帝国妖人伝

帝国妖人伝

1,683円 (税込)

8pt

3.6

犯人は誰? 探偵こそ誰?

時は明治、那珂川二坊は文学で名をなさんとす。尾崎紅葉に師事すれど執筆がかなうのは小説どころか三文記事ばかり。この日も簡易食堂に足を運び、ネタを探して与太話に耳を傾けた。

どうやら昨晩、かの徳川公爵邸に盗人が入ったらしい。蓋を開ければ徳川公にも家人にもこれと云った被害はなく、盗人は逃走途中に塀から落ちて死んだという不思議な顛末。酔客らは推論を重ねるが、「そりゃ違いますやろ」という声の主、福田房次郎が語り始めたのは、あっと驚く“真相”だった(「長くなだらかな坂」)。

京都・奈良をつなぐ法螺吹峠、ナチス勃興前夜のポツダム、魔都・上海ほか、那珂川の赴く地に事件あり、妖人あり! “歴史・時代ミステリの星”伊吹亜門が放つ全5話の連作短編集――


絢爛たる謎解き秘話を通して、
〈あの人〉たちの妖人ぶりにあらためて瞠目した
――有栖川有栖(作家)

著者の本領発揮作と呼ぶに相応しい完成度
――千街晶之(ミステリ評論家)

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帝国妖人伝 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    ★5 探偵は誰? 大日本帝国時代、作家が事件に巻き込まれ…歴史と人物が学べるミステリ #帝国妖人伝

    ■きっと読みたくなるレビュー
    おもろい、いい作品。
    明治から昭和初期、作家の那珂川が様々な事件に遭遇する連作短編集です。

    事件は那珂川本人ではなく居合わせた要人が探偵役となって解決してゆく。解決に

    0
    2024年04月14日

    Posted by ブクログ

    明治〜昭和戦後設定のおはなし。無名に近い作家・那珂川が遭遇する犯人は誰かと解き明かす探偵は実は誰なのか!の短編が5作。探偵役は歴史上の有名な人物なのだけれど名前だけの方が多すぎてあとから調べてみたりして、作品の流れとの関係が面白かった。この時代設定が面白さを増していたような気がする作品でした。

    0
    2024年03月06日

    Posted by ブクログ

    語り手はいわばワトソン役。事件の真相とは別に、探偵役の正体が各話最後で明かされるという、変わった趣向の連作ミステリー。僅かなヒントから途中でピンとくる物知りな人はともかく、有名人5人の名にどこまで反応できるかで評価が分かれそう。自分はまずまず楽しめた。明治生まれの三文文士の数奇な人生譚としても面白い

    0
    2024年02月22日

    Posted by ブクログ

    わたしの知ってるあの人もこの人も…!著名人が探偵役になるミステリーで、エンタメ的に読んでいたのですが、最後の一編に度肝を抜かれました。なんて壮絶な、凄惨なお話なのかと。
    作品中の人物が固執する、人の情念てやつが、濃厚に散りばめられていたと思います。

    0
    2024年02月17日

    Posted by ブクログ

    明治から太平洋戦争にかけて、那珂川二坊という作家を語り手にした謎解き連作短編集。毎回謎を解くのはその場に居合わせた歴史上有名な人物だが、最後まで正体が伏せられているので、わかったときの驚きが心地よい。このあたりは京極夏彦の”弔堂”と似ている。
    また時代が移り変わるごとに語り手の立ち位置や心境が変化し

    0
    2024年05月07日

    Posted by ブクログ

    昭和の雰囲気が楽しめる文体。ミステリー楽しみながら、漢字の勉強にも。それぞれの人は意味がよくわからない…探偵の真似事?

    0
    2024年04月25日

    Posted by ブクログ

    懐旧の情が漂う5つの事件。筆を折ろうか悩む那珂川。北大路、夢野、石原、川島、山田たちの鮮やかな謎解きを回想し…物語の端々に、江戸川乱歩を彷彿とさせる端整な妖しさを感じた。

    0
    2024年04月22日

    Posted by ブクログ

    明治から昭和初期にかけて売れない小説家が巻き込まれる殺人事件の短編集。
    主人公は本当に巻き込まれだけで、事件を解決するのは後に名を残す偉人達。短編の最後に偉人が誰だったか明かされるのだが、その人が実際どういう人物だったかに興味が持て面白かった。

    0
    2024年03月24日

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