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前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた〈反世界〉が現れる。プロメテウスの罰を再現した「囚人」、白昼夢にたゆとう「夢のなかの街」等、初期作品から怪奇掌篇、寓意譚に至る9篇を収録し、著者の孤高なる文学的歩みをたどる。
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Posted by ブクログ
徹底的に観念で言葉を操っているように感じた。虚構が凝縮されて、現実の模倣というよりも、もうひとつの世界を実現させているように思う。しかしこうした倉橋の作風は短編ごとで同じように結実しているわけではなく、解説でも書かれている通り、さまざまな手法が用いられ、ストーリーやテーマのタイプも異なる。だが彼女が...続きを読むやっていることは、小説という言葉の津波で、現実をさらってやろうということなのだろう。特に「囚人」に関しては、戦後社会を見事に神話化させ、鋭利な、磨き上げられた、見事な作品に仕上がっているように思えた。
この短編に熱狂的だったという伝説。 そんなもんかねぇ、 なぜかと問いたくなるような時代だったということでしょうか。 不思議な時代もあったもんですね。 冷めたまなざしにあこがれる気持ちは、わかりますけどね。 クールで寡黙な先輩像ってあこがれ。 (でももう無理とわかってます)
とにかく素晴らしい。表題作の「パルタイ」も良いが「夢のなかの街」がなんともよい。カフカ的でもあるが、筒井康隆的でもある。筒井氏も倉橋由美子好きだったはずだが共通点があるかもしれない。 パルタイは学生時代にも一度読んでいたはずだが、初読の感覚で読んだ。学生運動を女性的感覚でアイロニックに描いている。吉...続きを読む行淳之介ではないが「女性は子宮で思考している」感覚とでもいうのであろうか。 でも、新左翼に関する本をあれこれ読んで思うのは「この感覚」こそ重要で頭だけの理論で突き進むとその結果として革命運動などというものは簡単に壊れてしまうものだ。ある意味、大衆は「この感覚」故に武闘闘争に進んでいく革命運動に共感できなくなったのではないか、と思ったりする。
学生運動かぁ・・・と思いきや、ホラー?オカルト?そしてエロティック・・・なかなか興味深く、面白く読ませていただきました♪
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