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私はこの「ふてぶてしさ」に何度も元気づけられてきた――筋金入りの「おフミさん」ファンを自認する作家・柚木麻子が、数多く残された短編から12編をセレクト。フレッシュなガイドともに、林芙美子が描く女たちの魅力を紹介する。〈解説〉今川英子
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Posted by ブクログ
とても面白かった。 放浪記より個人的にはこちらに入っているような短編が好き。 特に『退屈な霜』は思わず笑ってしまったところもあった。 もう林芙美子が大好きになっていて、これからもまだよんでないさくひんをどんどん読んでいきたくなったし、今回読んだ作品も再読したいぐらいハマった。
「放浪記」「浮雲」を読み、この本を見つけて読んでみました。とても面白かったです。 様々な時代を駆け抜けてきた林芙美子の姿が思い浮かんでは消えていくようでした。 詩人でもあった林芙美子の文章がとても心地よく、そして何より読みやすいし面白いです。 柚木麻子さんの後書きにもあるように、2023年の現在、よ...続きを読むうやく時代が林芙美子に追いついたのだろうと感じました。めっちゃ面白かったです。 オススメなのでみんな読んでみてください✌️。
ユーモアとバイタリティ、誰にも負けない野心を持つ林芙美子の「ふてぶてしさ」に、何度も勇気づけられたという作家の柚木麻子さんが編集する、林芙美子の短篇集。 本書の一遍「暗い花」は、戦後の東京を売春で生きる女性が主人公。田舎から母親が訪ねてくる。何も知らず、娘の生活を心配する母親に幾らかの金を持たせて...続きを読む帰すため、その晩も彼女は夜の街に立つ。 哀しい物語のはずですが、そこには陰鬱さや、哀れみの眼差しは無く、むしろハードボイルド的なタフさが感じられます。他にも、普通の幸せがなかなかに遠い女性たちのシスターフッド小説とも読める「寿司」等々。柚木さんは林芙美子に語り掛けます。「あなたの作品が愛されるようになるのは、むしろこれからが本番だ」。
「柚木麻子と読む」とあるので、一作ごとに解説が入るのかと思ったら、そういう形式ではなかった。 柚木麻子・編の林芙美子の短編集である。 こういう作品集は、編者が原作者のどういった部分を好んでいるかで、色合いが変わってくることもある。 やはり「柚木麻子と読む」で良いのだろう。 「はじめに」で、林芙美子...続きを読む本人があまり気に入っていなさそうな作品をあえてチョイスした、と書かれている。 女友達に、ニヤニヤしながらちょっと意地悪をしてみる感じで微笑ましい。 「おわりに」では、林芙美子の作品では、男女の機微を描いたものより、シスターフットが感じられるものの方が好き、と書かれていて、この好みが『ついでにジェントルメン』を柚木さんに書かせたのかなあと思った。 男に頼らず、自分の足で立って、自分で稼ぐ女性たち。 女の味方は最後には女なのだ、との読後感のある作品だと思う。 「市立女学校」は、作者自身が気に入っていないようだという。どうして? 林芙美子も女学校を出ていて、このヒロインのさわは本人がモデルなのだという。 卒業を控えた女生徒たちのあれこれが、瀬戸内の風景とともに描かれる。私はとても好き。 生徒たちにはまだ他人事だが、女性の教師たちが、教頭や男性教師からのパワハラやセクハラで辞めていく様子を描くのは、彼女たちを待っている厳しい社会の一角をチラ見させているようでもある。 卒業前は、まだ何にでもなれる「余白」を持っているけれど、社会に出たらどうなるだろう。 女学校時代は、短いきらめきの季節だ。 続きの作品というわけではないけれど、「ボナアルの黄昏」では、女学校を出た同窓生たちが学校を出た後、結局どういう運命を辿ったかという、一種残酷な後日譚が披露される。 最後の「椰子の実」は、死の3年前くらいに書かれた、小説ではなく随筆のようなもの。 もう書けない、疲れてしまった、どうせ後の時代に生きている人たちが書いたものの方がいいに決まっている、と弱気。 若い頃は、書けなくなると衝動的に旅に出た。大陸だってパリだって、どこにでも行けた。 もうそんな遠くには行けないけれど、とりあえず海を越えれば自分の旅心も満足する、と大島に行ってみたら思わぬ再会あり。また書きたいものができた。 浜辺に打ち上げられて朽ちるかと思われた椰子の実は、また波によって海へと誘い出されるのだった。
柚木麻子さんの選書ということで手に取った。 林芙美子さんの本は初読み。 大正~昭和の女性が主人公の短編集。 女性のたくましさや潔さが感じられるものが多く、面白かった。 時代が違っていても、思っていることは案外似ていたりするのかも。
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