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Posted by ブクログ
離婚をすることになったにもかかわらず、結婚していたころとあまり変わりばえのしない、おたがいにもたれあうような生活をつづける男女をえがいた連作短編集です。
ライターの羽鳥誠一は、彼のもとに出入りしていた女性のひとりであるすみ子から「お妾にしてくんない」ともちかけられ、ともに暮らしはじめます。視力が悪いためもあっておよそ生活能力が高いとはいえないすみ子と、先行きが見通せない職業のためにその日暮らしの意識が抜けない羽鳥は、たがいに不満をいだきながら結婚生活を送りますが、ついに羽鳥は「別れようじゃないか」ということばをもちだし、すみ子もその提案におうじます。
羽鳥は、あたらしくマンションに暮らしはじめたすみ子の生活費を払うために、これまで以上に多くの仕事を引き受け、身のまわりに気をくばる時間はありません。一方すみ子も、自立した生きかたをいろいろと思いえがくものの実現はむずかしく、けっきょく両者は離れることができません。やがてベティという女性が羽鳥の秘書となりますが、そのことがすみ子の心の平安をうしなわせ、羽鳥は彼女に応対せざるをえません。
誠一の視点から物語が進行するせいもあって、すみ子の幼さが強調されている描写がやや気になるものの、おたがいに依存しあってあまり立派とはいえない生きかたをつづけていく人間のすがたを、どことなくユーモアを感じさせるかたちに表現した作品といえるように思います。
巻末の短編「少女たち」は、出版社を辞めて独立することになった男が、やはり前の職場でいっしょに働いていた佐久間瑞子をはじめ若い女性たちを次々に雇うことになり、「遊園地のオーナー」のような気持ちで自由にふるまう彼女たちの生態を目の当たりにするという物語です。
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小説・文芸
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