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三部作の前作「三四郎」で描かれた淡い恋愛は、この作で、より深刻な人間的苦悩にいろどられる。自然の情念に引きずられ、社会の掟に反いて友人の妻に恋慕をよせる主人公の苦しみは、明治四十年代の知識人の肖像でもある。三角関係の悲劇を通して漱石が追求したのは、分裂と破綻を約束された愛の運命というテーマだった。西洋化する近代日本文明への失望と封建的道徳の偽善の狭間で苦悩する自意識を描き鋭い文明批評ともなっている。明治42年作。(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年10月27日
清くまっとうに生きる人間のなんとつまらないことか!代助は親の言うがままに従えばいくらでも楽に生きる道はあったのに、激情に任せて自分の意思で茨の道を選んだ。この後悔と裏腹な大胆な感情の揺らぎこそ漱石文学の醍醐味だと思う。ニートだろうが金が無かろうが親に勘当されようが、人を好きになってしまったらもうしょ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月11日
「代助の言動はあまりに優柔不断で、やきもきした読者も多いのではないか」との考察をする感想を見かけたが、私は、やきもきはしなかったな、、、人とは、感性がずれているのか、はたまた寛大な心を持っているのか(笑)
全体主義的な風潮に対する批判として、個人の自由主義的な考えを表現したかったようだ。今も昔も、社...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月14日
明治末の「高等遊民」を主人公にした小説。夏目漱石の前期三部作の2作目。大きな筋は一種の恋愛小説であるが、社会との関係、友人との関係、家族との関係など、いろいろな要素が盛り込まれた小説となっている。
主人公と立場・状況は違うが、アンニュイな気分など、主人公の考えに共感できる部分も少なくなく、100年前...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月30日
夏目漱石作品に外れなし‼︎の私としてはうーん今回の話はいまいちかなーと思ったけど終わり方が想定外で吃驚。
そしてこの題名である。
鳥肌が立った。
ずーっと気になってたんです。
この題名の意味するところはなんだろうと。
まさかのまさかでした。
題名だけで星1つ分増えた。
そして『門』へ続く…...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月19日
漱石らしいとても歯切れのいい文体が気持ちよくて、主人公の代助の、現代で言えばニートな身分でありながらインテリで偉そうな思考回路がおかしくてところどころ笑いながら読みました。前半は。
後半は、代助がどんどん追いつめられていく様子がちょっと痛々しい。自業自得なんだけど。
どんなに頭がよくても感情(特に恋...続きを読む
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