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夕ぐれの道を駆けていった猫は,左側の足二本しかなかった.堂々とした姿に惹きつけられたわたしは,飼い主のケイコさんに会いに行き,タカシを知る.生後3か月での交通事故,大手術.そして,立つ,走る,木登りに,恋も狩りも! 二本足の猫と見守る人びとを追う,勇気と愛情のノンフィクション.イラスト・小泉さよ
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Posted by ブクログ
これはありえなくすごい猫の話。 こういうふうに生きれるなら・・・ 今を受け入れつつ、できることを探っていく。 受け入れるってすごいよなあ。
右の前足と後足を事故で失った猫タカシ、その飼い主ケイコさんのお話。 交通事故で重傷を負いながらも、健気にシャーする子猫を見捨ててはおけなかったケイコさん。動物病院に連れては行ったものの、足2本を切断しなければならないと言われる。獣医の先生からは、障害を持って生きるのは大変、お世話するのもこれま...続きを読むた大変と言われ、安楽死を勧められた。迷ったケイコさんだが、何とか世話しようと手術を決断。 そしてタカシの生命力の強いこと強いこと。ケージの中にても、2本の足で匍匐前進する。そして直ぐに退院して、2匹の猫と1匹の犬がいるケイコさんの家に。 タカシは傷が癒えると、二本の足で壁とかに寄りかかりながらも、何とか立ち上がる。そして、今度は歩こうとする。試行錯誤のすえ、歩くのではなく、走ることでバランスをとることに成功する。これ自転車の原理だね。 そしてタカシは、お外に出るようになる。近所を走りまわり、お隣りナカノさん宅の三毛猫りんちゃんと仲良しになる。いや恋をしたのかな。 このりんちゃんだが、かなりのおてんば娘で、走ってはタカシを置いてきぼりに、木に登っては置いてきぼりにする。どうしても2本足ではかなわないのだ。だが、タカシは自宅の庭の木で猛練習の末、木登りをマスターする。2匹で木に登り、下を眺めることができたのだ。これはスゴイ。 そんなある日、りんちゃんは交通事故で虹の橋を渡ってしまう。毎日ナカノさん宅の窓辺にあらわれて、呼びかけても答えはない。10日程してタカシは理解する。 りんちゃんがいなくなったことを。そして、もうはしゃいだ姿を見せることもなく、木に登ることもなくなった。 でも、タカシは大丈夫。持ち前の運動能力と狩猟本能を発揮して、カナヘビ、セミ、ネズミ、さらにはハトまで捕まえてきます。ちなみに我が家の茶トラネコも、そういったものに加え、この間はハトじゃなくムクドリを捕まえてきた。 もし猫のパラリンピックがあれば、確かにタカシはいくつもメダルを取れると思った。 飼い主のケイコさんの手術を決断した勇気に拍手。それから、あまり登場しないが、ケイコさんを全面的に信頼しているダンナさんにも拍手。
事故で左足2本になってしまった猫。それを普通のように 受け入れて生きているポジティブな姿に勇気ももらえます。 字も大きいし、漢字に読み仮名をつけてくれているので、子どもにも読んでもらいたい一冊です。 泣けます、感動して!
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タカシ 大丈夫な猫
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苅谷夏子
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