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私はなぜ三〇年勤めたオリンパスを告発するに至ったのか? なぜ私が社長に選ばれたのか? 事件の真相はどこに? オリンパスの英国人元CEOが突然の解任までの全真相を激白!
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Posted by ブクログ
休暇を利用して一気に読みました。 とある監査の本で紹介されていたので、遅まきながら読んでみました(寄り道)。 ガバナンス・コードが策定された一因とでもいえるオリンパス事件。この「解任」後の状況はほとんど知らないけど、とにかくこれが日本の悪いところの集大成(もたれあい、事なかれ主義、秘密主義)だよね...続きを読むと非常に残念な気持ちになってしまう。曲がりなりにもガバナンスの一翼を担う監査という仕事をしているのだけど、この「ガバナンス」が世界でどう捉えられているか、ウッドフォード氏のこの開示からよく伝わってきます。 自分がこのような場面に直面したときに、彼のように行動することができるか。彼のように行動するのが仕事だと観念する。そうでなければなんでしょう。 「技術は一流ながら・・・(中略)・・・低級なガバナンスや二流の経営がはびこり、世界で戦うための力が失われているのです。」 最後、ウッドフォード氏を支援してきた、元オリンパス専務の宮田氏の稿にて、グッドナンバー2とグッドナンバー1について紹介されているけど、これもまた印象深い。腐る程いるグッドナンバー2を経営者に選んだときから、組織の衰退が始まる。両者を見分ける力も持ちたいもの。
『日本人はなぜサムライとイディオット(愚か者)がこうも簡単に分かれてしまうのか』本書の筆者であるマイケル・ウッドフォード氏が「オリンパス事件」のきっかけとなる記事を書いた記者に対して発した問いは重い。 「オリンパス事件」の主要人物として、己の会社を告発し、壮絶なプロキシー・ファイト(委任状争奪戦)を...続きを読む繰り広げたオリンパス元CEOであるマイケル・ウッドフォード氏による手記です。 僕はかつて、大学時代に唯一まじめに通っていたO教授の講義で、 「日本のことを理解する上で注意深く見る必要があるのは日本に住んでいる外国人が残したものだ」 という教えを受けたことがあり、それが時を越えて僕に日本人が「集合的無意識」の中にあるものがいったい何かということを、本書は教えてくれました。 筆者が言うとおり、その経歴は「生え抜き」の「サラリーマン社長」であり、ほかの日系大手企業の社長およびCEOとして迎えられた方とは一線を画すということも、そこから明らかになっておりました。しかし、請われてオリンパスのCEO担ってから2週間後、彼は自身の会社が、バブル期に「財テク」によって膨れ上がった損失を隠蔽するため、巧妙な手段を使って行われた「飛ばし」や「不明朗な企業買収」を繰り返し、粉飾決算を行なっていた実態を告発するにいたりました。 彼は長年のボランティア活動から母国である英国で「ナイト」の称号も授与しており、まさに「サムライ」と呼ぶのにふさわしい人間であると思われます。その彼と長年会社を牛耳っていた―のちに逮捕される菊川会長、さらには森副社長との壮絶な駆け引き。ここの描写は本当に緊迫感に満ち満ちており、経験した人間でしか書くことはできないであろうなと思われました。 そのハイライトは要領を得ない回答に業を煮やしたウッドフォード氏が森副社長(当時)に 「森さん、あなたは誰のために働いているんですか?」 とたずねたところ、彼はウッドフォード氏の目を見つめ返して、 「菊川さんです。私は菊川さんに忠誠を尽くしています」 という場面でした。僕はここに旧日本陸海軍に端を発し、現在に至るまでわれわれを苦しめ続けている「病理」があるのだと個人的にはそう確信しております。 そして、委任状をめぐる闘争や、メインバンクとの不毛なやり取りの末に、彼はCEO復帰を断念せざるを得ないという決断を下すにいたります。彼は現在、母国のイギリスにいるのだと思われますが、彼抜きで果たしてオリンパスは再建できるのか?また、彼は自分が半生をささげた会社をどのように見つめているのか?それが気になるところです。彼が行った記者会見はほぼすべてYoutube上にアップされておりますので、興味をもたれた方はそちらも参照されてみてはいかがでしょうか?
ぶれない信念のかっこよさ。 やっぱり組織はその長によって変わる。 雲の上のやりとりだけに、ぺーぺーはどうすればいいか、考えよう。
これは凄い。みんながこの方と同じ考えを持っていれば、と強く願わずにはいられません。自分も、自らの正義に従って信念を貫き通すことができるだろうか?深く考えさせられる一冊です。
元オリンパス社長マイケル・ウッドフォード氏のインタビューを見て、内部告発に至った経緯を自ら著した「解任」を今さら衝動買い。社長解任動議のあった取締役会直後から日本を離れるまでの描写など非常に生々しいものでした。菊川元会長などオリンパス重役たちの言動も、かなり冷静に分析されていて、それだけに何故彼ら...続きを読むがあの様な行動に出るのか理解できないという、当時の動揺や混乱が窺えます。 巻末に、ウッドフォード氏の協力者だったオリンパス元専務の宮本耕治氏が文章を寄せており、そこに書かれていたキーメッド社創業者レディホフ氏のウッドフォード氏を評した言葉がリーダー論として強く印象に残りました。 引用すると「企業は間違ったことをやらないこと、正しいことをやりとおせることが大切になる。グッドナンバー1とグッドナンバー2の差は、この点に関するスタンスの強靭さの差である。修羅場に臨んでも、絶対に揺るがない強靭な軸を持つこと、これが経営トップに求められる最大の資質だ」。ウッドフォード氏は20代でキーメッド社社長に大抜擢され、さらにその後、親会社のオリンパス社長となるわけですが、まさにここで言われたとおりの人物であることを証明し続けて、結果、会社から弾き出されてしまいました。どう考えても、おかしい話です。 このような高潔な人物を受け入れることが出来ないというのが、果たしてオリンパス一社だけだったのか、日本における組織というものの在り方自体に問題があるのではないか、と思うと気分が暗くなります。 個人的には、ウッドフォード氏の復帰を頑なに拒み続けた人たちの本音に興味があるんですが、こればっかりは当分は分からないんでしょうね。会社に対する間違った忠誠心と、とにかく臭いものに蓋をして次の経営陣に回してしまいたいという責任回避の気持ちはあっても、ウッドフォード氏個人に対する悪意はなかったんだろうと思うんですが…それだけに罪悪感もなかったんだろうなぁ…
入り込んで一気に読めた。 前職を「正しい事をしようとした」ために、退職に追い込まれた自分の経験と重なった。 「私は彼らが集団自殺に走るレミングのように思えました」という一文に共感。
オリンパス事件は、日本のガバナンスの歪みを象徴する事例であることがよく分かる。大株主が銀行など日本の大手企業である以上、ガバナンスなんていつまでも画餅のままなのではないかと思えてくる。最後の宮田氏が語るエピソードはなにより経営の本質を語っているように聞こえる。
ウッドフォードさんの人柄がよく出ている文章です。透明性を持ってことに当たる。アカウンタビリティを意識してことに当たるということを徹底していたのだと思います。文章も難解さがなく読みやすいです。
日本の特殊性をとても悪い方法で世界に示してしまったオリンパス。まだまだ謎な部分が多すぎるけどこれ以上公に真相が解明されることはあるのだろうか。これだけ大きな闇を抱えていながら、完全に自分たちの仲間ではないウッドフォード氏を社長に昇進させた菊川の考えは何だったんだろう。支払われた現金はどこへ?
オリンパス事件については、ほぼリアルタイムで触れていましたが、あらためて振り返ってみると本当にやりきれない事件であると感じます。このウッドフォード氏の回想を読むに、もう少し早い段階で不正の存在を認めていれば・・という思いを新たにいたしました。 印象深いところをいくつか。 「反対意見が無く、お互いを褒...続きを読むめ合い、同意し合うだけ。彼らが経営判断を誤った下地でしょう」 「日本のサラリーマンはロボットのように仕事ばかりしているわけではありません。」 FACTAの報道がきっかけになったとは言え、ウッドフォード氏の存在なくしてはこれほど早く不正が明らかになったとは思えません。日経新聞を始めとした既存大メディアへの不信感もちらりと出てきます。 「サムライと愚か者」と合わせ、一読をお勧めいたします。
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