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68万部を突破し、全国に感涙を与えた文藝賞・芥川賞受賞作『おらおらでひとりいぐも』から6年。「みんなで生きる」をテーマに据えた著者の新境地!
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Posted by ブクログ
この作家さんのはこれで2作目を読みました。 東北のなまりが出てくるのは、すべてそのまま理解できます。 自分もそうなので。 共感できることがたくさん出てきて読みやすく面白かったです。 明るく読み終えることのできる本でした。
今の時代に、実際になんらかの生きづらさを抱えている人はどれくらいいるんだろう。 いろんなメディアでは、この世がいかに生きづらいのか、様々な角度から報道されていたりするけれども、いわゆる「当事者」から声が上がることはほとんどない。 なんなら私自身も当事者なのに、なぜかあきらめてしまっている。 「言って...続きを読むも仕方ない」「どうせ何も変わらない」と、なぜ思うようになってしまったのか。 この作品の人達は、なんだか恥ずかしくなってしまうくらい率直に、ストレートに、おかしいと思うことや生きづらさを語る。 でも、その率直さをなぜ恥ずかしく感じてしまうんだろう。 なぜ私たちは語ろうとしないんだろう。 自分の中のあきらめや傍観者を決め込む態度を、厳しくも暖かく指摘されてしまった。
著者のインタビューで、表題がひょっこりひょうたん島からだと聴いて、なんだか自分も聞いたことがあるような気になってきた。実際は、ないと思うけど(笑) 生きにくい人達が、こんなふうに寄り添えればと思う。 大人のおとぎ話のようで、なんだか癒された。
経験値豊かな若竹さんだから描けた作品。不条理な世の中に抗うことを諦めた人たちが互いに支え合い繋がる物語。東北弁が孤独や寂しさを癒す。吉野さんに出逢えたら僥倖だ。
第六話の理屈っぽさは、残念だったけど、第五話まで独白調が孤独感を引き出し、第六話で大円舞って感じで、よかった。
なぁしってる?イギリスのいぬはバウバウバウってなくねん。 わぁ懐かしい~ 昔小学校で子供たちに読んだ「うしはどこでもモ~!」という絵本の一説です。 スペインは・・・フランスは・・・と各国の鳴き方を教えてくれて、最後に、けどうしは・・・とくる。 それがどないしてんな・・・ってまあ聞いとくなはれ、(翻訳...続きを読むが落語家の桂かい枝さんなのでつられて関西弁) いろんな動物の鳴き声が紹介され、たしか鶏の鳴き声でした。「かっかどるどるどう」どこの国かも忘れました。スペインかな? でもこのタイトルを見た途端、あっあれやな、て思いました。 ほんで肝心の本の内容はどないやねん、そやな、それや。 いろんな事情を持った人たちがいて、それぞれ事情を話してくれます。 それは独白というのかあるいは独り言というのか、ひとりの役者がまるで舞台に立ってセリフを言っているような。 それも東北弁とか、どこかのお国言葉で語られるそれらは慣れないとなかなか入っていけません。 ストーリーも一応あるのですが、各人の個性というか人間性がインパクトありすぎて、あるようで無いようでという感じ。 さすが芥川作家という作品でありました。
独特の語り口のところ、読みづらいけれど一旦その世界に入り込めたら、むしろ心地よく読み続けられた。吉野さん、登場人物達の中で一番波瀾万丈でしんどい人生なのに、一番前向きでエネルギッシュで優しく他人想いなのが不思議だけれど、人ってそういうものなのかもなと思える。
いきなり東北弁で始まる60代後半の女・悦子の語り。 ほぼ胸のうちに溜まる愚痴めいた独り言のようだ。 続いては、夫を見送り舅姑の介護を延々と続けてからそれぞれ看取ったあとひとりになった68歳の芳江。 自由になり好きなことができるはずなのに何をしたらいいのか…ひとり地味に生きていくだけなのかと。 ま...続きを読むた、大学院を出たものの非正規雇用の職を転々とする38歳の理恵。彼女も何をしたらいいのかゆらゆらと彷徨っている。 公園で薄汚れて痩せ細り怪我をしている犬を相手に喋っているのは、20代の保。 彼はもはや生きる希望すらなく残り少ない有り金で食べ物を買い、最後の食事を犬といっしょに終えた。 見知らぬ男から「困ったらここに行け」と紙切れを渡されて行った先は…。 古いアパートのドアを開け放し、誰彼かまわず声かけているのは吉野だった。 そこには自然と人が集まり、ちゃぶ台囲んで食事している風景があった。 そんなところで顔を合わせた見知らぬ4人。 いつのまにか笑顔が見え、誰かと喋る…という普通のことが普通にできるようになっている。 吉野の人生もさらりと描いているが、壮絶であり絶望を何度も味わった感あり。 だからこそなのか寂しいものを嗅ぎ分けることができ、喜ぶ顔が見たくなって食事を振る舞う。 家族がないなら家族を作ればいい…そんな感じのようだ。 「かっかどるどるどぅ」鶏の雄叫びだ。 生きていることの叫びだろう。
こんなに虚しい小説もあったのか中編迄ボヤキばかりでイライラした。世の中のいろいろを批判したり、最後の黄色地のページでは無情を醸し出し世の退廃を嘆いてみても何の実りもありゃしない。安心して暮らしたいならどう行動するの?
『かっかどるどるどぅ』と言う謎めいた言葉をどう理解し読めるかがキーポイントととなる不思議物語、孤独から解放されて明るい未来を生きる手助けとなるお話をあなたもぜひ。
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