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人口で中国を上回って世界一に、GDPでも英仏を抜き第5位に。近年では「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国・途上国のリーダーと目されることも増えたインド。複雑化する国際政治のなかで展開する独自外交も注目されている。長くインドを研究する経済学者が、財閥の盛衰や成長を続けるIT産業などビジネス面から、米・中・ロとの外交の検証、さらには格差問題の現状、日印関係の今後まで幅広く解説する入門書。
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Posted by ブクログ
2023年9月時点でのインドの概要書です。 急速に変貌をとげるインドは、見るたびに大きくかわっている。 中国を抜いて、世界一の人口となったインドは、経済でも米・中に続いて3位になろうとしている。 本書は、インドの産業を、IT、医療、バイオ、ダイアモンド加工、自動車として紹介している。 日米豪印のクア...続きを読むッド、中印の対立、米露との中立外交、G20 など21世紀の地政学的存在感は増す一方である。 モディ首相は、貧しいカーストの出身であり、勤勉で1日も休まず、早朝から深夜まで仕事に没頭しているとのことに驚いた 気になったのは、以下です。 概要 ・多様性の中の統一 Unity in Inversity インドをひと言で言い表す時、よく使われる言葉である ・インド人は、出身地、言語、宗教、カースト、という4つのアイデンティティで規定されている ①コルカタ出身、②ベンガル語を話し、③ヒンドゥ教を信じる、④バラモン といった具合である。 ・インドの国土は、北インド(東、西、北)、南インド(南)、それ以外(北東部)の、3領域、5地域に分けらえる ・インドは、28の州、8つの直轄領(含むデーリ首都圏)の、36のエリアからなっている。 ・北インドでは、アーリア人が多く、南インドには、ドラヴィタ人が多い。 ・インドの言語は、連邦レベルの公用語である、ヒンディー語の外に、州レベルで21の公用語がある、英語も、政府公用語として使われている。 ・宗教は 2011年の国勢調査の時点で、ヒンドゥ教 78.8% イスラム教 14.2% キリスト教 2.3% シク教 1.7% 仏教 0.7% ジャイナ教 0.4% である。 ・カースト(ポルトガル語であり、インド人は、ヴァルナ(四種姓)という)は、バラモン(司祭)、クシャトリア(王族・武士)、ヴァイシャ(商人)、シュードラ(農民・サービス)。 ・そしてこの4つの階層の下に、ダリット(不可触民)、アディヴァシ(先住民)、と呼ばれる2つの最下層が存在する。 政治 ・インドは、世界最大の民主主義国である ・総選挙は、9億人を対象として、電子投票を行い、翌日に結果発表される ・議会は2院政、上院は250議席、下院(5年おきに総選挙)は、545議席。 ・国家元首は大統領だが実権はない ・インドの政党は、全国政党2(インド人民党(BJP):モディ、インド国民会議派:ガンディファミリ)と、地域政党からなる ・BPJ 都市中間層のヒンドゥ教徒が支持母体で、ビジネス志向が強く、国粋主義、愛国主義的な傾向がつよい ・モディ首相、グジャラート州でやや低いカーストの貧しい紅茶売りの子として生まれ、グジャラート州のインフラ整備をすすめ全国に知られるようになった ・BPJ総裁は、内相である、シャー。モディが国政に専念し、シャーが党務や、選挙戦略を担う2トップである。 ・国民会議派は、農村の貧困層やイスラム教などのマイトリティを支持母体としている ・ガンディファミリとマハトマとは血のつながりはない 経済 ・輸出先 米、UAE,蘭、中、シンガボール、バングラディッシュ、英(日本は26位) ・輸入先 中、UAE、米、露、サウジアラビア、イラク、インドネシア、シンガポール(日本は13位) ・モディ政権の実績 ①インフラ整備、②投資環境の改善、③汚職撲滅 ・インド財閥 タタ、リアイアンス、ビルラ、アダニ ・IT産業の飛躍 中国が、世界の工場なら、インドは、世界のオフィス ①インド人には、もともと、数学の素養があった ②インド政府が早くから、理工系高等教育を奨励、英語圏でもあり ③インド政府のIT振興策 ④いきなり、ハイテクではなく、安い労賃を生かしての、ローエンド、ソフト開発を輸出したのがヒットした ⑤米国との時間差、24時間のソフト開発、BPOが可能に ・TCS,インフォシス、ウィプロ、HCLテクノロジーズなど ・インドのシリコンバレーは、バンガロール ・医薬品 シプラ、ドクター・レディ、サンファーマ ①製造コストの安さ、②臨床試験、ケミカルサービスも安価、③国際的な化学合成技術と、品質管理技術 ・バイオ産業 バイオ医薬、バイオ農業 ・ワクチン製造大国 ・ダイヤモンド加工業 デビアス社の研磨加工は、イスラエルとインドが実施 ・自動車、自動車部品 世界3位の自動車消費国に 内政 ・政策による貧困層圧迫 ・医療設備の不足 ・深刻な所得格差、資産格差 ・農業の低い生産性 ・男女間格差と、女性の社会進出の遅れ ・宗教間格差 イスラム教徒への抑圧、新仏教徒 ・大気汚染 外交 ・中国との衝突 カシミール(ラダック地域)問題 ・クアッド 日米豪印 インド・太平洋地域の安全保障 ・台湾 インド初の半導体工場建設へ向けて ・露 特別で特権的な戦略的なパートナー ロシアの武器、石油の引き受け国である ・米 インドの信頼度は高くない オバマの中国政策展開、イランへのプラント輸出の阻止など、つのる対米不信 ・インド最大の敵国は、隣国パキスタン ・G20議長国としてのインド 日印関係 日本にとって、インドは特別な国 ・インドは、世界有数の親日国 ・歴史的経緯(仏教による交流、インド国民軍、インパール、東京裁判、1991、IMFつなぎ融資など) ・広島禍、長崎禍での国会での黙とう ・伸び悩む、経済、貿易 ・安倍元首相暗殺の衝撃、モディ=安倍ラインで進められていた日印関係の停滞、例に見ない、安倍氏死去を受けた、インド国会での服喪 目次 はじめに 第1章 多様性のインド―世界最大の民主主義国家 第2章 モディ政権下のインド経済 第3章 経済の担い手―主要財閥、注目の産業 第4章 人口大国―若い人口構成、人材の宝庫 第5章 成長の陰に―貧困と格差、環境 第6章 インドの中立外交―中国、パキスタン、ロシア、米国とのはざまで 第7章 日印関係―現状と展望 あとがき 参考文献 近藤正規(こんどう・まさのり)巻末より 1961年生。アジア開発銀行、世界銀行にてインドを担当した後、1998年より国際基督教大学教養学部助教授。 現在、国際基督教大学教養学部上級准教授。 2006年よりインド経済研究所主任客員研究員を兼務。 そのほかに21世紀日印賢人委員会委員、日印共同研究会委員、日印協会理事などを歴任。 東京大学学士、ロンドン大学修士、スタンフォード大学博士。 インドの全ての州と連邦直轄領を訪れて論文を多数執筆。専門はインド経済、開発経済学 ISBN:9784121027702 出版社:中央公論新社 判型:新書 ページ数:320ページ 定価:980円(本体) 発行年月日:2023年09月 発売日:2023年09月21日
或る程度専門的な内容も含めて、一般向けに必ずしも知られていないかもしれないことを紹介する、そしてそれが程好い分量というのが「新書」の魅力なのだと思っている。本書は正しくそうした「新書」の魅力に溢れる一冊だ。 「インド」と聞いて、思い浮かべられるモノは限定的であるような気もする。遠い古代から様々なモノ...続きを読むを受継いだという文化を有していて人口が非常に多い国という程度のことしか思い浮かばない。加えて、カレー料理が親しまれているが、その起りとなる地域ということも思い浮かぶ。個人的には、札幌に出て食事を摂る場所として気に入っている御店の一軒にインド料理店が在ることも思い浮かべる。 そういう残念ながら「少しばかり貧困なイメージに留まる」というインドに関して、政治、経済、企業活動、社会、外交、各分野の近現代の経過、日本との様々な関係等に関して、その地域や社会が内包する複雑な“多様性”という要素も交えて、広く深く、同時に判り易く纏めることを試みているのが本書である。そしてその「試み」は成功していると思う。 何時の頃からか「グローバル・サウス」という言い方も耳にする機会が増えているように思う。「南半球」というようなことを念頭に置いた表現であると見受けられる。これは南半球に限定するのでもなく、寧ろ「新興諸国」というような感、「比較的近年に存在感を増しつつある国々」という意味合いで用いられていると思われる。 インドはこの「比較的近年に存在感を増しつつある国々」の代表的な国の一つと言い得ると思う。近年の国際関係のニュースで「インドのモディ首相が…」という言辞が耳目に触れる場合も多くなっていると思う。本当に、本書の題のような「グローバル・サウスの超大国」という存在感だ。 本書はこういうインドに関して、比較的最近の様子から少しだけ遡った辺りまで、実に幅広く「知らなかった…」を紹介してくれている。著者はアジア開発銀行や世界銀行でインドに関する御担当を続けた経過の在る大学教員である。この種の本を著すとして、これ以上の適任者は見出し悪いかもしれない。 実に幅広く「知らなかった…」を御紹介いただいている訳だが、個人的には外交関連の事柄が興味深かった。実際、近年の様々な状況の中、インドのような「比較的近年に存在感を増しつつある国々」の注目度は高い。そして「独自に様々な国々との関係の中での“位置”を築くことを模索し続けた」というようなインドの外交の経過は何か興味深く本書で学んだ。 新たな知識を得ようとすることは続けなければなるまい。好い一冊と出遭えて幸いだった。
中国とは別の意味での難しさがありながら、非常に魅力あふれる国であることが分かった。 インドの成り立ちから、現在の立ち位置や課題まで網羅的に触れられており、とても分かりやすい。インドについての入門書としてお勧め出来る一冊。
インドについて網羅的に理解が深まる。 歴史的に中国と緊張関係がある一方、武器供与などでロシアと関係性が深い。 米国のIT業界を人材面、業務のアウトソーシング先として支えている。 パキスタンとは領土や宗教面で対立。
政治・経済・他国との関わりなどインドについて全般的に触れられている本。インドに関する知識のない人がざっくりと把握することのできる入門書のように感じた。 中国・ロシア・パキスタンと一癖ある国に囲まれていることが中立外交、その先のグローバルサウスに繋がっているということがとても良く理解できた。
インドの最新の情勢について分かりやすくまとめられていました。どちらかというと政治と経済の話題がメインとなっていて多くの紙面が割かれています。その分、文化や歴史は序盤にコンパクトにまとめられているのですが、逆にその部分の情報密度と読みやすさに感動しました。 ラダックの道路工事の現場や、シッキムの空港...続きを読むなどを実際に見て、観光に力を入れてるんだなーと呑気に思っていました。でもその理由が中国との国境紛争にあると知って目から鱗でした。中国、ロシア、欧米との複雑な外交関係から、インド政府の苦労が窺い知れます。 経済発展するインドですが、経済のパイを大きくすることを優先して、格差上等とばかりに突き進んでいるようです。実際インドに行くと、日本並みに高いレストランの横で、屋台で数10円のものを食べる人たちがいて、そのレイヤー構造に驚きます。そんなインド今後どうなっていくのか、本書を読んでますます興味が湧きました。
インドのこれまでとこれからを知れる一冊。非同盟中立を貫くインドの各国との外交関係にもページが割かれており、インドを学ぶ人の初めの一冊としておすすめ。
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