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Posted by ブクログ
2013.2記。
仕事に限らず、困難にぶつかったときに動じないための「平常心」を持っていたい、持ちたい、とは私も普通に考える。そして、私にとっては、平常心とは「過去に厳しい局面を乗り越えた」という経験の蓄積から得られるもの、言い換えれば「経験に裏付けられた静かな自信」とでもいうべきものである。
しかし、仏教思想を基礎とする著者の主張によれば、まさしく様々な経験の「記憶」こそが「過去の快楽の再生」や「過去の不快さの追放」を望む(が、しかし得られない)という心の波風、すなわち「執着」の原因となるのであり、平常心とはむしろ過去の記憶・経験からなるべく距離を置く、という姿勢のことのようなのだ。
「(人生を通じて)蓄積される膨大な記憶こそが、仏教で教える『業(カルマ)』そのもの」(P.118)との一文は印象的だった。
最近著者の名前をあちこちで見かけるが、実践的な「呼吸法」等を通じて時折自分を相対化して眺めることを穏やかに薦める、という本書のメッセージは総じて大変参考になるものであった。
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