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シリコンバレーの天才たちが希求する「1%のマイノリティだけの世界」
そこは楽園か、ディストピアか?
アメリカのIT企業家の資産総額は上位10数名だけで1兆ドルを超え、日本のGDPの25%にも達する。いまや国家に匹敵する莫大な富と強力なテクノロジーを独占する彼らは、「究極の自由」が約束された社会――既存の国家も民主主義も超越した、数学的に正しい統治――の実現を待ち望んでいる。
いわば「ハイテク自由至上主義」と呼べる哲学を信奉する彼らによって、今後の世界がどう変わりうるのか?
ハイテク分野で活躍する天才には、極端にシステム化された知能をもつ「ハイパー・システマイザー」が多い。彼らはきわめて高い数学的・論理的能力に恵まれているが、認知的共感力に乏しい。それゆえ、幼少時代に周囲になじめず、世界を敵対的なものだと捉えるようになってしまう。イノベーションで驚異的な能力を発揮する一方、他者への痛みを理解しない。テスラのイーロン・マスク、ペイパルの創業者のピーター・ティールなどはその代表格といえる。
社会とのアイデンティティ融合ができない彼らは、「テクノ・リバタリアニズム」を信奉するようになる。自由原理主義(リバタリアニズム)を、シリコンバレーで勃興するハイテクによって実現しようという思想である。
「この惑星上の約40~50億の人間は、去るべき運命にあります。暗号法は、残りの1%のための安全な世界を作り出そうとしているんです」(ティモシー・メイ)
――とてつもない富を獲得した、とてつもなく賢い人々は、いったいこの世界をどう変えようとしているのか? 衝撃の未来像が本書で明かされる。
天才の考えていることが、少しわかった気がします。そして、民主主義が危機にあることも。
その段階まで行き着いていない日本人はどうなるのだろう?
Posted by ブクログ 2024年04月18日
表題の「テクノ・リバタリアン」を語る前段のリベラル、リベラリズム、クリプト・アナキズム、総督府功利主義の解説含め、興味深い内容ばかりだった。特にネクストジェネレーションの中の「COST(共同所有自己申告税)」「QV(平方根投票)」のワイルのアイデアは斬新で、ここだけでも詳しく解説された本を読みたいと...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月13日
米国のIT企業を牽引するベラボーに頭がいい人たちが、その頭の良さを使って、理屈として社会の未来を考えたらこうなりますよー、という話。
また、同時にそれに向けての技術開発の現状や、思想面での深掘りがされている。日本ではあまり馴染みのないリバタリアニズムがメインに書かれている。
著者の従来の本とはやや...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月23日
先端テクノロジーのAIとかブロックチェーンとかの思想的な部分についてが詳しく書かれていて、それと同時に日本での政治の対立部分に感じる違和感が説明されている感じが興味深かった、確かにリバタリアン的な考え方があまり含まれていないと、増税か減税か、とか規制か緩和かという対立ではなく、増税するかさらに増税す...続きを読む
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