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帰省した千秋は後輩の萌香がストーカー被害に遭っていることを知る。数日後、萌香の刺殺体が発見された。千秋は彼女の格好を真似ながら独自に犯人を捜し始める。第8回「暮らしの小説大賞」受賞作。 ※TwitterでPRマンガを公開中です! 【転載元URL】https://twitter.com/north_mountain9/status/1455474838378729480
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Posted by ブクログ
「愛情の反対は憎しみではなく無関心である」 マザー・テレサの言葉 こんなにも歪んだ解釈で、 こんなにも恐ろしい小説は、初めて。 虐待やいじめの解釈、ありえない! 途中、胸がチリチリ痛むようだった、 そして、最後に、 「え~!」 とんでもない小説!
これは本当に面白いです! 叙述トリックで有名なアレや、どんでん返しで有名なアレよりも絶対にこれを読むべき。 この現代社会への痛烈な風刺も効いているし、斜め上行くドMコントと思っても面白い。 流血描写はシンプルで無駄がなく、アクションが真に迫っていて変なグロさがありません。 ちょっとした風景描写に個性...続きを読む的な比喩が用いられていて、飽きさせず素敵。 サイコな登場人物たちになぜか感情移入できてしまいます。 近年になく読んで良かったと思える本。
ここ二年で新人賞を掴み取った作家が書いた作品を読んでいるが、その中で突出している。ムラと無駄のない作品。それらは削ぎ落とされている印象を受けた。ある人物を犯人に特定したが、帯の文句どおりにまんまと騙された。構成が巧みすぎる。しがない読書好きが言うのは説得力がないですが、新年一作品目に相応しい出来だ...続きを読むと思います。
これは、まんまと騙された…としか言いようのない作品である。 物語は、地元に帰省した千秋が、偶然後輩の萌香に会い、彼女がストーカー被害に遭ってることをきかされることから始まる。 数日後に萌香が、何者かに刺殺される。 千秋は、萌香を殺した犯人を捜すため、仕事の休みには、彼女の服装を真似て、大学やバイ...続きを読むト先を調べ廻るようになる。 そこから、登場人物が複雑に絡み合っていく。 その犯人を見つけることが、警察へ突き出すでもなく、復讐すべく殺す目的でもないことはわかるのだが… 読み進めながらも決して心の中は、気持ちの良いものではなく、常に沸々と暗いものが湧き上がる。 なんとも言えない気になりながらもながらも途中で終わることはできなかった。 心身共に苦痛を味わうほどのものを愛情だと思う気持ち。 わかりかねる。怖さを感じる。 なんとも不気味さを通り越して、サイコである。 まさしく、騙されるほどの驚愕のサイコミステリーである。
新刊コーナーから薦めてもらったもの。 ストーリーはかなり感じ悪いけれど、展開の仕方は面白い。 人のビジュアルを想像で補うのは小説の特性だけど、それを活かした構成だと思う。
『初めて会う人』読んで面白かったので、これ。 やっぱり普通に見えてた人がサイコだったパターン。 サイコ目線の解釈は全然理解できないけど、こわい。
後輩の萌香(もか)が何者かによって殺害される。萌香は生前、ストーカー被害のことを千秋に打ち明ける。千秋は萌香を殺した犯人を捜すために奮闘するが……。読んでるだけで痛い。控えめに言って色んな愛の形を堪能できます。著者の『レモンと殺人鬼』も読みたいです。
子供の頃から自分のことを慕ってくれ、妹みたいな存在だった萌香が殺された。 千秋は彼女が殺される前に、ストーカー被害にあっている事を打ち明けられていた。 単純に千秋が可愛い萌香の屈辱を晴らすために、犯人を探すストーリーかと思っていた。 だけど50ページくらい読んだところで、えっ??って驚き!! そう...続きを読むいう感じか〜∑(°o°;) サイコやん!! 別の2つの話しが交互に語られる構成。 こういうパターン好き! 最後どう繋がるかわくわく♡ なんとなく気づけてたのもあったけど、途中何度も騙されてたのに気づき驚きだった。 最後の最後まで騙されたな〜 初読み作家さんでしたが、最近話題のレモンの本の方だったんだ〜!巧いな〜 なんとなくキモさが勝ってしまったけど、面白かったです♪
これはまさにサイコミステリー。 主人公・千秋に当初感じていたもやっとした違和感が、徐々に気持ち悪さに変化していく。 刺殺体で発見された後輩・萌香、その犯人を追っていく千秋の章と、ブラック企業で働く杏の章が交互に描かれる。 一見なんの関係もなさそうな二つの物語は終盤で絶妙に交わる事になる。 そして...続きを読む、なんの疑いも持たなかった事実は大きく反転。 これは誰もが騙されるはず。 中盤あまりの気味悪さに挫折しかけたが、真相が明らかになるにつれ面白さが増して行った。 孤独と暴力が形を変え、歪み切った愛を無心に欲す主人公に戦慄する読後。
物語は、新聞の事件記事から始まる。 事件概要は、斜岡に住む女性が刺殺された、というもの。 なぜ彼女は殺されたのか。 誰に殺されたのか。 この二つの謎を解きながら物語は進む。 出てくる地名は読み方が少し難しい。 斜岡、出入野。 初めのうちは、なんと読むんだったかな、と都度突っかかっていた。 さて、...続きを読む肝心の中身だが、出てくる人々は揃いも揃って怪しい。 主人公は千秋。 友人の萌香が事件に巻き込まれ、犯人探しに奔走する。 いわば、探偵役だ。 しかし、千秋自身にも大いに問題がある。 千秋は、愛に飢えている。 そしてその愛の理解は歪んでいる。小学生の時分にいじめにあった千秋は、主犯格の同級生に愛を返す。 やられたことと同等、いや、それ以上のことを。 しかしそれは周りを恐れさせる。 推測するに、千秋のなかでは、無関心でないのなら、どんなことでも、愛、なのだ。 次々に怪しい人物が出ては消え、出ては消える。 そして最後。 驚愕の事実、と言いたいが、手法としてはそこまで珍しいものではない。 登場人物たちそれぞれの「普通」そのものが事件そのものだった。 そのことが読み手をぞくりとさせる。
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