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保身、言いわけ、責任逃れのズルい男が権力を握るのが、この国である。防衛汚職事件で2年6カ月の実刑を受け現在服役中の元防衛事務次官はどのように業者と癒着してきたのか。ロッキード、ダグラス・グラマン事件以来最大といわれたこの事件とは一体何だったのか。二流官庁と蔑まれてきた防衛省(庁)と防衛産業との歪んだ関係、そしてそこに巣喰う現代公吏の生態を丹念に描くノンフィクション。
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Posted by ブクログ
まさにタイトルの通り、守屋武昌は狡猾なのだ、と思う。 エピローグに記述されている、生々しいやりとりからして、 つくづくと“狡猾“という表現を思い知らされてしまう。 この事件の本質がいまいちピンとこなかったのだが、 本書を読むにつれ、何が問題だったのか、クリアになった。 それにしても、仕事と家庭の...続きを読む立場の逆転は、 事務次官といえども、悲哀が漂っていて、切なくなった・・・
この本は『防衛省の天皇』の異名をとり、事務次官を四年歴任し、最後は収賄罪などに問われ、2010年に懲役2年6カ月の実刑が確定。その顛末を記したものです。少なくとも僕には彼を断罪することができない…。 僕は先日、この本の主人公である守屋武昌氏が書いた『普天間交渉秘録』を読みましたけれど、正直な話、...続きを読む全体を通しても筆者の人間像がよくわからなくて、ずいぶんと頭をひねったことを思い出します。 しかし、このノンフィクションを読んでから守屋氏の人物像というものが自分の中で浮き彫りになってきて、なんというのか…。彼が事務次官というポストを歴任し、『防衛省の天皇』という異名をとっていながらも家庭では長男の非行によって家庭が崩壊していくさまを仕事やゴルフに逃げ込んで外部の人間の助けを得なければ対処できないところまで言ってしまったことですとか、官僚時代に接待接待また接待という日々を送りながらも、防衛省を退職しスーパーで食材を選んでいるときも周辺の視線が絶えられなくなったり、取調室で事件を担当する検事に決定的な証拠を突きつけられたときの彼の対応などが、これを書いている最中でも脳裏に浮かび、そこから自分の導き出せることは彼はまたひとりに弱い人間であり、その『狡猾さ』は自分自身の中にも紛れもなく『存在』するのだ、という意味で彼のことを峻烈に責める事のできない自分がおりました。 ほかの女性との浮気が奥様にばれたときや、連日連夜の残業で深夜に家に帰っても家族が食事を作ってくれなくて、当時行きつけだった24時間営業のスーパーマーケットで惣菜を買っている姿が描かれている場面を読んでいると、すごく下世話な話になるのですが、なんともいえない複雑な思いが自分の中を去来してしまいました。彼が罪に問われたという『軍事専門商社・山田洋行の元専務から、ゴルフ接待と次女の米国留学費などを受け取った見返りに便宜を図ったという』贈収賄の詳細はここに書かれてあること以上のことは僕にはわかりません。 この事件が後に『戦後最大の事件といわれた防衛汚職事件』といわれ、そこで繰り広げられる旧防衛庁と防衛産業との歪んだ構造の実態が、自分の心には正直言ってあまり好奇心を書き立てるものではなかったんですけれど、ここには「一匹の『迷える子羊』として描かれている」一人の人間の姿があると、僕は僭越ながらそう思ってしまいました。
防衛省の天皇とまで謳われた役人の話。あそこまで民間業者の接待などにまみれて、ある意味、大人物と思いきや、奥さんに浮気を詰められ、長男の非行になす術もなく、自分の容疑にあたふたとするとは…。人間の弱さを思い知らされた。
山田洋行事件。 当時は、便宜を図った守屋事務次官という人間の汚職というシンプルな構図に考えていたが、実際は根深いものが潜んでいることが分かる本。 同時に、戦後の日米関係や、政界の構造、そして具体的な人間関係が垣間見られる。 とはいえ、本当の黒幕や内情は当然語られるはずがない。本書的に言うなら、フィク...続きを読むサーやロビイストがそれを出させるはずがない。 個人的に思うのは、著者が多少感情的な部分が垣間見られる。一方で、語弊を恐れずに述べるなら、守屋自身の人生に共感するところも多いにある。 今日の民主党政権が、軽く見受けられるのも納得できる一冊。
内容が浅い
守屋氏自身の証言内容がほとんどなく、著者の推測部分が多い。
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狡猾の人 防衛省を喰い物にした小物高級官僚の大罪
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森功
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