとなんともゴシップ感が漂ってしまうのですが、スイスが抱える過去の、そして現在の問題が丁寧に記述されており、スイスという国を考える上での良い材料を提供してくれているように思います。ヨーロッパの中でも独特の位置を占めるスイスについてちょっと違った角度からの情報を仕入れたいと考えている方にオススメできる一冊です。


    また、本書からはスイスという国が持つしたたかさ、そして(おそらくはスイスに限らず他の国にも見られるであろう)国家の暴力性というものが読み取れました。そしてこういう本を書かせるまでの「黒さ」をもってしてもなお、その著者に下記のとおり言わせることのできるスイスの懐の深さも感じることができ、興味本位で本書を手に取りましたが有意義な読書体験をすることができました。

    〜一度心をゆるせば、その付き合いが、一生に及ぶことも少なくない。そんな彼らの国で、なぜこのような不幸な出来事がおき続けたのか……。それを理解しようとしたのが、この本でもある。〜

    行ってみたい国の1つです☆5つ

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    2015年05月04日

    Posted by ブクログ

    観光名所、永世中立国としてのクリーンなイメージが強いスイスの裏の姿を記者としての観点から、麻薬、ナチス・ドイツ、核疑惑など色々な社会問題や歴史的な課題をテーマ毎に解説しています。一度でもスイスに行った事ある方なら「なるほど、そういうことだったのか!」と思える話が少なくないと思いますよ。これから旅行する予定がある方や漠然とスイス全般に興味ある方は必読です。

    0
    2011年11月13日

    Posted by ブクログ

    スイスの黒い歴史がわかる本です。
    ハイジがいなさそう・・・。
    スイスのイメージががらりと変わりました。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    日本では全然知られていない話が多く、他国へのイメージはスイスに限らず表面的なものでしかないのかもしれない。
    永世中立は理想的な外交姿勢と捉えられることも多いが、実態はナチスの件のように人道よりも自国の利益を優先するなど、賞賛できない面もあることかわかった。

    この本の発行からすてに20年以上が経過している為、現在の状況は当時と大きく違うのかもしれないので、マネーロンダリングなどの状況が改善されていることを期待する。

    0
    2025年09月02日

    Posted by ブクログ

    ナチスドイツとの関係。スイスはナチスドイツに武器を輸出していた。ナチスドイツの共犯者だと批判されている。ナチスドイツがオーストリアを併合し、オーストリアのユダヤ人がスイスに大量移住。スイス政府は国境でユダヤ人を識別し、ユダヤ人の旅券にJ(Jude)のスタンプを押して追い返した。

    ロマ族。スイス政府が支援する公共団体は1926年から1972年の間、ロマ族の子どもたちを誘拐し、強制的に施設に入れた。施設では子どもたちへの暴行も。ロマ族は怠惰で知恵遅れ、学校の勉強には付いていけない、喧嘩ばかり、監視しないと浮浪者になってしまう、と団体のスイス人は考えていた。

    米テキサスで1987年に設立されたネオナチ組織「ハンマースキン」。スイスには欧州初の支部が置かれた。白人優位。外国人排斥。

    ある町では、1997年、外国人にスイス国籍を与えるか否か、住民投票を行って決めた。外国人の写真や経歴が掲載されたパンフレットを配って住民が投票。結果、写真で見て”外国人顔”の東欧人やトルコ人は国籍付与が拒否された。

    *******

    ※ドイツ語64%、フランス語19%、イタリア語8%
    ※カトリック46%、プロテスタント40%

    0
    2024年12月21日

    Posted by ブクログ

    一般的なスイスのイメージがいかに表面的なものかがよく分かった。
    スイスに限らず、他の国の歴史についても学んでいきたいと思った。

    0
    2021年10月15日

    Posted by ブクログ

     永世中立国と名高いスイスの暗い側面に目を当てた本。
     以前タックスヘイブンについて書かれた本を読んだこともあり、スイスが色々と問題を抱えていることは知っていたが、政府主導で核兵器の開発が行われていた事や、国籍を取得を希望する人物を国民が決定する(本書においてはトルコ人や黒人は却下されている)という事までは知らなかった。これまでに幾多の困難を乗り越えてきた結果が、本書で書かれているような他民族に排他的な国民性となったのだろうか。

     言うまでもないことだが、本書で書かれている事のみでスイス人の人々の事を見てはいけない。事実は事実で受け止め、その人個人の事を見つめていくようにしていかなくてはいけない。そしてそれは、かつて選民思想に取り憑かれてしまい、惨劇に加担してしまった戦時中のスイス人から反面教師として学べることだと思う。


    自分用キーワード
    ロマ族(かつてスイス政府に不当な理由で子ども達が誘拐された。成人後も稼いだお金を勝手に徴収する、婚約を破談にしようとするといったことをしていた) 「J」スタンプ(ユダヤ人をスイスから締めだすために、政府がナチスに提案した施策) モーリス・バボー(ヒトラー暗殺を試みた人物) ポール・グリューニンガー(ユダヤ人の密航を手助けした人物) 国籍取得(非白人は冷遇される傾向にある) 相互監視社会(本屋において個人情報満載の本が売られており、スイスの政策を批判した筆者の友人(フランス人)は糾弾された) ネオナチ ハンマースキン(酒とドラッグを慎み、白人の世界にしようとする若者中心の組織) ダニエル・シュバイツァー『スキンオアダイ』(ネオナチ思想に溺れる若者に焦点を当てた映画) ヘロイン(重度のヘロイン中毒者に対し、少量のヘロインと副作用の弱い薬物を国が与えることで、薬物の流通を防ごうとしている) クリストフ・ブロッハー(政治家。自民族中心主義者の傾向あり)  

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    2013年09月08日

    Posted by ブクログ

    スイスの実態について知らないことが書かれており、私にとっては有益であった。

    スイスも自国を防衛するために戦略的に戦っているのだと実感した。

    0
    2011年12月08日

    Posted by ブクログ

    ▼中立国でいることは、どこの国に対しても良い顔をしていることではない。中立政策とは、強靭なバランス感覚をもって国際社会の中を生き抜こうとする努力のことである。
    ▼その中には、私たちの社会常識に照らし合わせれば、限りなくグレーであるものも少なくない。それらは、歴史として振り返った時、「黒」だと判断されることもあるだろう。
    ▼果たして「中立」とは、どのようにして作られていくのか――その様なことを考えながら読んだ一冊。

    0
    2011年11月23日

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