そこにある山 人が一線を越えるとき

そこにある山 人が一線を越えるとき

902円 (税込)

4pt

4.2

「なぜ本書が、(中略)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより)

「どうして結婚したんですか?」
この、デリカシーに欠けた、無配慮で苛立たしい“愚問”がもたらしたのは、人はなぜ冒険するのかという「最大の実存上の謎」への偉大な洞察だった!
人生の下り坂に入ったと自覚する著者が、探検家としての思考の遍歴を網羅した傑作エッセイがついに文庫化。
〈解説〉仲野徹(生命科学者)

目次
序 章 結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか
第一章 テクノロジーと世界疎外――関わること その一
第二章 知るとは何か――関わること その二
第三章 本質的な存在であること(二〇一九年冬の報告)――関わること その三
第四章 漂泊という〈思いつき〉――事態について その一
第五章 人はなぜ山に登るのか――事態について その二
終 章 人生の固有度と自由

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そこにある山 人が一線を越えるとき のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    内容は”冒険の現象学”。この人の冒険ノンフィクションからの流れで読むと面食らうかも。ハイデガーをちゃんと踏まえて、この人の今まで経験してきた"冒険"を考察している。ちゃんとした哲学書にもなっているので、著者のファンだけでなく、哲学クラスタにもいいと思います。ハイデガーが『存在と時

    0
    2024年02月08日

    Posted by ブクログ

    人はなぜ冒険をするのか、山に出かけるのかの答えは人はなぜ結婚をするのかの答えと同じということを哲学的に論考している。思いつきと隆起した事態がその答えであるとハイデガーや中動態等を持ち出して論理を展開していく過程は迫力がある。「探検家とペネロペちゃん」も衝撃的だったが本書も別の意味で衝撃的ある。これら

    0
    2024年02月02日

    Posted by ブクログ

    序章の「結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか」だけを読むだけでも、この本を買った価値はある。これまで見たり聴いたり読んだりしてきた、どんな結婚観よりも説得力がある。著者は結婚は選択ではなくこれまでの過去の経験や選択が積み重なり、それが事態として隆起したものなのだと言う。なるほど、本質をついた鋭い考察だ

    0
    2023年12月24日

    Posted by ブクログ

    冒険者である筆者による、結婚観や冒険観。

    筆者は結婚を「私の過去そのものの現在における隆起」と書いていたが、私の場合は出産がそれに当たるなあと感じた。なぜ子どもをもったか?確かにあれは「産まない選択肢などなかった」に尽きる。子どもをもつということは、自分を中心に考えるならば、自分の時間がなくなり、

    0
    2024年03月07日

    Posted by ブクログ

    冒険と結婚を並列して語っている。

     それは目の前に立ち現れた事態で、事態に対処する成り行きが結婚であっても、極夜の北極圏を冒険することも、事態に対処することについて、どちらも同じなんだと。

     最終盤の冒険論は特に印象的で、40代を迎えた冒険家は体力の衰えを感じながらも、うまく次のステージに移行で

    0
    2024年02月17日

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