欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない

欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない

968円 (税込)

4pt

3.8

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『魔女の息子』で第40回文藝賞を受賞した作家であり、ゲイ・ムーブメントの先駆的役割を果たしてきた著者・伏見憲明が、「人間学アカデミー」(小浜逸郎氏主宰)で語りおろした講義録をもとに大幅に加筆・訂正し書き下ろした渾身の一冊が、この『欲望問題』です。

「痛み」を「正義」とする「差別問題」を、「痛み」も「楽しみ」も等価な「欲望問題」だと読み解き直す<1章──「差別問題」から「欲望問題」へ>。
伏見憲明自身の個人的な体験から生まれた「性別二元制」という捉え方を、15年を経てあらためて自身がその意味を問い、既存のジェンダー論に痛烈な違和を投げかける<2章──ジェンダーフリーの不可解>。

共同性からの自由を目指すのではなく、多様な「欲望問題」を抱える共同性を認め合い、個人の「痛み」を社会に問いかけていくことを不断に繰り返していくという<3章──アイデンティティからの自由 アイデンティティへの自由>。

副題は、「人は差別をなくすためだけに生きるのではない」。「差別がないということ以外にそれを「幸福な状態」と考えうる根拠は何なのか」と著者は問います。実存に根ざした極めて平易な文章でつづられていますが、著者があとがきで書いているようにシンプルな文章で根源的な問いをつきつけた、まさに「パンクロック」な本です。

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欲望問題 人は差別をなくすためだけに生きるのではない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    平等とか地域開発とか、

    掲げている側がやってあげるというスタンスがある気がして、sごく気持ちが悪かったけど、
    このほんのいう、みんながしたいっていうことのせめぎあいの調整の問題なんじゃないのかな、って思った。

    むずかしい

    0
    2010年03月22日

    Posted by ブクログ

    命がけで書いたから命がけで読んで欲しい、と帯に書いてある。差別や社会の不公正が気になる人間が、「気持ちよく」読めるような本では、確かにない。読み手の信念を抉りにくる、という意味では確かに読む側も命がけかも。マイノリティは正義とは限らない、というところまではスムーズだったが、あちこちにトラップがあった

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    概要
    本書は,「差別問題」を「欲望問題」と捉えることが適切であると至った過程を,著者の経験にもとづいて語る『第1章「差別問題」から「欲望問題」へ』,著者自ら提出した<性別二元制>という図式や,ジェンダーフリー論に対する批判的(再)検討を加えた「第2章 ジェンダーフリーの不可解」,X-MENを題材にあ

    0
    2013年01月27日

    Posted by ブクログ

    「欲望問題」についてもっと読みたかった。「ジェンダーフリー」に関する議論が結構長い。つながってはいるとしても。

    0
    2010年08月28日

    Posted by ブクログ

    問題提起の本なのだと思う。
    「いやいやそれは」と語りたくさせることを意図しているような。
    だからか、わざと論点をずらされているような具合でイライラした。
    「差別」ではなく「欲望」というのはわかるけれど、「欲望したくない/されたくない」という消極的な欲望しか持てないAセクとしてはピンとこない。

    0
    2012年09月03日

    Posted by ブクログ

    このなかにある「弱者が正義とはかぎらない」という主張と、アイデンティティを人格全体を包み込むようなものではなく、部分的で多様な属性の一つとして捉える考え方は重要。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    うーん。若いころだともう少しいろいろ考えたし、言えただろうけれど。どうありたいかを考えること自体がかなり意識的なことだけに今となるとぐるぐる回るばかり。差異をどう受け入れるかが自分ごとになってないと言われたらその通りだし。
    特権化と差異の話。生活実感と言上げの行きつ戻りつ。

    0
    2020年11月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    予想より興味深く読めた。差別問題ではなく欲望問題というところや、正義があると思っていても社会に許容されることとのバランスというか取り組みが必要という点は面白かった

    0
    2020年10月15日

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