赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂

559円 (税込)

2pt

東京から流れつき、どこに行くあてもない「私」は日の当たらない蒸し暑いアパートの一室でモツを串に刺し続けた。向いの部屋に住む女の背中一面には、極楽の鳥、迦陵頻伽(カリョウビンガ)の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」──。圧倒的なストーリーの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の情念を描き切る。直木賞受賞で文壇を騒然とさせた話題作。寺島しのぶ主演の映画化も、日本映画大賞など数々の賞を受賞。

詳しい情報を見る

閲覧環境

赤目四十八瀧心中未遂 のユーザーレビュー

4.0
Rated 4.0 stars out of 5
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ


    異質な作品。
    作者は暗くある種陰惨な私小説をキャリアとしていて、本作品もベースは世捨て人の作者自身を投影した様な一人称視点。
    にも関わらず、本作品の直木賞受賞には納得をしてしまう寓話性があり、作品が締まった瞬間物語の世界から弾き出された様な寂しさを感じた。
    特に女性とのさもしい縺れた恋情を描くのが

    0
    2023年06月28日

    Posted by ブクログ

    日常を虚で湿った目線でかすめる言葉たちとなにかの起きていることはわかるがなにが起きているのかはわからない感覚とがまじりあって神話的な雰囲気を醸成している。ただ二十四節で終わってほしかった。釣れない釣りを続けるひとたち好きだった。

    0
    2022年12月25日

    Posted by ブクログ

    社会の底辺で生きる人達と、そこに身を置かざるを得なくなった主人公の話。
    文章が面白過ぎて、全然好きな題材じゃないのに怖い物見たさもあり一気に読んでしまった。
    主人公が「生きる世界が違う」と体良く追い出され更に女の後を追いかけて彼の地を離れるまでの冒険譚のような話だった。

    0
    2022年10月03日

    Posted by ブクログ

    上手い。文章が、ストーリーが、人間描写が驚くほど上手い。地下鉄神楽坂駅の伝言板に始まるあっち側とこっち側を意識させる世界観。会社を辞めてアパートの一室でモツを串に刺し続ける「私」。背中に迦陵頻伽の刺青のある隣室の女がある日「うちを連れて逃げてッ」ーこの目に見えない境界線は何なんだろう。そして本当にそ

    0
    2021年11月19日

    Posted by ブクログ

    近鉄の駅に夏になると貼られる赤目四十八瀧の観光ポスター。毎回気になるのだけれど、旅慣れた京都でも奈良でも大阪でもなさそうな場所で、なんとなくふわふわした「いつか…」のままちょっと心の奥にしまってある現実感のないところ。そこがタイトルだったので手にした本。

    久しぶりにこれだけ黒いマグマのような力のあ

    0
    2021年02月06日

赤目四十八瀧心中未遂 の詳細情報

閲覧環境

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

    文春文庫 の最新刊

    無料で読める 小説

    小説 ランキング

    車谷長吉 のこれもおすすめ

      同じジャンルの本を探す