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実業家・加右衛門氏へ贋物の置時計を売ってしまった事実を知った伊口。 泥棒に転職をした蓮野とともに、その置時計は加右衛門氏へ所有する美術館にあるという情報を得、盗むことを計画するがーー? (第1章 加右衛門氏の置時計) 激動の大正時代を泥棒たちが大暴れ! 『絞首商會』『サーカスから来た執達吏』にも繋がる連作短編集。 『方舟』で「週刊文春ミステリーベスト10」「MRC2022」をダブル受賞し話題沸騰の夕木春央、待望の新作!
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Posted by ブクログ
元泥棒の蓮野と画家の井口コンビの連作短篇集。一作目からミステリならではと言いますか、人間心理の逆説と「物語」ならではのスケールがあって面白い。 また、連作ではありがちなストーリーパターンに陥る事なく、毎話、シチュエーションを変えた舞台設定と謎の提示が良くできている。かれらは「職業探偵」ではないため無...続きを読む闇矢鱈とアカの他人から事件を持ち込まれる筈はないので、事件のとっかかりが井口の周辺の人物が絡みながら展開していくわけですが、そこが逆にこの「連作」として意味がある布石になっていてそこも良い。 厭世気味のキャラ好きなので、この蓮野のシリーズは続きがでると嬉しいなぁ。
7作からなる連作短編集。大正期に画家の井口と泥棒の前科を持つ同級生の蓮野が奇妙な事件を解決する、と言うもの。時代の雰囲気や言葉少なに展開される2人の会話も惹かれる。1話の事件が最後の章で完結される構成も素晴らしい。
画家の井口が相談事を持ちかけたのは、元泥棒で今は論文の翻訳をしている友人の蓮野である。 元泥棒相手に物騒な相談というのも問題ありだが…。 井口の父が美術収集家に売った置時計が贋物で、近々、その収集家である加右衛門氏が美術館を造設するという。展示して贋物とわかり大恥をかく前になんとかしてほしいと病...続きを読む床で譫言をいう。 さて、どうするか…どうなるか。 この加右衛門氏の美術館を始め全6作。 ちょっと風変わりで違う目線で人を見る蓮野が、警察抜きに次々と解決していく。 少しワクワクとしてくるのも否めない。 【加右衛門氏の美術館】 【悪人一家の密室】 【誘拐と大雪 誘拐の章】 【誘拐と大雪 大雪の章】 【晴海氏の外国手紙】 【光川丸の妖しい晩餐】 【宝石泥棒と置時計】
執達吏と同じ世界線での物語。 個人的には執達吏よりもこちらの方が好みだった。 元泥棒の蓮野と画家の井口が次々と奇怪な事件に巡り合い解決していくのだが、謎解きは意外性もありながら納得感のあるもので、テンポよく読むことができた。 このミステリ飽和時代に、キャラクターにエッジを立てすぎることも、奇想天外な...続きを読む叙述トリックを使うこともなく読み応えがある、作者の地力を感じさせる一冊。
『方舟』のおもしろさから即買い。方舟のような華やかさのあるタイプの本ではありませんでしたが、6篇のお話がそれぞれ絡み合って楽しく読めました♫ 君が泥棒か? 一僕が泥棒です。 シュールな会話だなぁ
お馴染みの蓮野・井口シリーズ。 時計を巡る(前後が繋がる)連作短編集。 結構、卑猥でグロテスクな内容もあるにも関わらず、大正という背景からかあまり気にならない?から不思議。 謎解きを単純に楽しみたい人向けのミステリー。
主人公と蓮野の書き分けがわかりにくいのと各エピソードの終わり方は狙い過ぎな感じがして、惜しい作品でした。蓮野のキャラクタは好きですが、元泥棒が真っ当な扱いを受けている設定がしっくりきませんでした。それで泥棒的な要素は鍵開けぐらい?謎解きはよかったです。
面白かった。短編集。 事件が予想外なところに展開していくところが面白い。たくさんの人物がでてきてどうなることかと思うがすんなり解決していく。
『方舟』、『十戒』と非常に楽しく、ハラハラして読めたので、以前の作品はどうだろうかと思って読んでみた。大正時代の話でなかなか馴染みがなく読みづらかったこと、そして何よりプロットが強引であり、「なるほど!」とは思えなかったことが残念であった。今後の作品に期待したい。
井口・蓮野コンビの連作。「方舟」でこの作者さんを知ったので、こういうのも書かれるんだと印象が変わりました。 前述のコンビは魅力的に感じたけれど、2人とも騒ぐ感じではないからか全体的に淡々とした印象でした。大月さんが居る回は大月さんの存在がとても大きかった。 淡々と始まって淡々と終わった感じですが、次...続きを読む作があれば読んでみたいです。
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