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洪水が来たのにすべては洗い流されず、原発の町には方舟も来てくれなかった。そして華奢な未来が残った。――樋口毅宏推薦!
「私は変わりたかったよ。変えなきゃいけないところを変えられないまま、いろんなものを失っちゃった。この町と同じだね」(本文より)
原発のある片田舎の町で、小説家を夢見ながら友人たちと退屈な日々を送っていた馬車道ハタリ。高校卒業を機に上京し数年が経ったある日、彼女のもとに見知らぬ作家の私小説の原稿が届く。そこには原発事故で壊滅した故郷にまつわる、彼女たちの重大な秘密が描かれようとしていた。大洪水、原発事故、カルト教団、未確認生物……次々と襲い掛かる脅威に、怒れるギグワーカー・馬車道ハタリは血気盛んに立ち向かう。現代の閉塞感を打ち破る、新世代ハードボイルド小説。
Posted by ブクログ 2024年02月06日
著者の二作目
読み味は前作と似ていて、映画や小説にゲームまで色んな話題が飛び交い、乱暴な口調の女性たちが活躍する楽しさもそのままで最高。
話し方では、男か女かを読んでいても判別させないようになっているのも面白いポイント。
馬車道がトイレに入ろうしたところで女にイチャモンをつけられるくだりが1番笑え...続きを読む
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