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堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。何か物足りない思いを抱えたまま日々を過ごしていた彼女は、ある日、自室のクローゼットで、前の住人が置き忘れたと思しきノートを見つける。そのノートが開かれたとき、香恵の平凡な日常は大きく変わり始めるのだった。──小さな偶然が導く運命的な出会い。憧れと共感。読み終えた後も温かい余韻がいつまでも醒めない、極上の感動作。
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Posted by ブクログ
恋愛ものの小説であり、この著者にとっては新ジャンルだな~と読み進めていましたが、最初の方でなんとなく今後の展開が読めてしまいます。 でも、そんなことは関係なく、ストーリーにぐいぐい引き込まれていきます。 小学校の女性教師である伊吹先生・・・ 伊吹先生が、本当にそばにいるかのように錯覚してしまうのは...続きを読む、私だけではないでしょう。 ラストで、ある作品展があるのですが・・・ そこでの出来事は、何回読んでも涙が溢れ出てきます。 本当に暖かい、やさしい気持ちになれる珠玉の小説だと思います。
すっごい引き込まれる小説で、あっという間に読み終わってしまった。 雫井さんの小説は「日常+ちょっとの現実っぽくない部分」って感じで、共感を重ねながら読むことができるし(読み進めやすい)、かつ「続きが気になる…!」っていう所が程よく出てくるからあっという間に読んでしまう。(語彙力) あとがきで、伊...続きを読む吹先生の日記の一部が作者のお姉様の実際の言葉であったことが分かって涙が止まらなくなった。 すごい生徒思いで素敵な先生だと思いながらも、どこかで「小説の中の話だから」と片付けていたからだと思う。 何かに全力で打ち込んでいる人って本当に美しい。 香恵の「寂しさにも寂しさなりの色をつけたい」って言葉が個人的にはとても好きだった(p397)。
星5にしたけど、共感や感情移入できない人にはそんなに刺さらないかも。 まず、伊吹先生は立派な人だ。比べて自分は教師として、理想を語っているものの、やっぱりそれに対する努力が全く足りていなかった。 あとは自分の気持ちについて。好きな人のことを考えないようにするのは難しい。きっとそれは今後も変わらない...続きを読むだろう。でも、そればかりになるのはやっぱり良くはないんだ。自分の余裕のなさを感じた。余裕のある人間になりたい。 それから全人類に向けて。 人間、感情で生きてるから、想いが変わったり移ろったり、冷めたりすることもある。しょうがない。 でもだからって、いい加減に付き合って言い訳じゃない。 「今自分が関わっているのは1人の人間で、その人の、1度きりの、今しかない瞬間に触れている。」そんな覚悟を持って欲しい。きっとこの考えは、世間一般のそれとはズレていて、ただの理想論なのかもしれない。 それでも、今隣に誰かがいるなら、よく考えてみてほしい。 『言葉と気持ちが等しい人間として、その人の前に立ってください』 追伸: 決していい加減な気持ちじゃなかったってことはよくわかってるよ。とっても大事にしてもらいました。 この本すごく面白いからオススメ。
全然買った記憶がないまま本棚にあった本。 つわりで死んでいるので、ようやく読む出番が来た。 1日で一気読みしました。 面白かったし、読み応えがある本でした。 色んな気づき、視点が好きだなぁーと。 最初の方から薄々ストーリーは分かってきたけど、 でも分かってても十分楽しめる本。 そして、最後の最後の...続きを読むオチ、思わず吹き出した。 主人公や周りの子たちの性格が手に取るようにわかる、 自分自身も本の中に入り込んでしまう一冊。
伊吹先生、いつも見守っていてくれたんだね。 私たちは悠久の時のたまたま同じ頃に生を受けて、それぞれの人生を送るうち、偶然に交差して、その瞬間、お互いの生を祝福し合えた。
主人公、香恵の恋愛、友情…大学生らしい心の揺れや浮き沈みがリアルで、あぁこんなだったなぁと楽しく読めた。 もう一人の中心人物の伊吹が小学校の先生だったけど…教師アレルギーの私が珍しく普通に読めたのはプライベートの鬱々とした感じが、抗アレルギー薬になったのも。 伊吹の詩を聞いた隆は…変わるのかな?変わ...続きを読むらないのかな?
中学生の時に初めてこの本に出会い、人生が大きく変わったなと思います。 万年筆を使ってみたくなる、マンドリンを弾いてみたくなる、学校の先生って素敵だなと思う。 なんどもなんども読み返した本。
アパートでみつけた前の住人の日記。想像力を駆り立てられる物語のスタート。万年筆の魅力。ほんわかとした主人公のキャラクターとミステリアスな憧れの彼。 ピュアな恋愛ストーリーに感動しました。
途中で結末?繋がり?に気付いてしまったけど、読み終わって満足。心暖まる物語だった。自分が保育士だからか、考えさせる部分もあったりして、楽しめた。 うわ‥嫌な感じの人だな、と思う人がいるから、一生懸命生きている人が素敵に映るのかな‥と感じた。
最初のページから香恵の話が始まるところは 一瞬、ん?となったが読み進めていくうちに納得。 タイトルから暗い悲しい話かと思ったが 最後はとても温かい気持ちになった。 最後の方で香恵が鹿島に言う言葉が個人的にはとても刺さってスッキリもした。 分量はしっかりめだけどどんどん読み進められる。
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雫井脩介
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