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トランシルヴァニア山中の城に潜んでいたドラキュラ伯爵は、獲物を求めて英国ロンドンへ向かう。嵐の中の帆船を意のままに操り、コウモリに姿を変えて忍び寄る魔の手から、ロンドン市民は逃れることができるのか。吸血鬼文学の不朽の名作。
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Posted by ブクログ
平井呈一訳の『ドラキュラ』を読んだのは一昔前のことで、ストーリーをほとんど覚えておらず、まるで初読のように読み進んだ。映画の(どの映画だったかは覚えていないが)ドラキュラの印象が強かったので、「ああ、こういう話だったのか」と思うところが多かった。 もちろんメインとなるのは、 ”ドラキュラ” v...続きを読むs. ”ドラキュラを倒し、その企てを防ごうとする人たち” の戦い振りということになるのだが、「解説」にもある通り、この小説が書かれた時代、19世紀末のイギリスの社会状況が小説の中にいろいろと反映されているところに興味を惹かれた。 例えば、迷信深いルーマニアの人々に対する、魔術や迷信を否定するプロテスタントのイギリス人との対比、心理学の黎明期であるこの時代を象徴する、脳を専門とする科学者と精神病院医師という主要登場人物の間の思考法の相違など。 主な舞台となる場所の地図や適宜の注釈が付いていて、理解を助けてくれるのも実にありがたい。
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